女優・坂井真紀さん「50代もコンプレックスや悩みは尽きない。前向きな諦めも大事」|美的GRAND
肌や体調の変化を感じるときも、仕事が大変なときも、自分で自分を褒めること。それが、坂井さんの美しさの秘訣。
坂井真紀さん
自分を褒められるのは自分だけ、だと思うから。
Profile
さかい・まき/1970年東京都生まれ。
’92年に俳優デビュー。映画、ドラマ、舞台、バラエティ番組と幅広く活躍。近年の出演作に、映画『はるヲうるひと』『燃えよ剣』『そばかす』、ドラマ『泳げ{27695}ニシキゴイ』など。『ベイクオフ・ジャパン』シーズン1(Amazon Prime Video)では番組ホストを、放送中の科学番組『コズミック フロント』(NHK BSプレミアム)ではナレーションを務める。
「化粧水のつけ方が雑だって、メイクさんに言われちゃいました(笑)」。
柔らかく、気さくな人柄で、周囲を温かく和ませてくれる。自然体のかわいらしさと品、揺らがない意志。その魅力も見た目も、ずっと変わらない気がする。
疲れを癒す睡眠は質を意識。無理なく続けられるケアを
「画面で見ると、肌は重力に従順ですし、背中や肩のラインに年齢が出ていて、ぎょっとすることがあります。Tシャツ1枚のスタイルが似合わなくなってきて。でも、現実を受け入れて、似合うものを新たに探すのも面白いんですよね」
ファッションは、好きなモノトーンに加えて、キレイ色を選ぶことも増えた。この日も、真っ赤なセットアップが、艶やかな美肌を品良く映す。
「普段のメイクは下地クリームをつけ、眉をマスカラで整える程度なので、子供の学校行事などがあると焦ることも!理想の素肌感のあるメイクが似合うよう、体の内側と外側両方からの水分補給を意識していますが、実は面倒くさがりで、毎日続けることが苦手。撮影の前日は少しいいシートマスクを使ったり、手軽に使えるミスト状のマスク(1)をもち歩いたりと、無理なくできることを続けています」
疲労回復の特効薬は睡眠。とはいえ、仕事で帰りが遅くなっても、子供のお弁当作りで朝5時に起きるため、理想の7時間睡眠が難しいことも。短くても質のいい睡眠がとれるように工夫している。
「寝る1時間前からはテレビやスマホから離れています。ベッドの上で簡単なストレッチで体をほぐしたり、アロマを焚いてリラックスすると、翌日の疲れも違う気がします。香りは緊張や不安を和らげてくれるので、仕事中もロールオンタイプのオイル(2)を携帯しています。食事はジュースを飲むならトマトジュースを、油はトランス脂肪酸が少ないものをと、選べるなら健康にいいものをとる程度で、背徳感を感じるものも大好き。映画館でポップコーンにかけてもらうバターも、『もうちょっとかけてください』とお願いすることも(笑)。美容や健康法はストイックになりすぎずにできることが向いているみたいです」
内省して、受け入れる。
「でも」は、自分で自分を褒めるための、ポジティブな言葉
映画やドラマへの出演が絶えず、活躍を重ねる中で、真骨頂のひとつでもある母親役は、「たくさんの未来ある子供を育てているようで幸せに感じる」と言う。
「50代の今もコンプレックスや悩みは尽きず、自分と付き合っていく大変さを感じます。仕事でうまくいかなかったな、子供にこんな言い方しちゃったなと、夜、お布団の中でぐるぐると考えることも。そういうとき、『でも、こんないいところもあったよね』と考え方を変えて、自分をちゃんと褒め、認めてあげるようにしています。『でも』は、私にとって、良かったことを見つけるためのポジティブな言葉なんです」
終わってしまったことは「前向きに諦める」。幸せとつらさの相克の中、「自分を受け入れ、褒める」ことで、一歩を踏みだす。それでも気持ちが沈むときは、「置かれた場所で咲きなさい」という修道女・渡辺和子さんの言葉を思い出す。
「お仕事では、作品の中で、どう役に立てるかということをより考えるようになりました。求めていただける場所があるのは純粋にうれしいですし、役に立てることがあるのなら、自分とは違う世界でも飛び込むようにしています。意外な発見があって面白いんですよね」
介護士による連続殺人を描いた映画『ロストケア』で、認知症の母を介護するシングルマザーを演じた。介護すること、されることは、坂井さんにとっても「すぐ隣にある問題」でもある。
少しずつ人に頼れるようになった。挑戦を恐れずに、しっかり生きたい。楽しく、ハッピーに老いるために
「老いることはネガティブに捉えられがちですが、人生をよく生きたねと自分を讃えられるように、老いや死とも前向きに向き合える社会になるといいですよね。そのためにも、どう生きるのかをより考えるようになりましたし、年齢と共にできないことも増えていく現実を受け止め、ひとりで抱え込まず、もっと人に頼ってもいいのかもしれないと思うようになりました。実は今、とりたい資格があって、勉強を始めようと思っています。そんな小さな目標をもちながら、しっかりと自分の足で立って生きたいですね」
Beauty Routines
キレイを導くマストアイテム
1 透明マスクで手軽に時短美容
ヒト幹細胞順化培養液などを配合したミストタイプの美容マスク。
「肌がもう1枚できる感覚で、朝晩のお手入れの仕上げや、乾燥が気になるときはメイクの上からも使えて便利。夜はHを、日中はNを使っています」
右から/リアボーテ シェリースキン ウォーター ハイモイスチャー(H)、同 ナチュラルモイスチャー(N) 各150ml ¥8,250(ボーテデラボ)
2 肌と心を癒す天然の香り
肌や爪、髪にも使えるオイルのロールオンタイプと、心地よい使用感のハンドクリームを共に携帯。
「オイルはシーンで香りを使い分けていて、スパイシーな香りの『エナジークレンズ』は仕事用。緊張がほぐれます」
右から/セイル ヴァーサタイルセルフオイル #4レットゴー、同 #2エナジークレンズ 各7ml ¥3,960、ベースハンドクリーム 50g ¥2,970
3 未来の自分のためのサプリ
老化を抑制する働きがあると注目のNMN純度99.9%の国産サプリ。ビタミンCの約5,000倍の効果ともいわれるPQQ成分も配合。
「冷えやすい、肩がこりやすいなど、巡りが悪く、代謝が落ちていることを実感し、気になっていたNMNをついに飲み始めました! 未来の健康のために続けたいです」
イットボーテ NMN 1箱(30粒)¥32,400(ハイパーソフト)
4 内側からケアするおやつ
生の状態から低温で発芽させたオーガニックナッツと、完全無添加で手作りのカカオ84%のチョコは、小腹がすいたときにも。
「体のさびを防ぎ、美肌効果もあるナッツとカカオ。食べ切りサイズなので罪悪感もなく、続けやすいです」
上から/フローラナッツ 20g×7袋 ¥2,450、食べきりサイズの高カカオチョコレート10g×7袋 ¥1,778(バードン)
5 健康・美容法のバイブル
アンチエイジングドクター・日比野佐和子さんの『美肌循環』は、「浄→潤→育→断」のサイクルで、揺らがない美肌を育てる86のメソッドを紹介。
「無理なく続けられる美容・健康法がまとまっていて、不調を感じるときにも開いています。この本を読んで、さびない肌のために1日1缶のトマトジュースを始めました!」
¥1,430/サンクチュアリ出版
[坂井真紀さん出演情報]
●映画『ロストケア』 公開中
●映画『銀河鉄道の父』 5月5日公開
●ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(NHK BSプレミアムほか) 5月14日スタート予定
『美的GRAND』2023春号掲載
撮影/柴田フミコ ヘア&メイク/ナライユミ スタイリスト/梅山弘子(KiKi inc.) 構成/松田亜子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。