土屋太鳳さん「キレイの魔法をかけてくれるメイクをもっと楽しみたい」|『美的』3月号表紙特別インタビュー
母となって、『美的』3月号の表紙を飾ってくれた土屋太鳳さん。映画やドラマ、そして著書も上梓(じょうし)…と、俳優としても新たな気持ちで挑戦を続ける中で生まれた、仕事やセルフケアへのポジティブな気づき。
土屋太鳳|新しい、リズムとイズム――人生の新章は五感を満たしてキレイになる
ニットトップス¥187,000、スカート¥195,800(アンテプリマジャパン〈アンテプリマ〉) 靴¥118,800(クリスチャン ルブタン ジャパン〈クリスチャン ルブタン〉) イヤーカフ¥14,300、リング¥58,300(moil)
アイメイクはキレイの魔法。セルフケアは日常を味方につけながら。
体の変化を経て、「骨」の大切さを実感中
トレンチコート¥217,800、ニット¥129,800(ADEAM東京ミッドタウン店〈アディアム インターナショナル〉) ゴールドイヤーカフ[右]¥29,700(プリュイ トウキョウ〈プリュイ〉) シルバーイヤーカフ[左]¥19,800、リング¥38,500(ブランイリストーキョー〈ブランイリス〉) パール付きチョーカー¥121,000(ENEY松屋銀座〈エネイ〉)
’23年に第1子を出産後、この日が初めて臨む雑誌のスチール撮影。春メイクでカメラの前に立った土屋さんは、いつも以上に気負いのない、柔らかな雰囲気が印象的だった。
「久しぶりの雑誌の撮影で、どんな顔で写っているのだろうとドキドキしましたが、メイクで素敵に変身させていただけて気分も上がりました。特にアイカラーはピンクをベースにして、モーヴで仕上げたりと、いつもはしないメイクが新鮮でした。アイラインも引いていないのに、目元に柔らかさと程よい強さがあり、カメラの前で意識しなくても自然な表情が生まれた気がしました。アイメイクは、キレイの魔法をかけてくれるもの。これまでプライベートではメイクをあまり意識してこなかったのですが、もっと楽しみたくなりました」
産後、初めて経験する自分の体に起こった変化に驚いたという土屋さん。仕事や子育てに奮闘し、時間の使い方も変わる中で、セルフケアの考え方にも変化が生まれたそう。
「炭酸水にリンゴ酢を入れて飲んだり、掃除機をかけながらパックをしたりと、“ながら”でできる手軽なことを中心に続けています。美容のためにあれもこれもせねばと意気込んでも続かないので、焦らず、日常を味方につけながらお手入れをしていけたらと思うんです。今はまとまった睡眠時間がとりにくいので、日中、よく睡魔に襲われるのですが、感情の言葉をためるとストレスにつながりそうなので、『眠い、眠い』と言葉に出して発散しながら家事をしていることも(笑)。最近は、野菜とたんぱく質をしっかりとれる料理を意識して作っています」
出演している映像や写真を見ると、「顔のこの部分がもう少しスッキリしていたら…」と思うことがある。けれど、自分の見た目への思いは、そのときの精神的な部分に左右されることが多い――。そう気づいてからは、メンタルを健やかに保つために、食事や運動などの日々の習慣をより大切に考えるように。中でも今、特に意識しているのが「骨」なのだそう。
「出産後、骨盤が開いている状態だと歩きにくいということを知ったとき、骨は体の土台の基本であり、そこに筋肉がついて、肌があるということを改めて感じました。外側からのケアも大切ですが、土台がしっかりしていないと、根本的な解決にはならないこともあるのだな、と。それで今、骨や筋肉の場所を覚え直して、正しい位置になるようにストレッチをしています。体の土台から整えていった先に、健康や美しさがあるような気がするんです」
2月に公開予定の主演映画『マッチング』は、サスペンススリラー。劇中、低めの声で、ほとんど笑わない演技、その存在感にぐいぐいと引き込まれた。そして、人気サバイバルドラマ『今際の国のアリス』シーズン3の撮影も始まる。
「『マッチング』でのお芝居は毎回覚悟が必要とされました。内容も重く、物語が進むにつれて、私が演じる輪花に起こる出来事を通して、内臓が冷たくなるような感覚があって。神経を使いすぎていたせいか、本番前に眠たくなってしまうんです(笑)。『今際~』は、シーズン3まで来ると、共演者やスタッフの皆さんはもう家族みたいなんです。アクションシーンも多いので、体が早く元に戻るよう、またジョギングを始めました」
これまで、オンとオフは切り替えるようにしていた。でも今は、「意識的につなげてみたい」と言う。それは、「プライベートの過ごし方が、よりお仕事にも生きてくるような気がする」から。
「お仕事とプライベートの境界を曖昧にしてもいいのかなと思うようになりました。そうすることで、それぞれの時間で相乗効果が生まれるような気もしています。いろんなことを心地よく巡らせられるような過ごし方をしていきたいです。そして日常でも、美術館に行ったり、自然に触れることも含めて、五感を刺激して、研ぎ澄ませていけたらいいですね。日々時間に追われていると、本当は心が動いているはずなのに、その気持ちに気づかないふりをしてしまうことがありましたが、もっと五感を盛大に使うことが、日々の豊かさや私らしさに自然とつながるような気がしています。そんな日常という点が連なった先に、どんな自分に出会えるのかが楽しみなんです」
20代最後の年、フォトブック『たおリズム』(小社刊)を上梓する。さまざまなメイクをはじめ、プライベートショットも満載の1冊は、人生でも転機を迎えた土屋さんの魅力と思いが詰まっている。
「どんなときも楽しむことを忘れずにいたいです。お仕事では自分の楽しさ以上に、ご一緒する方々にも楽しんでもらいたくて。そういう現場の雰囲気は私自身のお芝居や作品にも表れると思うから。そして、大切なものをちゃんと大切にできる自分でいられるように、私自身の土台を整えて、心地よいリズムでまっすぐに生きていきたいです」
五感を大切に、オンとオフの時間が巡るように過ごしたい
for Beauty
リンゴ酢炭酸水
ペットボトルの炭酸水にリンゴ酢を大さじ1~2くらい入れて毎日飲んでいます。小腹も満たされ、目が覚める感じも。続けていると体が軽く、楽になっている気がします。
ワカメスープとおかゆ
韓国では、産後にワカメスープを食べて体を労ると聞いて、麦飯を入れて食べています。時々、取り寄せたフカヒレを入れてみることも。最近は消化の良いおかゆの良さも実感しています。
ネイルを楽しみたい
おしゃれに関心がわくのが遅く、実はプライベートではネイルをしたことがなかったんです。でも、指先に色があると気持ちも明るくなりますよね。今年はペディキュアも楽しみたいです。
ちゃんと、睡眠
今は睡眠が常に浅いので、眠る前にアロマをたいたり、スマホは見ないようにして熟睡できるようにしています。ヨーグルトにオリゴ糖を入れて食べ、少し血糖値を上げて寝ることも。
土屋太鳳の魅力を1冊に詰め込みました
『たおリズム』著/土屋太鳳
定価:2,640円(税込)
B5判
128ページ
1月29日発売(小学館)
“20代前半の私は、メイクもナチュラルで私の美容について本にする、できるなんて考えたことがありませんでした。
今回は出版のお話をいただいて、とてもありがたかったですし、メイクをすることによって、こんなにも気持ちが変わるんだということ、改めてメイクの楽しさを感じる撮影で私自身の記録も残せる良い機会になりました。
いつも見てくださる方々と一緒に頑張ろう、前に進もう!と取り組み、皆さんと、ともに歩んでいけるような1冊になったと思います。”
――――土屋太鳳
河北裕介さん
撮影/吉田 崇
林 由香里さん
撮影/柴田フミコ
Georgeさん
撮影/岡本 俊
\本人が撮影した貴重なプライベートショットも!/
\姉・炎伽さんとの初共演/
撮影/岡本 俊
Profile
つちや・たお/1995年東京都生まれ。2008年に映画デビュー。近年の主な出演作に、映画『哀愁しんでれら』『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』『鳩の撃退法』、ドラマ『やんごとなき一族』『警部補ダイマジン』など。マッチングアプリによる出会いから始まる恐怖を描いた主演映画『マッチング』が2月23日に、映画『帰ってきた あぶない刑事』が5月24日に公開予定。
『美的』2024年3月号掲載
撮影/柴田フミコ ヘア&メイク/林 由香里 スタイリスト/小川未久 構成/松田亜子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。