千鳥・大悟さんに見る、圧倒的な「惹きつけ力」の法則【松本千登世「へーっ、美容って自由なんだ!」vol.19】
年齢とともに常識という枠にとらわれがち。美容も例に漏れず。そんな私の凝り固まった価値観や美意識をがらりと変えた「ひと」「もの」「こと」をひとつひとつ丁寧に綴りたいと思います。第19回は、今、飛ぶ鳥を落とす勢いの人気お笑い芸人、千鳥・大悟さんについて。老若男女問わず、まわりを惹きつけて止まない理由から、今私たちが学びたいこと。
個性を見つけ、敬い、愛する、無類の「人好き」。
あまりにも唐突なタイトルに驚いた人、きっと多いに違いありません。美容×大悟さん? 美的GRAND×大悟さん? 誤解を恐れず言うなら、このジャンルからはもっとも「対極」にいると言ってもいい、人。でも、でも……。ずっと感じていました。私たちは今、この人のあり方に学ぶべきではないか、と。
「令和の火野正平」(←理解してもらえるでしょうか?)という説があるとか、ないとか。「酒好き」「女好き」を公言し、自他共に認める「遊び人」。スキャンダルもちらほら聞こえてくるのに、「一億総コメンテーター時代」とも言われるこの厳しい世の中にあって、なぜか許される、それどころか愛される。その秘密って? なんとなく興味があって、なんとなく観察していました。そして……、気づいたこと。
じつは大悟さん、有名人、一般人問わず、女性を評するとき、「なんちゅう、綺麗な人や」「めちゃくちゃ可愛いわ」「格好ええなあ」「おもろい人やな、ほんまに」と、ひとりひとり表現が異なります。相手の魅力を瞬時に見抜き、それぞれの個性を具体的なひと言にして、まっすぐにほめるのです。きっと自覚なく、きっと計算なく。男性に対しても同じスタンスのようで、ある若手タレントを「こいつは、『可愛げの頂点』やねん」と表現したときには、ああ、この人は只者じゃないと確信しました。漏れる本音が、それはそれは的を射たほめ言葉。酒が好き、女が好き、その前に、人が好き。だから大悟さんのまわりには、魅力的な人が集まるのだと合点がいきました。……、勝手な想像だけれど。
美容に携わっていると「美しい」「可愛い」「美人」「綺麗」と、どこか一方向に偏った価値観に縛られがちです。もちろん、それは大きな魅力。ただ、個性や多様性が重んじられる今こそ、人の見方を、人のほめ方を、もっともっと意志を持って広げていきたいと思うのです。美しいだけじゃない、可愛いだけじゃない、はみ出したところにある魅力を言葉にしたい、と。すると、自分も多面的になる、輝きが増す。大悟さんがそうであるように。
ちなみに、今回、大悟さんについて語りたい、それは許されるものなのか、と美的GRAND編集長・天野扶美さんに恐る恐る相談したところ、「私、千鳥、大好き! ルミネtheよしもとでよく観てました。楽しみです」との予想外の嬉しい返答。大悟さん、ぜひ、誌面に登場してくださいませんか? 編集長を筆頭に、私たち、心待ちにしています。
イラスト/Yurikov Kawahiro
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