ソウルからお届け! みんな大好き「ロムアンド」のディレクター ミン セロムさんに聞いた 全女子の心を掴む“かわいい“を作るコツ
ソウルのロムアンド本社にあるオープンオフィスにて
日本に韓国コスメブームを巻き起こした立役者とも言えるブランド「ロムアンド」。その仕掛け役たるクリエイティブディレクター、ミン セロムさんに『美的』がスペシャルインタビュー! 次々にヒットを飛ばす見事なスピード感で、オリジナリティあふれる“かわいさ”にユーザーを巻き込むパワーの源を探ります。
ロムアンド クリエイティブ ディレクター ミン セロムさん
ビューティークリエーター/YouTuber/カラーアナリスト。ソウルの美大在学中に始めたメイクブログでブレイクし、2016年にコスメブランドをスタート。2017年にリブランディング以来、パーソナルカラーに基づく色設計とセンスあふれる質感、ユーザーの声を取り入れた商品開発により、新商品をリリースするたびにヒットを続出。現在は「rom&nd」(ロムアンド)、ローソンとの共同ブランド「&nd by rom&nd」(アンドバイロムアンド)ロムアンドのオンニ(姉)ブランド「nuse」(ヌーズ)の3ブランドを手掛ける。
Special Interview みんなの“かわいい”を作る魔法使い! ミン セロムさんのクリエイションに直撃
ブランド誕生のきっかけは美大時代のメイクブログから
「コスメを好きになったのは美大生のとき。メイクが大好きで、キャンバスに色を乗せるより顔に色を乗せるのが楽しい程だったので、当時流行っていたブログを始めました。大学で習った色の公式や人の頭の比率などをメイクに応用して載せていたところ、ブログがバズって本を出版することに。同時に、コスメのプロデュースをしないかとお声がけを頂いて、2016年に最初に作ったブランドが『ロムアンド』です。大学では彫刻や絵画を専攻していて、将来は画家などになると思っていたので、趣味が高じて、この仕事ができるとは思ってもいませんでした」
“かわいい”のインスピレーションは○○からやってくる
「季節や天気、食べ物など毎日触れるすべてのものがインスピレーション源。いつも高感度にセンサーを張り巡らせています。例えば、韓国のフルーツ飴をイメージした“タンフル”リップも、ロムアンドから発生した言葉だと思います。日本の雑誌もよくできているので、メイクページなどを参考にしていることもあります。でも同時に、私発信の一方通行にならないように、ブログや本の読者やユーザーの方々の声を常に取り入れて反映しています。XなどのSNSや、私自身の運営しているYouTubeのコメント欄などがコミュニティとして機能していて、質問を投げかけるとすごく反応が早くて、『こんな色を出してください』『こっちの色がいいです』というようにすぐにいろいろな意見が集まるんです。そのユーザーの方たちのニーズと合わせて製品を出していくのがロムアンド流です」
私たちをいつもきゅんとさせる、絶妙な質感とカラーの組み合わせはどこから?
左上から時計回りに/ロムアンド ゼロマットリップスティック #21 スモークドベージュ¥1,320、同 リップメイトペンシル#03 カヤベージュ ¥1,210、同 ゼロベルベットティント #17 トースティヌード ¥1,320、同 グラスティングメルティングバーム #07 モーブホイップ ¥1,320、同 グラスティング カラー グロス #01 ピオニーバレエ ¥1,320、同 シアーティンテッドスティック #02 バニーホップ ¥1,540
「同じ色・質感はひとつとない! それがロムアンドのキャッチフレーズです。上の写真のように一見似ているように見えるリップを集めてみても、マット、ツヤともに絶妙な色と質感のグラデーションになっているはず。もともと韓国は赤やピンクなどはっきりした色が多かったのですが、私たちはそこへグレーを混ぜた“ミュートカラー”と言われるものを作り、その間にあるカラーを探してきました。色については、私自身がカラーリストでもあるので、パーソナルカラーを主軸に決めています。季節毎に、イエベの人は、ブルベの人は何が必要かを考えてから、ユーザーの方々の声を基に今求められている質感のアイテムを作っていきます。実際に製造する会社の研究員の方々とのコミュニケーションも大切にしていて、『当然のものを当然に作らない』というのをモットーに、同じものでも紙一重の部分が何かをキャッチしようとしています。正直、話し合った末、『そうは作れません』と言われることも度々あります。でもそこで妥協してしまうのではなくて、なぜだめなのかなぜできないのかを追求してできるまでやろうとする精神が、常に新しさを感じてもらえるアイテムの実現につながっていると思います。コンテンツを作る時も同じ精神でやっていますね」
コスメオタクプロジェクトから生まれた“ピーチハニービー”が大ヒット
ロムアンド ジューシーラスティングティント 左/#36 ピーチハニービー 右/#25 ベアグレープ 各¥1,320
「これまででいちばん思い入れがあるのは、“コタク(코덕)”プロジェクト。“コタク”とは韓国語でコスメオタクの意味で、化粧品をいっぱい買いすぎてお金がなくなる=『オタク活動はお金を稼がせてくれない』という韓国の通説を覆して、稼ぐことをかなえようという、ロムアンド独自のプロジェクトです。一般からの応募者1,000人の中から選ばれた10人の“コタク”たちと研究開発して、創り上げた色がジューシーラスティングティントの#36 ピーチハニービー。みんなが作った色を3本まで絞り、ユーザー投票で最終決定をして、ビジュアル撮影や広告作成もプロジェクト参加者でやった熱い企画です。消費者目線で作り、消費者目線で選ばれた『“the”みんなの欲しい色』だけあって、韓国では大バズリして、発売当初即完売した大人気色に。日本でも、アイドルの方が使っていたのがきっかけで人気カラーとなっています。いつか日本のユーザーの皆さんともこういった取り組みができたらいいなと思っています」
韓国と日本は近くても、好みも選び方もこんなに違う!
「国別でロムアンドの売り上げランキングを発表した、私のYouTubeコンテンツ『ロムアンド国家別人気商品順位』を見てくださった方はわかるように、日本と韓国は近いけれど、好みや志向に絶妙な違いがあります。私の印象では、韓国はシックでシンプル、日本はかわいらしさや華やかさ、そしてキャラが好きなイメージです。色選びの傾向も、韓国人は『私はイエベの秋』『ブルベの夏』と細かく自分のカラーが決まっていてそれ以外は使わないので全種のパーソナルカラーを出さないと満足されないのですが、日本人はそこまでパーソナルカラーにこだわらない人も多く、流行や自分の好きな色を使っているようです。ちなみに、日本では最近パーソナルカラーに関わらずブルベの色を好む傾向にある気がしますが、そんな方におすすめなのがジューシーラスティングティントの#25 ベアグレープ。イエベとブルベのちょうど中間の色でどんな肌色にも似合いながら、ブルベっぽい印象に見せてくれるグレープカラーのリップです」
日本のために開発した「シアーティンテッドスティック」
ロムアンド シアーティンテッドスティック 左から/#01 ベアパンプキン、#02 バニーホップ、#03 タフィーベリー、#04 キャラメルナッツ、#05 ダッチココア、#06 インバイナリー 各¥1,540
「いつも韓国でロムアンドがしているように、日本でユーザーの声を聞いて製品を作るプロジェクトでできたのが、シアーティンテッドスティックです。リップスティックだけれど、しっとりシアーな光沢感で、みずみずしい潤いがありながら色づくティントを目指して作りました。韓国の方は明るくて透明感のあるカラーを好みますが、日本の方はちょっと落ち着いた肌なじみのいいカラーを好まれるので、日本寄りにトーンダウンしたカラーリングに。結局、韓国でも好まれる質感だったので、日韓同時に発売しましたが、両国の似ているようで違うところがいろいろあるのはとても面白いと思います」
今トレンドの重ね付けリップ。今いちばんの“かわいい”リップメイクをミン セロムさんに教えてもらいました!
「韓国では色をレイヤリングするというより、マットとツヤ2つを使って、まずマットのペンシルなどで唇の形を整えてから、自分の好きなツヤのカラーをのせる質感のレイヤリングが流行っています。今はオーバーリップが流行っているので、肌色になじむトーンでソフトマット質感のロムアンドのリップメイトペンシルを使って輪郭をややはみだし気味に描くのがポイント。私はもともと唇が小さいのですが、このペンシルで拡大することができますし、同時に唇の紫っぽいくすみもカバーできます。ベースで全て消しておくと、明るく透け感のあるツヤリップカラーの良さを100%引き出して、キレイなグラデーションができるんです。カラーは私がつけているグラスティングメルティングバーム #04 ヒッピーベリーとの組み合わせが最近のお気に入り♡」
左から/透けながらポイントになるソフトレッド。ロムアンド グラスティングメルティングバーム #04 ヒッピーベリー ¥1,320、ミン セロムさんのような明るい肌の人に合うスキンカラー。同 リップメイトペンシル #01 テンダリーピーチ ¥1,210、日本の人気色。同 グラスティングメルティングバーム #06 カヤフィグ ¥1,320
ラストに、ミン セロムさんに一問一答!
Q.いつも必ずポーチに入れているアイテムは?
A.リップメイトペンシルの#01とグラスティングメルティングバームの#04。
Q.無人島に1個だけ持っていくとしたら?理由も教えて
A.問答無用でグラスティングメルティングバームです。唇があれやすく、乾燥して血も出やすいのですが、これなら角質ケアも潤い補給もできるし、1本で可愛い口元になれるので。事務所にも家にも車にもコートのポケットにも、あらゆるところに置いてあります。
Q.ミン セロムさんがディレクションする3ブランドの違いは?
A.「ロムアンド」はコスメオタクのためのもの、「ヌーズ」はカラーケアブランド、
「アンドバイロムアンド」はロムアンドの商品力+コスパの良さ。
Q.3つのブランドでたったひとつリップを選ぶならどのカラー?その理由は?
A.どれもお気に入りなので迷いますが…日本でも人気のあるグラスティングメルティングバームの#06 カヤフィグ。フルメイクでもすっぴんでも似合うかわいい色です。
Q.ハマっている美容法があれば教えて下さい。
A.半身浴。汗をかきながらマスクパック+かっさマッサージでむくみをとって、一日の疲れをとります。もともと末端冷え性なので、半身浴で血流が良くなり夜もよく眠れます。
Q.座右の銘は?
A.簡単に妥協しない。
Q.メイクコスメとは、ミン セロムさんにとって何ですか?
A.1日1日違う私に出会うことができるもの。
いかがでしたか?
メイク好きを魅了するロムアンドの “かわいい”世界。それをパワフルに作り上げるミン セロムさんのこだわりや着眼点、試みなど、新しいビューティが生まれる理由がわかったと思います。そんなロムアンドの世界観を直に味わえるポップアップイベントショップがもうすぐ日本にやってきます。ロムアンドにまつわる楽しいイベントが目白押し!
POP UP イベント「ロムアンドのおうち」
- 開催期間 2024年12月23日(月)〜2025年1月2日(木)
- 場所 原宿UNKNOWN 東京都渋谷区神宮前6-5-10
招待制イベントですが、ウォークインも可能とのこと! タイミングの良いラッキーな人は当日入れちゃうかも?
※受付可能な人数に限りがあります。
日本でのお問い合わせ/株式会社 韓国高麗人蔘社 ☎03・6279・3606
撮影/岡本俊(人物)、李有珍(静物) 構成/中尾のぞみ
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。