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2024.5.31

高橋文哉さん「次に何者になれるのか、常にワクワクしています」|映画『からかい上手の高木さん』スペシャルインタビュー

大胆にして細心。冷静に自らを見つめ、飾らない言葉で自分を語る。力みのない芝居やナチュラルな存在感の中、時折感じる諦観。エンタメやファッションなどさまざまな分野から注目を集める23歳のリアル。

我執を超えた、ピュアな達観。

「自分にこの役のお話をいただいたときは意外だなという気持ちでした」。人気漫画を実写映画化した『からかい上手の高木さん』での「西片」役の話がきたとき、最初はそう感じたと言う。“イケメンすぎる西片”も話題の今作について、「イメージと違うと思っている皆さんには、見ないと損しますよと伝えたいです(笑)」とにやり。

気になる人と観たら告白したくなる!

何かとからかってくる「高木さん」に、からかい返そうとするも失敗する「西片」。中学生の初々しく微笑(ほほえ)ましい日々から10年、映画では大人になったふたりが描かれる。今なお考えていることがすぐ顔に出る素直で実直な西片役に、高橋さんは体重を増やして臨んだ。

「生まれ育った小豆島で今も暮らす西片の人となりを感じられるよう、顔を少しふっくらさせようと撮影中のごはんは大盛りにしていました。まっすぐな西片を演じる上で意識したのは“大人にならない”こと。地元に居続ける意味や自分探しなど、大人になるにつれて抱くような迷いを感じさせないようにしたいなと思いました。心の奥が素直に表れる西片をナチュラルに演じるのは難しく感じましたが、演じるうちに役がどんどんハマっていく感覚がありました」

西片役の最適解と断言できる程、ちょっと奥手でピュアで、まっすぐ優しい西片を無意識に生きているような演技はさすがだった。大人になって再会した高木さんとの関係性は相変わらずで、その恋の行方にもきゅんとする。

「西片に好きだと言えず、常にからかい続ける高木さんはとてもかわいいです(笑)。恋をしている人の背中を押してくれるような作品です。付き合う前のいい雰囲気の人と一緒に観たら、僕も帰りに告白したくなる気がします」

デビューから5年、怒濤(どとう)の躍進を続ける高橋さんが仕事や人間関係で大切にしているのは、「言葉で伝えること」。計算や駆け引きをせず、率直に、正直に。

「きちんと伝えなかったばかりに、人間関係にずれが生じたこともありました。言わないと伝わらないことは確実にありますし、その一瞬だけ踏ん張って伝えられたら、いい関係や新たな道につながることもありますよね。一方で言葉を介さなくても伝わることもありますし、落ち込んでいる人に必要なのは必ずしも言葉じゃないこともあると思うんです。そういうときは、コンビニに行ったついでにその人がよく飲んでいるものを買って渡したりします。そういうことって、逆の立場だと僕はすごくうれしいんです。見てくれている人はいるんだと心強いですし。“自分がされて嫌なことはしない”よりもまず、“してもらってうれしいことをしよう”と思っています」

何者にでもなれるという情熱だけは負けない

幼な子が、デビュー作の役名でうれしそうに声をかけてきたとき、「俳優として生きたい」と覚悟が決まった。芝居では常に役を全身で生きる中で、仕事や人生に逡巡(しゅんじゅん)することがあるのかを問うと、「僕、悩まないんです」ときっぱり。

「失敗したら反省はしますが、くよくよと悩むことはないです。悩むというとネガティブな印象ですが、自分のことを前向きに考えているということ。なので、悩まず考えます。ただ、考え抜いた結果、自分の行動が変わったことはないんです。つまり、自分の中での答えは変わらない。だったらもう、その瞬間でやりたいことを選んでいこうと思っています」

プライベートでは最近、フィルムカメラにハマっている。今、撮り続けているのは意外にも「ペットボトル」だそう。

「カメラは本当に不思議で、同じ景色でも機種やレンズによってより特別な瞬間になったり、あり触れたものでも存在感が際立ったり。見え方が変わると見慣れたものも美しく感じるのが楽しくて、日常にあるものを撮っています」

「感謝と尊敬」を忘れずに大切にする。ルーティンやジンクスは作らない。俳優としての野望は特にない。でも、俳優は天職――。潔く言い切る高橋さんの力みのない芝居や生き方から目が離せない。

「普段自分のことを考えるのはインタビューのときくらいですし、作品での自分の見え方も気になりません。ご縁があった作品をより多くの人に見てもらいたい、ただそれだけです。自分の強みも特にないですし、それは周りの人が感じてくれたらいいかなと思っています。でも、何者にでもなるという精神だけは負けないかもしれません。次に何者になれるのか、常にワクワクしています」

悩んだことはない。悩まずに、考えている。自分がしてもらってうれしいことをしていく。

He is into…

ヘッドマッサージャーが最高。
ヘッドスパが好きすぎて通い詰め、このままだとお金がもたないと思い、ヘッドマッサージャーを購入。想像以上に気持ち良くて最高です。次に欲しいのはサウナ傘!

お風呂で『ハイキュー!!』。
面倒だったお風呂タイムが充実しているこの頃、湯船につかり、ヘッドマッサージをしながら、アニメ『ハイキュー!!』(2巡目!)を観る時間が楽しい。

ミネラルウォーターを捜索中。
1日2Lくらい飲んでいるので、そろそろ定番の銘柄を決めたくて、軟水や硬水、シリカやミネラルの含有量が多いものなどをいろいろと飲み比べています。

寿司を握る練習中。
「何食べたい?」と聞かれたら、「寿司!」と即答するくらい大好物。ひとりでも食べに行きます。家でも食べられるよう、握りの特訓を始めました。

香りにこだわらなくなった。
キンモクセイの香りが好きで、家ではキャンドルやお香もよく焚(た)いていたのですが、最近、香水もつけなくなりました。…少しずつ、自分に自信がついてきたのかもしれません。

見方を変えると、日常の見慣れたものでも新しい美しさが見えてくる。

シャツ ¥86,900、パンツ ¥361,900(JW ANDERSON 渋谷店〈JW アンダーソン〉) イヤーカフ ¥17,600、ブレスレット ¥19,580、リング[右手]¥14,080(ノウハウ ジュエリー〈ノウハウ〉) その他/スタイリスト私物

映画『からかい上手の高木さん』


(C)2024映画『からかい上手の高木さん』製作委員会
(C)山本崇一朗/小学館

とある島の中学校。隣の席の女子・高木さんに何かとからかわれる男子・西片は、からかい返そうとするもいつも失敗。高木さんが引っ越してから10年、母校で体育教師となった西片の前に高木さんが教育実習生として現れ、「からかい」の日々が再び始まる――。人気コミックを実写映画化。最高に愛おしい、初恋の物語。監督:今泉力哉 出演:永野芽郁、高橋文哉ほか
5月31日公開

 

高橋文哉
たかはし・ふみや/2001年埼玉県生まれ。’19年にデビュー。ドラマ『最愛』『女神の教室~リーガル青春白書~』などの出演で注目を集め、’23年には映画『交換ウソ日記』やドラマ『フェルマーの料理』に主演。『高橋文哉のオールナイトニッポンX』(毎週水曜0時~)でパーソナリティを務める。出演する映画『ブルーピリオド』が8月9日に公開予定。調理師免許をもつ。

 

『美的』2024年7月号掲載
撮影/杉江拓哉(TRON) ヘア&メイク/KATO(TRON) スタイリスト/Shinya Tokita 構成/松田亜子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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