質量ともに「眠り」が足りてないあなたのための睡眠改善メソッド|美的GRAND
経年美化肌のために必須なのはわかっているものの、ついおろそかにしがちな睡眠。悩み多き大人世代が実践すべきはこの5つのアプローチ。美肌の土台作りにも健康にも、大切なのは良い睡眠。グラン世代を取り巻く睡眠の実情から、快眠へと促す具体的なメソッドまで、睡眠研究の第一人者に伺いました。
- 日本人の睡眠時間はどんどん短くなっている。重視したいのは “睡眠の休養感”です
・睡眠休養感とは?
- 朝食でトリプトファンを摂取してセロトニンの合成を活発に
- 睡眠にまつわるキーワードをおさらい
- 食物繊維たっぷりの「かむサラダ」で睡眠の質をアップ
- 深部体温と皮膚体温をコントロールする
- 入浴で放熱を促進して深部体温が下がると眠気がやってくる
- 良い眠りへ導く入浴のお作法
- 通気性と保温性に優れたパジャマが睡眠の質をグッと高めてくれる
- パジャマに投資して素早く深い眠りへ
・ベストな寝室環境に導くヒント
- 1/fゆらぎを取り入れて副交感神経を優位に
- 睡眠にまつわる素朴なギモン
・Q.ベッドに入っても目がさえて眠れないときはどうする?
・Q.人によって適切な睡眠時間は違う?
・Q.夢をよく見るのは眠りが浅いから?
・Q.いびきをかきやすいのが悩みです
- 寝る前の呼吸法やストレッチでリラックス
・4・7・8呼吸法
・大の字呼吸法
・あお向けがっせきのポーズ
・ストレッチポールほぐし
日本人の睡眠時間はどんどん短くなっている。重視したいのは “睡眠の休養感”です
私たちが睡眠不足を感じやすいのもそのはず、日本人の睡眠時間は1970年代以降、短くなる一方!「中でも最も睡眠時間が短いのが50代女性です。仕事や家庭での役割に加え、趣味や美容など身の回りに費やす時間も増えたことが影響していると考えられます。“忙しくても寝ずに頑張る”がもてはやされ、必然的に睡眠が削られてきた時代背景もありますね」(八木朝子先生)
睡眠の量は少々足りなくても、質を上げれば良い眠りを目指せる?「厚労省が推奨する6時間以上の睡眠をできるだけ確保しつつ、目覚めの“睡眠休養感”を重視しましょう。特に女性は更年期に入ると睡眠そのものが浅く、途切れがちに。まずは自分が取り入れやすいメソッドを1~2週間続けてみてください。手応えを感じられれば、それが安心感につながってさらに眠りが深くなる好循環のきっかけになるはずです」
睡眠休養感とは?
「眠ったことでどれだけ心や身体が休まったと感じられるか」という自己評価。主観的に睡眠の質を測る目安となります。
- 朝、すっきりと起きられる
- 目覚めたときに疲れが取れた感覚がある
- 日中に眠気を感じない
- 寝つきがスムースである
- 夜中に覚醒せずに朝までぐっすり眠れる
\働く日本人の睡眠時間は減る一方!/

グラフは15歳以上の平均睡眠時間の推移。特に有業者の睡眠時間が年々減ってきている。
\最も睡眠時間が短いのは50代女性/

年代別・性別睡眠時間をみると40代以降は女性の方が睡眠時間が短くなり、50代前半では差が25分と最も大きくなる。
朝食でトリプトファンを摂取してセロトニンの合成を活発に

規則正しい朝のルーティンで体内時計が整うと睡眠と覚醒のリズムもスムースに。「朝は日光を浴びてセロトニンを生成するのが快眠のために良いと知られていますが、朝食でトリプトファンをとるのも実は大切。洋食なら牛乳や卵、バナナ、ヨーグルト、チーズなど、和食ならみそ汁、納豆、豆腐などを組み合わせるとトリプトファンを効率的に摂取できます」(八木先生)
睡眠にまつわるキーワードをおさらい
メラトニン
夜間に分泌される睡眠ホルモン。セロトニンがメラトニンの前駆体として機能するため、日中の充分なセロトニンの生成が睡眠と覚醒のリズムを整えるカギに。
セロトニン
ドーパミンやアドレナリンと並ぶ
3大神経伝達物質のひとつ。朝、セロトニンが生成されると脳が覚醒して活動モードに。日中のやる気や集中力もアップ。
トリプトファン
必須アミノ酸の一種で、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの材料となる。体内で合成することができないため、食事で意識的に摂取することが必要。
食物繊維たっぷりの「かむサラダ」で睡眠の質をアップ

“しっかり咀嚼する”こともセロトニンの生成を促し、夜の睡眠の質向上に役立ちます。切り干し大根やミックスビーンズ、にんじんなど食物繊維が豊富でかみ応えのある食材をサラダにするのもおすすめ。腸内環境が整うことで自律神経が安定し、安眠につながります。
深部体温と皮膚体温をコントロールする

人の深部体温(脳や臓器など体の内部の温度)は、日中の覚醒時に上昇し、夜間の睡眠時に低下します。入浴で一時的に深部体温が上がると、体が体温を一定に保とうとして手足から熱を放散し、深部体温は低下していきます。深部体温と皮膚体温の差が小さくなると、眠気が誘発されて深い睡眠に。「ほてりやのぼせなど、更年期症状によるホットフラッシュで熱が体にこもってしまい眠れない…という人も、入浴で放熱を促すことで症状の緩和につながります」(八木先生)
入浴で放熱を促進して深部体温が下がると眠気がやってくる

良い眠りへ導く入浴のお作法
温(ぬる)めの湯船に10 ~ 15分程度つかる
しっかり深部体温を上げるには、温めのお湯にじっくりつかるのがベスト。暑い季節なら38~40℃、秋冬なら40~41℃に。副交感神経が優位になり、リラックスできます。
入浴剤で温浴効果を高める
炭酸ガスや重炭酸イオンの入浴剤を活用すると、より温浴効果が得られやすい。短時間でも血流が促進されるので、のぼせやすい人や長湯ができない人にもおすすめ。
シャワーですませる場合は…
全身にシャワーを浴びた後、首や肩、背中、腰、ふくらはぎなど筋肉の大きな部位に長めにお湯を当てて「部分浴」を。効率的に血流がアップし、温浴効果も高まります。

疲労回復に重点を置き、炭酸ガスやホホバオイル、アルギニンなどを配合。香りも爽やか。
ハイクラス リカバス 30包入¥6,270

豊富に溶け込む重炭酸イオンが、疲労回復や体温の上昇をサポート。
薬用BARTH中性重炭酸入浴剤 30錠(10回分)¥2,750
通気性と保温性に優れたパジャマが睡眠の質をグッと高めてくれる

ひと晩の理想的な睡眠サイクルは、深い眠りの「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」を交互に4 ~ 5 回繰り返します。睡眠休養感を高めるには、睡眠直後の2 ~ 3時間以内にまとめて深く眠ることがポイントに。「なかなか寝つけない、寝てもすぐに目が覚めてしまう人は、寝具や寝室環境を見直してみましょう。特に肌に直接触れるパジャマは体の放熱にも影響するので、機能性や着心地にもこだわりたい」(八木先生)。さらりと肌離れが良く体を冷やさない、締めつけないパジャマなら朝までぐっすり!
左/天然素材100%の2重ガーゼを採用し、睡眠を妨げる肌摩擦を軽減。長めの袖や捲まくり上がりにくい裾など細部までこだわった設計。
ネムリカパジャマ¥23,800(マリネス)
右/リカバリー機能と吸放湿性を兼ね備え、コットン混の柔らかな着心地。通気性の良いサッカー生地でロングシーズン着られる。
リカバリーパジャマ ニットサッカー¥33,000(べネクス)
パジャマに投資して素早く深い眠りへ

ベストな寝室環境に導くヒント
・寝る直前までスマホが手放せないときは?
スマホを触らないことがかえってストレスになるなら活用法を変えてみて。SNSなど情報の刺激は避けて瞑めい想そうアプリやオーディオブックに使用を限定するなどの工夫を。
・寝る前のルーティンを作ってみる
静かな音楽を流しながらハーブティーを飲むなど、内容は好きなことでOK。ポイントは寝る前の行動を習慣化すること。脳が眠りの合図だと認識して眠りに落ちやすく。
・就寝前は意識的にリラックス
スムースに入眠するには脳の興奮を鎮めることが大切。寝床に入る1時間前には家事や仕事から離れて、照明も明るすぎないように調整するなどリラックスモードに。
・寝室の温度と湿度を快適に保つ
一般的に室温は夏26~28℃、冬は16~19℃、湿度は50~60%が快適といわれます。迷ったらエアコンを低めに設定して、重すぎない掛布団で調整するとベター。
1/fゆらぎを取り入れて副交感神経を優位に

1/fゆらぎとは、人間が五感で感じとれる心地よいリズムや変動のパターンを指します。「人の心拍にもゆらぎがあるので、1/fゆらぎを取り入れると呼応して副交感神経が優位に。就寝前に小川のせせらぎや鳥のさえずりなど自然音をBGMにしたり、キャンドルの炎の揺らめきをぼんやり眺めるだけでも効果的です」(八木先生)
左/ホワイトムスクやイングリッシュラベンダーが優しく香って穏やかな眠りへ誘う。
ジョー マローン ロンドン ラベンダー & ムーンフラワー クラシック キャンドル ¥11,660
中央/フランキンセンス、ラベンダー、マジョラムをブレンドした心落ち着く香り。100%ナチュラルなキャンドル。
バンフォード b SILENT キャンドル ¥8,800 (問)B You
右/優雅でフレッシュなローズ。高貴で官能的な香りが広がり、洗練された空間を演出。
シスレー パフュームド キャンドル N ローズ ¥18,150(11月1日限定発売)
パフュームド キャンドル N[2025年 11月発売]の詳細はこちら
睡眠にまつわる素朴なギモン
Q.ベッドに入っても目がさえて眠れないときはどうする?
A.いったんベッドから離れて眠気が訪れるのを待つ
睡眠不足や起床時間を気にして無理に眠ろうとすると、かえって脳の興奮が高まり寝つけなくなります。寝室以外の静かな場所で本を読んだり、軽いストレッチがおすすめ。
Q.人によって適切な睡眠時間は違う?
A.ある程度個人差はあるが極端に短いのはNG
厚生労働省の『睡眠ガイド2023』によると、成人の適正な睡眠時間は6時間以上が目安。とはいえ個人差があり、短すぎず朝すっきり目覚められる睡眠時間を確保して。
Q.夢をよく見るのは眠りが浅いから?
A.夢を見る頻度と睡眠の深さは相関性なし
夢は主にレム睡眠中に見るので、実際の睡眠は充分に深くても目覚めがレム睡眠と重なるタイミングであれば、夢をよく覚えている=夢をよく見ると感じることが多くなります。
Q.いびきをかきやすいのが悩みです
A.年齢やホルモンの影響。心配なら病院へ
加齢や女性ホルモンの減少によって気道が狭まり、いびきの問題を抱える女性は多いです。睡眠が浅く中途覚醒もしやすくなるので、いびきが 続くようなら専門医に相談を。
寝る前の呼吸法やストレッチでリラックス

寝る前に心地いいと感じる程度に体を伸ばしたり、一定のリズムや間隔で呼吸をすることで心身の興奮や緊張を和らげて入眠しやすい状態に。ベッドの上でゴロゴロしながら行うのもおすすめ。途中で眠くなったらそのまま寝てしまいましょう。
4・7・8呼吸法
アメリカのアンドルー・ワイル博士が提唱している呼吸法。交感神経を鎮めて寝つきを良く。

あお向けなど楽な姿勢で息を吐き切り、心の中で4拍カウントしながら鼻から息を吸い込む。

肺に空気をためたまま息を止めて7拍カウント。全身に酸素を行き渡らせるイメージで。

8拍カウントしながら口から細く息を吐き切る。一連の呼吸を4サイクル繰り返して終了。
大の字呼吸法
あお向けで大の字になるシンプルな呼吸法。胸やおなかが開いてリラックス効果抜群。

大の字に寝転び、鼻からゆっくり息を吸い込み、口からゆっくり吐くを3分程繰り返す。
あお向けがっせきのポーズ
股関節を開いて巡りを促すポーズ。全身がじんわりと温かくなり、心も落ち着きます。

あお向けに寝て、両ひざを立てる。

両ひざを左右に開いて足裏同士を合わせ、気持ち良さを感じながら5分キープ。
ストレッチポールほぐし
肩胛骨や背中のこわばりを緩めてストレスをリリース。肩こり解消&姿勢改善効果も。

ストレッチポールに乗り、手の甲とひじを床につけた状態で左右の腕を開く。

ひじを床につけたまま両腕を肩の高さまで上げ、ゆっくり元の位置に戻して1セット×5回。ストレッチポールがなければバスタオルを丸めて代用してもOK。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
日本睡眠検査学会理事長。久留米大学「スリープラボ」で臨床検査技師の育成に当たるなど、睡眠医療の普及に務める。