フロタイル土居さん「若い頃の経験は、人生の糧となりいつか美容液となる」｜スペシャルインタビュー

荒々しいプレイスタイルで有名だった元プロレスラー・フロタイル土居さんが、30年のときを経て今、女性が憧れる女性にーー。「過去のやんちゃも、コンプレックスも、すべて人生の糧」と語るフロタイルさんから、美的読者へ魂のメッセージ！

カフェ「カップ・ラビット」オーナー
フロタイル土居

美は、心意気一本勝負。

話題の美魔女、初登場。53歳、キレイを更新中！

「はじめまして。東京・西国分寺でカフェをしている、山久雛子です。根本的、抜本的、美的。日本三大“的”と呼ばれる『美的』に登場させてもらえるなんて、光栄の限りです。最初お話をいただいたときは『どっきりカメラかな？』って不思議な気持ちでしたけれど、うれしいものですね。冗談だろうがお世辞であろうが、キレイと言ってもらえるのは」

山久さんは元々神戸育ち。貿易商を営む両親のもと厳格に育てられ、内気な性格だったといいます。
「厳しい父で…何かあればヘッドギアで教育されていました。そんな管理下に置かれるのがイヤで家を飛び出して。最初は音楽を始めたんです。マラカス、トライアングル、あと鈴。カスタネットに手を出したこともありました。でも、引っ込み思案なものだから音を出すのにも躊躇してしまって。バンドマスターから『お前の鈴が鳴らないよ！』と何度怒られたことか。カスタネットもいっさい、たたきませんでした」

“昔のことを言われると恥ずかしいですが、いろいろな時代を経て今がある。若い頃の経験は、人生の糧となりいつか美容液となるときが来ます”

もっと強くなりたい。過保護に育てた親に対して反発心を見せたい。そんな思いが募り、女子プロレスに入門したといいます。

「リングに上がれば敵と一対一。遠慮なんて必要ない。そんな世界が、向いていたのかもしれませんね。でも、レスラーってゴツいブーツを履くでしょう。華奢なミュールやヒールも履きたい。足を小さく見せたいというコンプレックスが強くて、18.5cmの靴を履いてました。無理があったんでしょうね。巻き爪になって。それで辞めました」

引退後は、アロマの資格をとったり、オーガニックフードの勉強をしたり、友達と旅に出かけたり。現在の夫・優人さんとはグアム旅行中に出会ったといいます。

「私、バナナボートから海に落ちてしまって。ちょうどパラセーリングをしてた彼が助けてくれたんです。優しいなって。意気投合して、2時間後には部屋で過ごしていました」

結婚後、ふたりでカップケーキの店をオープン。穏やかな笑みを浮かべながら、厨房ではピスタチオを歯で噛み砕いて調理する一瞬も。

「昔から歯は強いんです。噛みグセもあって。夜は寝ぼけて電気のコードを噛んでしまうみたいで。寝るときは檻に入れてもらっています」

カップケーキには人柄が出る、とフロタイルさん。
「見栄を張ってフルーツを盛りすぎると不安定。早く食べないとタイミングを逃して傷んでしまう。人生に共通するところがあると思っています。私は、ついつい引き算してしまいますね。イチゴの表面の粒も全部取り除いています」

最後に、読者にメッセージを。
「過去を振り返ると恥ずかしいことばかりですけれど、若い頃の経験や今している行動のひとつひとつが、何かしら美の糧になっていくのだと思います。昨日よりも今日の自分が好き。３秒前より今が好き。明日は、1mmでもいいので上回る。そんな気持ちが、醸し出す空気や魅力的な表情になっていくのだと思います。…やだ、すみません。なんだか調子に乗ったこと言っちゃって」

フロタイル土居さんとは…？

元女子プロレスラー。「デリシャス！」と叫びながら対戦相手の頭に噛みつく「頭食（とうしょく）」デスマッチなど、荒々しいプレイで一時代を築く。引退した現在は、夫とともにカフェを運営。“史上最凶と恐れられた悪役が今ではこんな美魔女に！”とメディアに取り上げられることも。エイジレスビューティな53歳。本名は山久雛子。

顔に『風呂タイル』柄のタトゥーを入れ自身のトレードマークにする斬新さ。数多くのクリエイターを紹介する冊子にも登場している。『つくるひとびと クリエイター71人のパワー・ワード』（集英社刊）

もっと知りたい！フロタイルさんのこと

（c）クリエイターズ・ファイル

秋山竜次（ロバート）さんがさまざまなクリエイターに扮する連載企画「クリエイターズファイル」。YouTubeでは、かつてのフロタイルさんのファイト姿や、東京・西国分寺のカフェ「カップ・ラビット」の様子、夫・優人さんとの仲睦まじい姿がさらに楽しめます。Netflixオリジナルシリーズ『クリエイターズ・ファイル GOLD』独占配信中。
公式サイト（https:www.creatorsfile.com）

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