
腸を整えるって、なにをすれば…⁉ 腸にまつわるお悩みにプロが回答!

昨今、よく耳にする「腸活(※)」というワード。取り入れている人も多く、なんとなくわかっている気がするものの、実際に「腸活」の正しい知識を語れる人は美的読者の中でも少ないはず…。今回は「腸活が気になっている」という美的リーダーズの疑問や悩みについて、大正製薬の研究員にお答えいただきました。
※腸を整えること(以下「腸活」はすべて同)
教えてくれたのは…
田中良紀さん 大正製薬 セルフメディケーション開発薬理研究室所属。腸活に精通している
今回の座談会メンバーは…(左から)
尾崎真衣さん(会社員) 日々忙しく過ごす中、簡単に楽しみながらキレイになる方法を発信中!(@m.mai_ozaki)
赤埴奈津子さん(フード&空間スタイリスト) 2歳児の母。妊活中から腸活に興味をもち、自分なりに取り入れている。(@natsukoakahani)
Yurikaさん(起業家・インフルエンサー) 女性向けのフィットネスコミュニティを運営。ヘルシーな美しさを追求。(@yurika_cocochii)
美的リーダーズが食生活で気にしていることは?
田中さん 突然ですがみなさん、日ごろの食生活はどのようなことを意識されていますか?
yurikaさん できる限り添加物の入っていない食事をとりたいな、と思っていて調味料などにこだわったり、和食を中心の食生活を心がけています。実家暮らしなので、母が気遣ってくれていることもあり、日々ありがたみを感じています(笑)。
赤埴さん 手作りの味噌や塩麹、醤油麹など、日々の料理に発酵食品をとり入れるようにしています。妊活をしていたときに、食生活もやはり重要だと気付き、そこから自分なりにこだわり始めました。
尾崎さん 私は唐揚げとかも好きで、衝動的に食べたりしてしまうのですが、そんなときはさらに納豆を食べて帳尻を合わせてみたり…(笑)。あとは、水溶性&不溶性食物繊維をたくさんとるように心がけています。平日は仕事でほぼ自炊はできないのですが、スーパーでカット野菜を買って簡単なものを作ったり、野菜はやはり大切だと思うので、できる限りとるようにしています。
最近話題の、腸を整える「腸活」とは…?
田中さん みなさん食生活にこだわられていますね。赤埴さんのおっしゃっていた発酵食品を意識的にとり入れることも、日ごろから健康を意識されてのことだと思います。今回はその中でも腸の健康について考えていきましょう。実は腸を整えるためには、食生活のほかにも規則正しい生活習慣を心がけることも大切なんです。朝決まった時間に起き、きちんと朝食とったり、体内リズムを整えたり…。
尾崎さん ヤバい私、朝食とっていない…。コーヒーは飲んでいて、おなかすいていたらお菓子をちょっと食べたり…(笑)。
田中さん 赤ちゃんの腸内細菌はほとんどがお母さんから受け継がれるので、もともと持っている腸内細菌がいいのかもしれませんね。腸内細菌の基盤=腸内フローラは大体2~3歳くらいまでに育まれるといわれています。
尾崎さん 腸活にこだわっている赤埴ちゃんの息子くんの腸内細菌はきっと、バッチリだね!
赤埴さん 2~3歳くらいで腸内フローラが決まるっていうのは聞いたことがあり、ちょっとビビッて…(笑)。妊活のときから腸活は意識してました! やっていることの意味が、あるといいんですけどね。
yurikaさん 腸活ってこだわるとキリがなさそう。でも知識をもっと深めたいし、もっとこだわっていきたいです!
ここからは、大正製薬がおすすめする「腸活」について学んでいきます!
【腸のギモン①】よく聞く「腸内フローラ」って!?
「腸内には多種多様なさまざまな細菌が生息していて、その数は約1,000種10兆個ともいわれています。善玉菌、悪玉菌、日和見菌と呼ばれる3種類の菌が共存し、人それぞれ違う種類の菌で構成されていて、そのバランスが重要とされています。
さまざまな菌が密集している姿がお花畑のように見えることから、〝腸内フローラ〟と呼ばれるように。腸内フローラは腸内の環境を整える役割を担っています。
腸内細菌は良好なバランス×多様性も重要。ダメージを受けた細胞があっても、それをサポートできる多種多様な細菌が共存していることが大切。そして悪玉菌よりも善玉菌が優位な腸内フローラに整えることが大切です」(田中さん)
【腸のギモン②】腸内フローラを整えるために、なにをとるのがいいの⁉
「肉、魚、卵、乳製品などに含まれる動物性たんぱく質や脂質の多い食生活に偏ってしまうと、悪玉菌が増える原因に。とはいえ、漬物、味噌、醤油、ヨーグルト、キムチなど善玉菌を増やす食品だけをとっていればいいというわけでもなく、善玉菌に着目した食品のみをとると食生活が偏ってしまい、逆に腸内細菌のバランスをくずしやすくなってしまうことも。
栄養バランスを意識しながら、さまざまな食品をとり、食物繊維や発酵食品を含む食材も積極的に取り入れることが重要です。
さらに善玉菌は、善玉菌のエサになる食物繊維などを一緒にとることで、より効果を発揮しやすくなります。便秘の方はとくに腸内フローラの餌になる水溶性食物繊維(海藻類、野菜・果物、穀物など)を多くとることを心がけて。
さらに不溶性食物繊維(根菜類、豆類、きのこなど)は便のかさになるので、水溶性、不溶性の両方をバランスよくとることも大切です。一般的には和食のほうが食物繊維をたくさんとれ、善玉菌を多く含む発酵食品もとりやすいといわれています」(田中さん)
【腸のギモン③】善玉菌って具体的には…!?
「善玉菌の代表格といえば、ビフィズス菌と乳酸菌です。ビフィズス菌は酸素が嫌いなため、酸素がほとんどない大腸にすみつく腸内細菌のひとつ。酢酸を作り出し腸内で有害な菌の繁殖を抑え、腸の働きをよくします。乳酸菌は小腸にすみつき活躍する腸内細菌。炭水化物などの糖をエサにして、乳酸をつくり、腸内にすむ細菌のバランスを整え、腸の健康をサポートします」(田中さん)
【腸のギモン④】人によって合う菌、合わない菌があるってホント⁉
「腸内細菌の種類や数は食事や生活習慣、人種、年齢などによって人それぞれ。さらに加齢などのさまざまな要因によって日々変化します。腸内フローラも個々で違うもの。当然、人それぞれ合う菌、合わない菌があります。
腸活を始める際にはまずは腸が整ってきたか、自分に合っているかと確かめながら腸活を続けるか検討しましょう。さまざまな菌をバランスよく含む整腸剤をとるのもひとつの手です」(田中さん)
【腸のギモン⑤】乳酸菌配合の「整腸剤」とは?
「整腸剤とは、お腹の調子を整えてくれる薬のこと。善玉菌が大腸や小腸でしっかり働き、乱れた腸内フローラを整えてくれる役割を担っています。整腸剤は便秘薬や胃腸薬とは異なるので、使い分けが必要です。
整腸剤は腸内フローラを正常な状態に整え、軟便にも便秘にも効果を発揮し、自然に近いお通じに導きます。生きたまま菌を届ける特徴のある整腸剤は、胃酸がおさまっている食後にとることも重要です。悩みに応じて使い分けてみて」(田中さん)
【腸のギモン⑥】食べること以外で腸に大切なことは?
「腸に大切なことは体内リズムを整えることが大切だとお話しましたが、その点でも1日3食きちんと食べることは大切です。腸内細菌を活性化させる重要な方法も食事だと言われています。3食バランスよく食べることがもちろん理想ではありますが、厳格に義務化してしまうとストレスになり、逆に腸内フローラを乱すことも…。
さまざまな種類の乳酸菌やビフィズス菌を含む整腸剤を食事とともに取り入れることも、無理なく腸内フローラを整え、腸の健康をサポートするのにおすすめです」(田中さん)
美的リーダーズも、腸活に意欲満々!
赤埴さん いろいろな菌をたくさんとって、体の中で菌を育む! 菌も多様性の時代なんですね。すごく勉強になりました。腸活をさらに意識していきたいです。
尾崎さん 忙しい日々の中でも、ちゃんと腸活したら、いろいろ変化がありそう!って思いました。整腸剤も始めてみようかな~。
yurikaさん 腸活のお話、すごく楽しかったです。もっとちゃんと腸活を意識したい♪
次回は、生きたまま菌を届ける「整腸剤」についてさらに詳しく解説していきます!
協力/大正製薬
撮影/風香 ヘア&メイク/佐伯エミー 構成/門司紀子