美容ライター&16歳。メルボルン母娘美容Days|ニキビは疾患。甘く見ないで、すぐさま病院に急行!
長女の高校留学を機に、オーストラリア・メルボルンに移住した美容ライター・夏目 円さん。海外で遭遇する美容のアレコレを綴るビューティログ第3回は、長女のニキビ治療のために病院へ。医療システムの異なる地で、病院探しからスタート。治療中のホームケアには、日本の大人気コスメが欠かせません!【美容ライター&16歳。メルボルン母娘美容Days_vol.3】
「自分の肌と向き合おう」。スキンケアは中1からスタート
“水が変われば、肌も変わる”──メルボルンに移住して半年以上が経ち、私の肌は乾燥が進み、娘の肌はニキビに悩まされるようになりました。昭和世代の私は、“ニキビは青春のシンボル♡”なんていう甘い言葉で育ちましたが、令和世代の娘にとって“ニキビは疾患”。昔のように、「そのうち治るよー」など、軽く流すワケにはいきません。
職業柄もありますが、私は娘の肌をよく観察し、必要に応じてアドバイスをしています。その甲斐あってか、中学1年生で洗顔、化粧水という基本的なお手入れをマスターし、中学3年には本人自ら、毎日シートマスクをするようになりました。自分の肌と向き合い、慈しむことはとてもいいことですし、大人になって継続する礎になりますから。
娘のニキビが気になるようになったのは移住して3か月ほど経ったころでしょうか。皮脂分泌が活発な額にポツポツと白ニキビのようなものが目立ち、毛穴が詰まっているような状態でした。私はまず「洗顔」を見直し、こちらで見つけたアクネ用の洗顔料を購入。
「ニキビはひどくなる前に対処したほうがいいからね、まずは洗顔を変えてみようか。朝と夜、この洗顔料を使ってみて」
「うん、わかった。よくなるかなぁ?」
「とりあえず少し様子を見てみようよ。もし、変化がないようなら、病院で相談しよう」
娘のニキビは昨年から少し気になっていましたから、日本で暮らしていた時も皮膚科に通っていました。「ベピオゲル」というニキビ治療薬を処方され、メルボルンにも持参。その薬を塗ったものの、思うように改善しなかったので、日々のスキンケアを見直してみようというわけです。
日本から持ってきたニキビ治療薬「ベピオゲル」。中学3年生から使っていました。
オーストラリアならではの医療システム「GP」とは?
スキンケアを見直して2週間ほど経過しましたが、あまり効果があがりません。額の白ニキビに加えて、ポツポツと赤ニキビもでき始めたので、いよいよ病院を受診することに。とはいえ、慣れない海外移住先で病院にかかるのは、かなりハードルが高いもの。私が8月に胃腸炎にかかって初受診していたので今回が2度目となりますが、娘の肌のこと。ライター魂をかけてリサーチ開始です。
ここでオーストラリアの医療システムについてさらっと紹介します。日本では、ニキビなら皮膚科、胃が痛いなら胃腸科や内科…と症状に合わせて患者が受診先を選びますが、オーストラリアでは、まずGP(General Practitioner)という一般開業医へ。そこで症状を診てもらい、専門的な治療が必要な場合は、専門科に紹介されるという仕組みです。GPはたくさんありますが、私は日本語通訳をしてくれて、なおかつ皮膚に詳しいGPを探しました。“そんな都合のいいクリニックあるのか⁈”と思いましたが、ラッキーなことにあったんです!
メルボルンの中心、シティにあるGPクリニック。日本語通訳があるので、日本人のが患者が多い印象です。
英語がイマイチな母も安心。日本語通訳つきのクリニック
娘が学校帰りに寄れる夕方に予約をとり、現地で待ち合わせをしました。クリニックには6名の医師がおり、今回はオーストラリア人の院長先生の診察です。通訳も兼ねた日本人看護師が同席してくれました。
「こんにちは。今日はどうしましたか?」
「はい。娘の肌のことで伺いました。4月にこちらに移住しましたが、ここ数か月でニキビがひどくなったように思います」
院長先生は娘の肌をじっくりと観察しています。
「なるほど。これは毛穴が詰まっているからですよ。スキンケアはどんなことをしていますか?」
「洗顔と保湿です。メイクをしているので、学校から帰ってきたらすぐ落としています」と娘。
「洗顔を丁寧にするといいですよ。では、毛穴の詰まりを改善するお薬を出しましょう。ちなみに、日本で何か治療はしていましたか?」
私は、googleで検索したベピオゲルの写真を見せました。
「このお薬でしたか。今回はEpiduoという塗り薬を処方します。ベピオゲルと同じように毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖を抑える効果があります。夜、洗顔後にニキビができている部分に塗ってください。副作用として肌が乾燥します。人によっては赤みやひりつきなどもありますから、ひどいようなら教えてください。個人差はありますが、1か月ぐらいすれば少しずつ良くなるでしょう」
左は私が見つけたニキビ用の洗顔料。オーストラリア製で敏感肌にも使えます。右が今回処方していただいたお薬、Epiduo。
額と同じように背中にもニキビがあったので、相談してみました。
「背中のニキビもEpiduoを塗ってください。背中は、皮脂の分泌がより活発ですから毛穴が詰まりやすくなります。ボディ洗浄料で丁寧に洗ってください。肌にやさしく、汚れもしっかり落ちるDERMAVEENがおすすめです。ドラッグストアに売っていますから、探してみてください」
オーストラリア生まれのナチュラルコスメDERMAVEEN。GPですすめられたボディ洗浄料(右から3番目のポンプ容器)は20ドルほどでした。
診察は15分ぐらいでしょうか。通訳も入るので、診断内容はしっかり理解でき、不安はありませんでした。受診料は50ドル(約5,000円)。学生保険に入っているの、50%の保険適用でこの値段です。次は、病院で出された処方箋を持ってドラッグストアへ。
オーストラリアの人気ドラッグストア「Chemist Warehouse」。日本でいうところのマツモトキヨシのような感じです。半額セールもよくやっています。
日本と同じようにドラッグストアには薬剤師さんがいて、処方箋を見せると薬を購入できます。Epiduoは25ドル(約2,500円)。先生がおすすめしてくれたDERMAVEENのボディ洗浄料もあったのでまとめて買いました。
受診からひと月が経過。悪化することなく、ひと安心
Epiduoを使いはじめてちょうどひと月。大きなニキビはできなくなりましたが、ゼロにはなっていません。でも、「悪化しない」ことがまずは大切です。そして、先生がおっしゃっていた通り、副作用の乾燥がひどくなっているので、日本から持参したキュレルの保湿化粧水を使っています。
メルボルンには日本の化粧品を多く取り扱っている専門店があり、キュレルも売っています。ただ、お値段はおそらく日本の倍以上……。
すぐには良くならないことは娘に伝えているので、焦らず、ゆっくりと治療を続けています。ニキビは放っておくとひどくなる一方ですから、病院にかかって正解でした。院長先生もやさしく、看護師さんの対応も素晴らしかったので、これから“かかりつけ医”として、お世話になりたいです。
次回は娘のメイク事情について詳しくお話します。毎朝、30分をかけてナチュラルメイクをしており、かなりのこだわりがあるようです。そして、オーストラリアは“サマークリスマス”シーズンに入り、ビューティフロアがとても華やかなので、そのあたりももれなくお伝えしますので、お楽しみに!
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。