奇跡の63歳・天野佳代子連載|「隠す」のではなく“本当”を映してくれるアイテムを【カヨッキズム volume.2】
『美的』が誇るビューティディレクター。奇跡の63歳・天野佳代子の連載。今回はメイク編! 読者の悩みにズバリ答えます。
Profile
『美的』創刊当時からのエディターを経て、現在はお姉さん版である『美的GRAND』編集長。年齢不詳な美肌っぷりがTV番組『マツコ会議』ほかで話題になり、初の美容本『何歳からでも美肌になれる!』は発売後たちまち売り切れ続出! 発売中の『美的GRAND』春号の特集は“清潔肌”を主軸にした「大人の美白マニュアル」。お楽しみに!
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Q.くすみやシミが目立って厚塗りに…若々しく見えるベースのコツはなんですか?
A.ファンデで肌を「隠す」のは大間違いです
『スキャンダル』を観ました。全米最大のテレビ局で勃発したセクハラ事件が実話化された映画です。話題は実在の人物に似せた特殊メイクで、アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞しました。映画自体が面白くそれだけでも充分なのに、特殊メイクの技法を施して実在の人物に似せる必要があったのか、個人的にはとても疑問でした。なぜなら、主役のシャーリーズ・セロンやニコール・キッドマンの本来の肌の美しさが、厚く塗られたファンデーションで覆い隠されてしまっていて、役としては成功なんだろうけれど、彼女たちがあんまりキレイとは思えなかったから。ファンデーションの厚塗り、いいことないです。
特殊メイクを例に上げるのは極端と思いつつ、シミやくすみを隠したくて日常的にファンデーションを厚塗りしている人、よく見かけます。厚塗りはメイクにおいて最大のタブーです。生き生きとした印象を消滅させて、若さを根こそぎ奪うからです。シミやくすみや毛穴は隠さなくていいのです。アイメイクやリップメイクをすればそちらが映えて、肌のアラはおのずと目立たなくなります。
ファンデーションで肌悩みをすべて解決しようとしてはいけません。ファンデーションは肌を隠すものではなく、肌色を整えるもの。不安な人は、ピンクの下地をのばしてトーンアップしましょう。その上からファンデーションを薄くのばすと、下地のピンクが艶めいて、皆さん憧れの若々しい“透明感のある肌”が完成します。ファンデーションの厚塗りはハリウッドの特殊メイクだけで充分です。
淡いローズ色の軽やかなUVベース。
ヘレナ ルビンスタイン プロディジー CEL グロウ ローズ UV ベース SPF50・PA++++ 30ml ¥13,500
みずみずしい質感でなめらかにのび広がり、肌の透明感を底上げしてくれる。
アンプリチュード クリアカバー リキッドベース 30ml ¥7,500
Q.このメイク道具は手放せない!という愛用ツールはありますか?
A.自分の本当の顔を映してくれる魔法の鏡は必須です
皆さんは朝、どこでメイクをされていますか? 洗面所でされる方、お部屋でされる方と、それぞれの事情でポジショニングされておられると思いますが、どこでメイクをしようが、こだわるべきは“本当”を映す鏡だと思います。私が愛用しているのは、このリアルックミラー。その場の光に左右されにくく、本来の肌色を映し出してくれるので、メイクの色調整がとてもしやすい。大きい方を家用、小さい方をポーチに入れて、いつも“本当”の自分と向き合っています。
光の反射率が最大95%と高い銀製のミラー。本来の肌色に限りなく近い色を映すと大人気。コンパクト版もあり。
ロージーローザ リアルックミラー ¥600
Q.時間がないとき、ここだけはメイクする!というパーツはどこですか?
A.アイブロウパウダーを一ハケ。顔を引き締めてすっぴん感を軽減します
よく寝ているせいか寝坊はほとんどなく、朝のメイク時間がなくなることもないのですが、面倒くさくてメイクしたくないときはしょっちゅうあります。そんなときは眉だけメイクします。アイブロウパウダーを眉毛全体に一ハケするだけで顔全体に締まりが出て、すっぴんにありがちなお疲れ感やだらしない印象が軽減できます。すっぴんなのにキレイ、と勘違いされることもあるので得です。
天野佳代子への質問募集中!
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『美的』2020年5月号掲載
文/天野佳代子 文・構成/加藤絢子(本誌)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。