山田裕貴さん「自分を許すことが一歩踏み出すことに繋がる」|映画『夜、鳥たちが啼く』スペシャルインタビュー
今話題沸騰中の俳優・山田裕貴さん。山田さんが演技を通して気づかされたものとは?
愛の形はどんなだっていい。やっと自分を許せた気がします。
食事とサプリメントを組み合わせて栄養が偏らないようにしているという山田さん。意外にも(?)、「食材の栄養素を調べることが趣味」なのだそう。
「“食べたものが僕の血肉になる”と気づいてから、栄養バランスを考え始めました。仲の良い友人に“サプリおじさん”と呼ばれたこともあります(笑)。腸内環境も大事なので“善玉菌よ、増えてくれ!”と念じながら、毎日乳酸菌飲料を飲んでいます」
いい仕事は健康から、と納得させられる程、今や多くの作品でなくてはならない存在。主演映画で演じた、売れない小説家・慎一には「共感しかなかった」そう。
「仕事がない時期、僕は自分の力不足を棚に上げて、『なんで僕じゃなくてあいつが選ばれるんだ』と、家でひとり泣いたこともありました。当時はくやしさから、日本人俳優が出ていない洋画や韓国作品しか観られなかったんです。今はくやしさや怒りの感情にはもう慣れて、『はいはい、またこの感じね』とリセットできるようになり、気持ちにも余白がもてるようになった気がします」
自分を諦められない慎一と、シングルマザー・裕子のいびつな「半同居」生活を描く今作。傷ついたふたりが愛を交わすシーンは、切なさと優しさとが印象的だった。
「僕は慎一と裕子の距離感がすごく好きなんです。“愛とは何か”についてずっと考え続け、本も読んだりしていましたが、常識とか関係なく、お互いが穏やかに生きていけるなら愛の形はどうあってもいいんだと思えたし、大切な人とのささやかな世界を守りたいと思うことの素敵さも感じました。人は一緒にいることが当たり前になると、相手に“もっと”と求めがちですが、求めない恋愛、無償の愛という最強を注げる男になりたいです」
役を演じるのではなく、「魂ごと変わる」覚悟で臨む。台詞の多くない今作での静かで、熱い演技で俳優としてさらなる扉を開いた。
「言葉以外でも心の機微を表現できた気がするし、芝居を忘れる程の感覚が心地よかったです。この映画を通して、僕はやっと自分を許すことができた気がします。何かに一歩踏み出すときに必要なのは、勇気以上に自分を許すことなのかもしれない。そんな希望も感じられた作品です!」
It’s my it!
ケプリアン
K-POPのファン歴は15年以上!今の僕の幸せはKep1er。メンバーの頑張る姿に感動してます!
午後の日の光
部屋に入ってくる日差しが心地よくて、光が当たる場所にイスを置いて座り、ぼーっとする時間が好きです。
PROFILE
やまだ・ゆうき/1990年愛知県生まれ。2011年に俳優デビュー。主な出演作に、映画『HiGH&LOW』シリーズ、『余命10年』『耳をすませば』など。’23年は大河ドラマ『どうする家康』に出演、映画『東京リベンジャーズ2』が公開予定。
Movie『夜、鳥たちが啼く』
(C)2022クロックワークス
鬱屈とした日々を送る売れない作家・慎一は、恋人と住んでいた家を先輩の元妻・裕子とその息子に提供し、離れのプレハブで生活するように。互いに深入りせず、一見、穏やかな日々が続いていたが…。佐藤泰志の小説を映画化。
監督:城定秀夫 出演:山田裕貴、松本まりかほか
12月9日公開
『美的』2023年1月号掲載
撮影/杉江拓哉(TRON) ヘア&メイク/小林純子 スタイリスト/森田晃嘉 構成/松田亜子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。