佐久間由衣さん「できることはすべて出し切りたい」｜舞台『ヴェニスの商人』スペシャルインタビュー

12月6〜22日の東京ほか京都、愛知でも公演される『ヴェニスの商人』に出演する佐久間由衣さん。舞台にかける思いとは？

佐久間由衣さん｜時々“ちゃんとグレる”とモヤモヤが成仏して自然と元気になれるんです

舞台『ヴェニスの商人』への出演オファーが来たのは、「役者としての未熟さを痛感していた」頃だった。

「初舞台は、自分のお芝居に手応えを感じることができないまま終わってしまいました。当時は“できないと思われてはいけない”という思いから誰にも相談できず、自分を追い込んでいた感じがありました。その後、わからないことも恥ずかしがらず、素直に伝えられるようになると、前向きに取り組むことができるようになった気がします。今作でも皆さんに教えを請いながら作品を作り上げていけることが楽しみです」

有名な「肉1ポンド」の契約を描くシェイクスピアの痛快喜劇で演じるのは、聡明な女性、ポーシャ。彼女が“慈悲”について語るシーンは、物語後半の見せ場のひとつ。

「ポーシャの正しいと思うことをまっすぐに信じる勇気、エネルギッシュで自立した女性の強さが伝わるように演じられたら。シェイクスピア作品は敷居が高い印象でしたが、今作はエンタメ性が高く、その中に込められた時代背景や押さえつけられている人々の思いをしっかり理解した上で演じたいです。長台ぜりふ詞も多くて緊張しますが、うっとりするような美しい台詞が多く、登場人物の感情や考えに共感できる部分も多いので、できることはすべて出し切りたいです」

内面の美しさは表情にも表れる。ナチュラルな美肌、スラリとしたスタイルも素敵な佐久間さん。落ち込んだり、嫌なことがあると「自分を甘やかす時間をもつ」そう。

「しっかりヤケ食いして、ちゃんと“グレる”とモヤモヤが成仏して気持ちが切り替わり、また頑張ろうと思えるんです。私はパフェなどのスイーツを食べることが多いです（笑）」

家にいる時間が長かった時期、夕日の美しさに癒されたことが。

「オレンジ色の光景がとても美しく、日が昇って沈むという繰り返す営みを感じると救われる部分がありました。そういう日常をしっかり感じながら、適度に好奇心を刺激しながら生活をして、元気に過ごせるための筋力をつけていきたいです。心も体も、お芝居も。筋肉は裏切らない気がしますから（笑）

She is into…

時々、練りチーク
普段はメイクをしないのですが、ふと入れたくなるのがチーク。オレンジ系のヘルシーな色で血色感を出しています。

希望は10時間睡眠！
でもなかなか難しいので、短くても深く眠れるように、寝る前にはスマホを見ず、部屋を真っ暗にして眠るようにしています。

『ヴェニスの商人』

アントーニオは親友バサーニオが富豪の美女・ポーシャに求婚するのを支援するため、シャイロックから金を借りた。だが、財産を積んだ船が海に沈み、シャイロックは「金を返せなかったら肉1ポンド」の契約をかざし、アントーニオを追い詰める…。脚本：ウイリアム・シェイクスピア　出演：草彅 剛、野村周平、佐久間由衣、忍成修吾ほか　12月6〜22日の東京ほか京都、愛知でも公演。

PROFILE
さくま・ゆい／1995年神奈川県生まれ。2014年に俳優デビュー。’15年に『トランジットガールズ』でドラマ初主演し、以降、多くの話題作に出演。近年の出演作に、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』『らんまん』、ドラマ『おいハンサム！！』シリーズ、『最愛』、映画『キングダム』シリーズなど。

※価格表記に関して：2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。