健康と美容は兄弟【中年男性、トキメキ美容沼へ vol.35】
こんにちは、ライターの伊藤聡と申します。私は男性のためのスキンケア本『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました』(平凡社)を出しました。みなさんは、スキンケアに興味がありますか。スキンケアという言葉から、どんなことをイメージしますか? こちらの連載では、スキンケアに親しんでいく上で役に立つかもしれないあれこれをテーマに書いていきます。トライしてみれば楽しくて奥が深い、スキンケアの世界を一緒に探求していきましょう。
美しく、なおかつ健康に
男性のみなさんは、健康と美容の関係性について考えたことがあるでしょうか。かつての私は、このふたつはまったく別なのだと思っていました。女性が美容に力を入れるのは、かわいらしくなりたいからであり、周囲にステキな女性と思われたいからなのだと、わりと短絡的に考えていたのです。しかし、現実は違いました。女性の多くは、美しくなりたいと思うのと同じくらい、健康でありたいと思っているようなのです。そのふたつの願望は、区別がつかないくらいに混じり合っています。美しさのなかには、健康が含まれている。女性は「美しく、健康になりたい」と願っていることが多いのですが、私は自分が美容を始めるまで、こうした傾向について知りませんでした。美しさと健康に関係があるなんて、男性の私には考えもつかなかったのです。男性は『美的』のような美容雑誌を読む機会があまりないかもしれませんが、美容雑誌にはかならず健康について書かれたページがあります。身体の冷えを予防するにはどうすればいいか、どんな食べものが身体にいいかなど、体調を良好に保つためのお役立ち情報が、毎号たくさん載っているのです。美容雑誌には、健康雑誌の側面もあります。美容について考えると、やがてどうしても健康が気になってくるのです。
もし美容に触れていなかったら
そうか、美容と健康は同じジャンルなのか。私はこの連載を書きながら、美容について書いているつもりが健康の話になる場合が多いのですが、健康と美容は目指す場所がかなり近いのだと感じるようになりました。男性にとっては、結構意外な発見なのではないでしょうか。いま私は、16世紀のヨーロッパで女性たちがどのような美容製品を使っていたかに関する本を読んでいるのですが*1(何と16世紀にはすでに、日焼け止めや乳液、保湿クリームまで存在していたというのだから驚きです)、16世紀のスキンケア製品やヘアケア製品は、婦人病の治療薬や避妊法、歯周病の改善などと同じジャンルに含まれていたそうです。「女性用の薬あれこれ」という感じでひとまとめにされていたのですね。当時はまだ化粧品メーカーがありませんから、旅の行商人から買うか、スキンケア製品のつくり方が書かれた本を買ってきて自作するのですが、そうした本には化粧水や頬紅のつくり方と一緒に、栄養剤のレシピが載っていたりしたそうです。なぜ栄養剤かといいますと、16世紀は太っていることが大事な美の基準であり、いかに肉付きをよくするかが美容の決め手だったので、女性はどうすれば体重を増やせるか、栄養剤を自作して食べながらがんばって体重を増やしていたそうです。やはり16世紀も、美容と健康は同じジャンルだったのですね。スキンケア製品を自作するというのも、何だか楽しそうです。
現代日本でも、ドラッグストアには薬とコスメが一緒に売っていますから、健康と美容がほぼ同ジャンルであることに変わりはありません。かつての私は自分の健康について、ほとんど気を配っていませんでしたから、当然ながら美容にも興味がわかず、自分の身体がどうなっても知るものかといった放置状態になっていたように思います。そう考えると、美容を始められてよかったな、と安心したような気持ちになります。もし美容を知らなかったら、いまだに自分の身体へ気を配ることができず、単に見た目が貧相なだけではなく、身体の内側から弱っていったのではないでしょうか。やはり美容って意味がありますね。そこから自分自身を大事にする気持ちを育めたのですから。どちらも「自分の身体を大切にする」という点で共通しているように思います。16世紀のヨーロッパでも、やはり自分の身体を大事に思い、いたわっていた女性がたくさんいて、イラクサの葉を使った美白ローションを自作して塗っていたと本から学び、そんなまじめさにも胸がキュンとします。いまは16世紀とは比べものにならないほど便利な美容アイテムがたくさんありますから、とてもいい時代ですね。ただ「肉付きがいい状態が美しい」という基準だけは、21世紀に復活してほしいナァと思う私でした。ダイエットは本当に苦しい作業ですし、多くの女性に負担をかけているような気がします。

入浴や洗顔といった段階から、これは美容でありつつ健康なのだ、と自分の身体に語りかけながらケアをしていくと、いい結果につながるかもしれません。花王の「エスト クラリファイイング ジェルウォッシュ MED」は、毛穴をきれいに洗い流して、お肌をすっきりさせる効果のある洗顔料です。16世紀の女性が使ったら、あまりの効果にひっくり返ってしまうかもしれません。古い角栓をピーリングし、肌をつるんとキレイにしてくれる優れもので、ワンランク上の洗顔料にトライしてみたいという方にぴったり。個人的な経験からも、洗顔料はちょっと値の張る製品を使ってみてもいいかなと思っています。思い切って試してみると、嬉しい効果が期待できるかもしれませんよ。身体を清潔に保ったり、病院へ行ったりすることも、人生をよくする手段のひとつです。ぜひ、いろいろ試してみてくださいね。
*1 ジル・パーク『ルネサンス女性になる方法』(白揚社)
中年男性、トキメキ美容沼へ|連載TOP※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。