石井美保さん「新しい発見の連続で改めてメイクって楽しい!」|石井美保の美になる話。vol. 01
読むだけで、昨日よりちょっとキレイになれる。石井美保さんの新連載がスタート!
vol.01|なぜ“美容”をするの?
自分が心地よければいいのだと気づけば、美容の可能性が広がる
この質問に対していつも同じように答えてきました。私の主軸は、美しくなりたいと思って来てくださるお客様をお迎えする美容サロンの仕事。そこで私の顔色が悪く、疲れているように見えたら、「本当にキレイになれるかしら?」とお客様に不安を与えてしまいますよね。だから「石井さんに身を委ねたらキレイになれそう」とお客様に思ってもらうために、そして私も自信をもってお客様に接するために、コンディションを整えるということが、ずっと私の人生における美容のテーマでした。
しかしコロナ禍でお客様に接する機会が減り、世の中全体が人と会わず、社会的な行き来がなくなりました。一方で、インスタライブで美容やコスメについて発信する機会がこれまで以上に増えたことに、少し悩みました。人に会わないから、美容が必要ない時期のはずなのに「なぜ美容をするんだろうか? しなくても良くない?」と。旅行に行ったりおいしいものを食べに行ったり、人と気軽に会えるわけでもない。そんな不安や孤独の中、ふと自分の肌を見る。するとイキイキとしていて元気がある――それだけで気持ちが励まされると気づいたんです。これまで私は“人のために”という大義名分で美容をしているのだと、言い続けてきたけれど、まずは自分のための美容だったんだ、と。
メイクをする理由が変わり、新しい発見があった
メイクとの向き合い方にも変化がありました。仕事や冠婚葬祭など社会の常識やマナーとしてのメイクを考える場面がほとんどなくなる中、じゃあ家にいるから、メイクを全くしないか? というと、そんなこともないですよね。むしろ「マスクをしないからこそ好きなリップカラーを塗ろう」とか、私は今まで、人に会うなら常に完璧なメイクをしなければと思って生きてきたけれど、ちょっと買い物に行って帰ってくるくらいなら、「5割仕上げのメイクも気楽でいいな」とか。そんな風にメイクを通じて自分を慈しむ気持ちというものを感じるようになりました。今まで「メイクはこうあるべき」「モテたいならこうあるべき」「こうなりたければこうすべき」みたいな「べき」がいっぱいありましたが(それは、ビューティという作り込んだ世界を、私たちが押しつけてきたからかもしれませんが)、美容って本来、自分が喜ぶことをして心地よければ、それ以上でもそれ以下でもないし、人から評価されるものでもないんです。
私自身、例えば「リップはヌードベージュ一択です」など、 “美容家 石井美保”としてアイコン的に守り続けてきたものがありますが、オンラインでの取材やインスタライブだと、ヌードベージュのリップって死人みたいに顔色が悪く映っちゃうんですよ(笑)。だからこれまで「私には似合わない」と絶対使わなかった濃いピンクのリップを初めてつけてみて「リアルでは濃すぎるけれど、画面上だとこんな風に見えるのか」「普段とは全く違う顔だけど、なんか元気そうに見えるからいいな」とか、リップの選択肢の幅が広がりました。自分の中で頑に「こうじゃなきゃダメだ」というのがなくなると、メイクをする度に「意外にこの色、似合うんだ」「この質感好きかも」という新しい発見の連続で、改めてメイクって楽しい! そのことが脳の刺激になり、やる気を起こさせたり、重い腰を上げるきっかけになったりもしますよね。
だからやっぱり美容って楽しむためにあって、自分で自分を励まし、“それでいいよ”と認めてあげる、自分を大切にするために行う行為なんだと、今は思っています。
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Profile
石井美保さん
いしい みほ/1976年生まれ。美容家、トータルビューティサロン『Riche』オーナー。誰もが憧れる美肌のもち主であり、自身の経験や確かな知識と技術に基づく美容法が多くの女性に支持される。
『美的』2021年9月号掲載
撮影/岡本 俊(まきうらオフィス/人物)、河野 望(静物) ヘア/輝・ナディア(Three PEACE) スタイリスト/有本祐輔(7回の裏) 構成/村花杏子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。