40代50代の女性の心と体の悩みの解決法を婦人科医の山田真理子先生が伝授【語ろう!メノポ界隈】vol.4|美的GRAND
読者の生の声から更年期前後のリアルを読み解く、短気集中連載【語ろう!メノポ界隈】4回目。40代の大きな悩みは生理前の「イライラ」。50代は「突然の暑さ」や「滝汗」、「疲労感」や「不眠」。これはPMS(月経前症候群)?もう更年期が始まっている?激しく乱高下する40代から50代の体調。ゆれる女性の心と体の悩みの解決法を婦人科医の山田真理子先生にうかがいました。
まりこレディースクリニック横浜 院長
山田真理子先生
女性の悩みに寄り添い助けの手を伸べてくれる、真摯な姿勢と優しい人柄が人気の婦人科ドクター。
治療してラクになろう 40代のイライラ
46歳・フリーランス
46歳・主婦
イライラだって立派な病気です!
ツラいイライラ。キレたくないのにキレてしまう…、周囲の人に八つ当たり…、ときに爆発して暴言も…。おまけに、食欲が止まらなくて、むくみもひどくて、気分は最悪…。それが、決まって生理の前で、生理が来たらつきものが落ちたように鎮まるなら、PMS(月経前症候群)かも知れません。
「PMSは月経前に心と体に現れるさまざまな不調のこと。月経が始まると症状が軽くなるか消えるのが特徴です。全女性の約5~ 8割に見られるともいわれます。最近では、特にイライラや落ち込みといった精神的な症状が非常に強く出る場合をPMDD(月経前不快気分障害)と呼ぶこともあります」(まりこレディースクリニック横浜 山田真理子先生)
PMSはピルや漢方薬で治療可能
イライラがツラい場合は、ひとりで我慢しないで、PMSの治療に積極的な婦人科を見つけて、相談するのがおすすめです。
「PMSは低用量ピルや超低用量ピルと呼ばれる各種の薬で治療が可能です。薬に含まれる女性ホルモンの働きにより、自分の女性ホルモンの働きが抑えられ、さまざまな不調が起こりにくくなります。ただし、低用量ピルや超低用量ピルは40代以降の方には処方できません。薬にはわずかながら血栓症(血管の中で血が塊になって栓をしてしまう病気)のリスクがあるためです。40代以降の方にはディナゲスト(ジェノゲスト)という薬が使えます。この薬には女性ホルモンの中のプロゲステロン(黄体ホルモン)だけが配合されており、血栓症のリスクを上げにくいといわれているからです。さらに、こうした薬が使えなかったり合わなかったりする場合は、漢方薬が使えます。漢方は効き目が穏やかなイメージがありますが、イライラに効果的なものもあります。PMSの治療に使われるピルにはたくさんの種類があり、人によって効き方が違ったり合わなかったりする可能性があります。最初の数回の受診では、医師と話し合いながら、自分に合った治療法を見つけるのが理想です」(山田先生)
費用は保険適用になることが多いです
治療を始めるとなると費用も気になります。日常生活に困難が生じるようなイライラの場合、費用は多くのケースで保険適用になります。例えば、保険適用(3割負担)の場合、初診料(2回目からは再診料)+処方料+薬剤情報提供料などに約¥1,000、低用量ピルや超低用量ピルなどの薬に約¥1,000~3,000、必要に応じた検査(子宮がんの検査や内診の経腟エコー検査など)にそれぞれ約¥5,000~。その後は、再診料など+薬になります。
「最近は、オンライン診療や海外輸入でも薬が手に入るようになっています。しかし、ピルを使って治療をしている間は、子宮がんなどの病気のリスクの管理が必須です。1年に1回は子宮がんなどの病気がないかを調べましょう」(山田先生)。
費用はクリニックや診察の内容によって変わります。自費の治療をメインにしているクリニックの場合、ピルなどの薬も自費になるケースがあります。
46歳・フリーランス
46歳・主婦
治療してラクになろう 50代の暑さ・汗・疲れ・眠れない
53歳・事務
55歳・アルバイト
57歳・アルバイト
更年期は治療できます!
いきなり暑く感じて汗が噴き出す…、疲れやすく疲れが抜けない…、夜眠れないために昼間に眠気が襲う…、理由もなく気持ちが落ち込む…、肩こり首こり頭痛がひどい…、手足が氷のように冷たくなる。これらは更年期の典型的な症状です。
「閉経前後の約10年間(目安として45~55歳頃)は、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が減少、同時に自律神経が不安定になり、さまざまな不調が現れやすくなります」。
イライラも更年期の典型的な症状のひとつだけに、PMSか更年期かどちらかわからないという人も多いはず。
「PMSの場合は、必ず生理の前になり、生理が来てしまうと落ち着く、毎月それを繰り返します。更年期の場合は、生理は関係なく症状が襲います。また、PMSと更年期では治療方法が全く異なります。自分だけで判断せずに、婦人科に相談してほしいです」(山田先生)
更年期はホルモン補充が第一選択
更年期の不調の治療の第一選択となるのはHRT(ホルモン補充療法)です。
「HRTは、ホットフラッシュなど更年期の典型的な症状に効果が期待できる治療法です。ホルモンを補充するといっても、元々の自分の女性ホルモンよりうんと少ないですし、ピルと比べても1/4~1/8程度の少ない量です。飲み薬のほか塗り薬や貼り薬があります。保険も適用になります。HRTには、骨密度の維持や心血管疾患のリスク低減など、女性が注意したい疾患の予防にも効果的です。ただし、若干ではありますが乳がんリスクを上げる可能性がありますので、気になる人はその点も含めて医師に相談してみてください。HRTが使えない人には、漢方薬やプラセンタ注射といった選択肢もあります。これらは乳がんリスクを上げないので、その点でも安心といえます」(山田先生)
費用は保険が適用になり数千円~です
更年期の治療には保険が適用されます。例えば、保険適用(3割負担)の場合、初診料(2回目からは再診料)+処方料+薬剤情報提供料など約¥1,000、必要に応じた検査ごとに約¥5,000〜、薬に約¥1,000〜3,000など。プラセンタ注射も保険適用です。また、PMSの治療と同じように1年に1回は子宮がんなどの病気がないかを調べる検査が必要です。
「更年期の治療を始める前には、更年期以外の病気がないかを確認する検査が必要になる場合があります。実際に、更年期だと思って相談に来られた方に甲状腺の病気が見つかったことがあります」(山田先生)
山田先生よりメッセージ「更年期は人生でいちばん大変な時期」
「女性の40~50代は“ゆらぎ”の年代。ホルモンのバランスが乱高下して体調が激変します。さらに、仕事で独立したり…、職場を変わったり…、子供が大学受験だったり…、親の介護が始まったり…、大きな心配事や不安を抱えるタイミングであることも。人によってツライ症状は違いますし、解決方法もひとりひとり違います。50歳前後でなんらかの体調の変化を感じたら、ひとりで悩まずに、更年期の治療に積極的な婦人科に相談してみてください。」
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