スキンケアニュース
2026.09.26

初心者になってみる【中年男性、トキメキ美容沼へ vol.37】

こんにちは、ライターの伊藤聡と申します。私は男性のためのスキンケア本『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました』(平凡社)を出しました。みなさんは、スキンケアに興味がありますか。スキンケアという言葉から、どんなことをイメージしますか? こちらの連載では、スキンケアに親しんでいく上で役に立つかもしれないあれこれをテーマに書いていきます。トライしてみれば楽しくて奥が深い、スキンケアの世界を一緒に探求していきましょう。

WRITING: 伊藤 聡(いとう・そう)

伊藤 聡(いとう・そう)

伊藤 聡(いとう・そう)

ライター

会社員兼ライター。50代にして美容の楽しさに目覚める。著書に『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました』(平凡社刊)

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中年男性は教わる機会が減る

中年男性がスキンケアを始めると、人に教えてもらうことが増えていきます。ほとんどの中年男性はスキンケアのことを何も知らないので、もし周囲に教えてくれる人がいれば、聞きながら進めるしかない。あるいは、本などを読んで、知識ゼロの状態から勉強しなくてはならないわけです。完全に未開拓のジャンルですから、初心者として始めるしかない。中年男性にとって、これは実にいい機会だと思います。考えてみますと、まず中年男性は、人から何かを教わる機会が減っていきます。会社でも教える側に立つことが多いし、長年つづけている趣味などがあると、そちらもすでに一定の知識が身についている。長く生きているわけですから、自分の得意分野があるわけです。たいていの人は自分の専門分野をより深めていく傾向がありますから、その結果、あるていどの年齢になってから新しいジャンルに手を出すという経験が少なくなっていくと思われます。私自身もそうなのですが、高校の頃に始めた、読書や映画といった趣味をいまだにつづけていて、そういったジャンルに関しては知識が蓄積されていき、詳しくなってきたぶん、ちょっとメンドくさいタイプの「うるさ型」になってしまった実感があります。一方で、新しい領域に挑戦するのは避けるようになっていきます。知らない分野に参入するのはメンドくさいし、知ったかぶりができないからです。あるときから、こうした傾向はよくないと感じるようになってきました。人として硬直してしまいそうに思ったのです。

スキンケアは知らないことだらけです。ほとんどの男性にとっては、ゼロからのスタートとなります。たとえばスキンケアでは、化粧水、美容液、乳液などを順番に塗っていく必要がありますが、これが私にはよくわからなかった。一度に一種類しかつけてはいけないと思い込んでいたのです。重ね塗りのようなことをしたら、肌の上で混ざってしまうだろうし、本当に効果はあるのかがまるで想像がつきませんでした。また、意外に多くの男性は「自分は化粧をしないけど、化粧水をつけていいのか」といった、女性からすると「悩むのそこ?」と驚くような質問をしてきます。化粧水を、メイクをするための道具のようなものと考えているパターンです。たしかにネーミングがいまひとつわかりにくいのですが(なぜ「化粧水」なのでしょうか。どちらかといえば「保湿液」といった名称の方が正しいような気がします)、私も当初は困惑しました。男性にとってスキンケアは、それほどに未知な世界であるわけです。いままで自分の慣れ親しんだ世界に閉じこもっていた私だからこそ、そうした新しい世界で戸惑うことも含めて、楽しい体験を得られました。やはり、いくつになっても未知のジャンルに足を踏み入れるのは大事だなと、スキンケアを通じて気づいたのです。

視野が狭くなっていく

人と接して意見をもらう機会がないと、どうしても視野が狭くなってきます。われわれは少しでも気を抜くと、偏った考え方や間違った認識をしてしまいがちです。これは人間なら誰しも起こることです。それでも、ふだんから他人と会話をして意見をもらっていると、自分の歪みやズレがその都度修正されていくのですが、中年男性に対してはまわりも遠慮しますし、直接的に指摘してもらえる機会もなくなるので、歪んだ状態のままになってしまうという怖い事態が起こってきます。これは私自身、相当気をつけないとなりませんし、あっという間に「認知歪みおじさん」に変身するという自覚があります。だからこそ、スキンケアは効果的なのです。完全なる初心者ですから、謙虚にならざるを得ない。人に聞くなり、本を読むなりして、一から学ぶしかないのです。中年男性こそ、自分の得意分野という安全地帯から出て、見ず知らずのジャンルに飛び込んでいく必要があります。そして謙虚さを取り戻す。私は多くの中年男性に、そうした体験をしてもらいたくて、スキンケアを推奨しているところがあります。まったく知らないジャンル、という意味でも、スキンケアは実にいい。女性が主導となって広がっているジャンルなので、中年男性にとって学びが多い点もオススメの理由です。

もちろん、スキンケアでなくとも、料理教室へ行くとか、ボランティア活動を始めてみるとか、いろいろなかたちで「初心者」になってみる、人に教わって学ぶ機会を設けるというのは大事ですよね。それでいうと、私はいままでの人生でマンガをまったく読んでこなかったので、マンガについて何も知らないのですが、マンガに詳しい人から教えてもらった作品を読んでみるということを試しています。自分の知らない世界を人に教えてもらうと、自分の力では開けられない扉を開けてもらった感じがして嬉しい。スキンケアにも、そのような効果があるように思います。では今月のオススメ製品をご紹介します。SUQQUの「デザイニング マッサージ クリーム バス」です。これはお風呂で洗顔をしたあとに、顔をマッサージするためのクリームで、手に適量を取ったあとに、顔全体にゆっくりと広げていきます。試してみると、とても気持ちよくて、肌が元気になったような感触を得られました。顔をマッサージする機会って、実はあまりないですから、こうした製品を使って顔全体をほぐすようなケアができるのはとてもいいと思います。中年男性も、もっと顔をマッサージしてみてほしいし、未経験のジャンルへ飛び込んでみてほしいと思っています。初心者になって何かを始めるのは、心の健康によいのです。

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※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

WRITING: 伊藤 聡(いとう・そう)

会社員兼ライター。50代にして美容の楽しさに目覚める。著書に『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました』(平凡社刊)

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