西の国から美的通信＃12 スタイリストによるチュニック着まわし術

今年の九州は関東よりも遅い梅雨入りでしたが、あっという間に明けました。平年より12日、昨年より17日早い梅雨明けだそうです。そんなわけで、いきなり夏がやってきました。となれば、気になるのが夏のお洋服。うれしいことに世の中はバーゲンの真っ只中。みなさん、戦利品はうまく調達できましたか？

「あ、安い！」「あ、可愛い」なんて調子にのって買ったものの、なかなか着こなせなくて…。という人もなかにはいるのでは？ そこで今回はパーソナルスタイリストに、今年の主流アイテム・チュニックの着まわし術を教わりました。

その前にスタイリストさんのご紹介をしておきましょう。現在、パーソナルスタイリストとしても活躍中のしもむらひろみさんは、ＣＭや広告撮影のためにモデルやタレントなどのスタイリングを手がけている現役のスタイリスト。キャリアも20数年と長く、福岡でも草分け的な存在です。もともとは撮影で買い取ったものを、身近な友人である私たちに安く譲ってくださっていたのですが、ファッションに悩む人たちのために、お手軽でセンスのいいお洋服を仕入れてくれるようになりました。それが、パーソナルスタイリストオフィス『サロン』なのであります。

今時期、サロンもバーゲンの真っ只中。こぢんまりとしたキュートな空間には、趣向に凝ったいろんなお洋服がところ狭しと並んでいます。「これ、似合うんじゃない？」とすすめてくれたのが、色鮮やかなラベンダー色のチュニック。チュニックといっても、こぞって若者がきているようなデザインではなく、年増の私でも無理なくスッキリと着こなせそうな一着です。しかも、なかにはギャザーの切り替えが入った同色のキャミソール付き（写真Ｃ）。“一度に二度おいしい”というアイテムにめっぽう弱い私は、即お買いあげ〜！ 早速このチュニックの着まわし術を学んだのです。

まずは街中はもちろん、リゾート地でも闊歩できそうな“オフスタイル”（写真Ａ）。ボトムにはチュニックと相性のよいオフホワイトの７分丈クロップトパンツを合わせ、上品さを出します。ストールは今年人気が再浮上してきたというチェック柄を。

さりげなく見える首周りには、ターコイズのアクセサリーを使います。帽子は前回ご紹介した帽子デザイナー・原恭子さんのものを！ たまたまその日にかぶっていった私物も一緒にコーディネートしてもらいました。ストールのチェック柄と、帽子の内側にあしらってあるゼブラ柄の白と黒が際立ち、いい感じのアクセントになっています。しもむらさん曰く「色さえ合わせておけば、多少柄が違ってもうるさくならない」とのことでした。

続いては、オフィシャルの場面でも使えそうな“オンスタイル”（写真Ｂ）です。ここでこれまで知らなかった新しいアイテムが登場しました。その名もインナーワンピースです。下にネイビーのインナーワンピースを着て、上からチュニックを着る重ね着スタイル。下からワンピースのフリル部分が見えて、たちまち可愛いワンピースに早変わり。

「インナーワンピースはチュニックが流行っている今だからこそ、出てきた商品です。暑い日などは一枚で着てもいいし、何よりお手頃価格で着心地も抜群！ 着まわしするには便利なアイテムですよ」と、しもむらさん。上にはインナーワンピースと同色のカーディガンをはおり、夏っぽく黄色のアクセサリーを合わせてくれました。「例えばこのコーディネートでも、アクセサリーを黒やゴールドにすることで一気に大人っぽくなるし、茶色のストールを合わせると秋口まで着こなせるファッションに。小物ひとつで随分イメージが変わるので、利用しない手はありませんよ」。

ここ数年、チュニックといえば下にレギンスを合わせるスタイルが多く、実のところもう飽きあきしていた私。だから、どこかで敬遠していたのですが、今日みたいな着こなしであれば、何の問題なく着まわしできそうです。こんな風に個々人に似合うファッションを提案してくれるのが、パーソナルスタイリストのお仕事。ファッションにお悩みの方は、一度プロの手に委ねてみると、新しい自分が発見できるかもしれません。

＜取材協力＞
サロン
http://www.salon309.com

※価格表記に関して：2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。