【2016年上半期ベストコスメ／総合部門】美容賢者54人が心を奪われた！部門別ランキング

＼ベストセラー続出／

2016年上半期・総合ランキングを制覇した1～5位をご紹介！

ベスコスの既成概念を破る〝異例の結果〞に「コスメの今」が見えた！　文・斎藤薫

まず今回は、〝上期の顔ぶれ〞としても、〝ベスコス〞それ自体の結果としても、ある意味で異例のものとなった。上期のベスコスは、毎年決まって〝美白〞が上位に来るのに、今年は〝大賞〞が美容オイル。テクスチャー的にも春夏にオイルが上位に来ること自体が意外だし、２位にはマスカラではなくマスカラ下地が選ばれたのもまた特殊なケースといえるのだろう。そして３位にアイブロウパレットが入ったことも含め、異例尽くしの結果となったが、でも逆にいえば既成概念に捕らわれずに、処方や機能の進化を誠実に選んでいった〝コスメの今〞がそこに示されたといってもいい。
今回５位にもヘアオイルが選ばれたが、まずオイル処方はここ数年で目覚ましい進化を遂げていて、既に「重くベタつく」という従来のイメージは全くないなど、次世代オイル処方はあらゆるネガティブ要素を排除。それどころかオイルでないと作れない潤いを生み出し、「美容液では物足りないし、クリームではやっぱり重い」という、潜在的な不満に見事に応えている。ましてや化粧液の金字塔SK-II フェイシャルトリートメントエッセンスがオイルと融合したのだから、美白やUVケアを抑え、〝歴史的名品〞とされて当然なのかもしれない。
そしてマスカラ下地も、10年近く前にブームになって以来、影を潜めていたが、静かにひそかに進化を続けていたわけで、それが今回〝昇華〞した形。ひとつのストレスもリスクもなく、まつげをリアルに太く長くする新しいテクニックは本当に脱帽もの。アイブロウも既に成熟したかに見えるが、やはりまだひそかに研究が積み重ねられてきたわけで、まだこんな進化の仕方があったんだ! と、メーク界を驚かせた。さらに、シートマスクの時代はもう終わったかに見えていたからこそ、その限界を打ち破る王道シートマスクにも評価が集まった。
今回の受賞作は、それぞれが所属するジャンルに新製品が少なかったために票が集中、〝1票の格差〞が目立ったとはいえ、〝注目度は決して高くないアイテム〞を地道に、丁寧に、そして果敢に進化させた功績はあまりにも大きい。ベスコスが、時代とトレンドを象徴するものであるのは確かだが、こうやって予想を覆す結果と予期せぬ名品がクローズアップされ、正当な評価を受けることも、ベスコスの醍醐味であり、本当の使命なのかもしれないと気づかされた。ブランドの大小を問わず、正真正銘〝コントロールなし〞の選出姿勢には、敬意を表したい。

美容ジャーナリスト／エッセイスト

齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『“一生美人”力　人生の質が高まる108の気づき』（朝日新聞出版）他、『されど“服”で人生は変わる』（講談社）、『The コンプレックス　幸せもキレイも欲しい21人の女』（中公文庫）など多数。

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総合1位
マックスファクター SK-II
フェイシャルトリートメントオイル
50ml ￥16,500（編集部調べ）