美的GRAND
へーっ、美容って自由なんだ!
2021.10.1

「この顔、結構好き」と思わせてくれたメイクアップ・アーティスト。

年齢とともに常識という枠にとらわれがち。美容も例に漏れず。そんな私の凝り固まった価値観や美意識をがらりと変えた「ひと」「もの」「こと」をひとつひとつ丁寧に綴りたいと思います。第二回は、自分を好きになるメイクについて。【松本千登世「へーっ、美容って自由なんだ!」vol.2】

個性を際立たせ、自信に変える、ディファインメイク。

メイクアップ・アーティスト、水野未和子さんとの出会いは遡ること、15年以上前。ある女性誌のカバー担当だった私が、ほかの雑誌でたまたま見かけたそれはそれは格好いいメイクアップにひと目惚れし、顔も年齢も経歴も何も知らないままに直感でオファーをしたのがきっかけでした。実際の「未和子」は、作品からイメージしていたよりもずっと若く、弾ける笑顔とフレンドリーな雰囲気が印象的。それから少し間が空いたものの、縁あって頻繁に同じページに関わるようになりました。カバーでもファッションでも美容でも、未和子メイクはなんだか違う。女優やモデルの美貌の奥に、単に美しいだけじゃない「意志の強さ」や「人間らしさ」が漂う気がして、観察したり分析したり。そんな中、彼女がことあるごとに口にしたのが「ディファイン(明確にする)」という言葉でした。輪郭をディファインする、骨格をディファインする、もっと言えば、個性をディファインする。メソッドはシンプル、ステップはミニマムなのに、美しさは100人いたら100通り。知るほどに引き込まれる独自のメイク哲学を、ひとりでも多くの人に伝えなくては! 使命感に駆られ、どちらかというと私の強い思いから『ディファインメイクで自分の顔を好きになる』(講談社)の刊行にこぎつけたのです。

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『ディファインメイクで自分の顔を好きになる~“私だけの魅力”が絶対見つかる自己肯定メソッド』(講談社)。年齢も性別も超えて、誰もが新しい自分に出合えるはず。

ディファインメイクは顔を小さく見せたり、目を大きく見せたりするメイクではありません。愛される顔や誰かみたいな顔にするものでもない。世間が勝手に作り上げた理想に近づけ、皆と「同じ」という空虚な安心感を与えるものではないのです。むしろ、自分にしかない「違い」、すなわち個性を浮き彫りにし、「なかなかいいじゃない?」と思わせて本物の高揚感を与えてくれる。顔にときめく、自分にときめく。未来が開けるようで、わくわくするのです。

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余計な要素をそぎ落としたからこそ、「こうありたい」という凛々しい顔になれた気がして。ディファインメイクは自信をくれます。
撮影/目黒智子 (C)講談社

幸運にも私は何度か未和子メイクを体験していて、自分の顔にはっとするという興奮を知りました。ぜひ、すべてのメソッドを取り入れてほしいけれど、もしひとつだけ選ぶとしたら、「歌舞伎ライン」。目頭と目尻にこっそりアイラインを入れるこの方法は、マスカラがなくてもアイシャドウがなくても、極端に言うとノーメイクでも、目がぐっと強くなる。あっ、私の目って意外と悪くない?と思える表情になるのです。もちろん、こうならいいのにと抱き続けたコンプレックスも山ほどあるし、年齢を重ねるほどに悩みは増えていくばかりだけれど、それも含めて「これが私」と思えるようになった。「この顔、結構好きだよ」と言えるようになったのです。そして、未和子とディファインメイクに出合って、私は、素顔も好きになりました。意志あるノーメイクはメイクのうちと教えられた。いつか、Tシャツとデニム、ダイヤモンドのピアスにノーメイクというメイクで堂々と歩きたい。未来の自分を楽しみにできる幸せ……、これこそが究極のアンチエイジングなのかもしれません。

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美容エディター
松本千登世
航空会社、広告代理店、出版社勤務を経てフリーランスに。雑誌や単行本など、美容やインタビューを中心に活動。『「ファンデーション」より「口紅」を先に塗ると誰でも美人になれる 「いい加減」美容のすすめ』(講談社刊)『いつも綺麗、じゃなくていい。50歳からの美人の「空気」のまといかた』(PHP研究所刊)ほか著書多数。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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