「ショーレイヤード」という美学。「纏う」から「重ねる」へ。香りの楽しみ方をアップデート|美的GRAND夏号・増刊付録
ブランドの世界観を体現した直営店を全国に展開する「ショーレイヤード」。“日本発”であることにこだわり、香りの設計から店舗開発まで手掛ける創業者の石坂将に、その神髄を伺いました。

2013年に誕生したブランドの原点。
左から/セントネーションズ ショーレイヤード ボディスプレー ベルガモットジャスミン、同 ホワイトローズ、同 フレッシュペア、同 CMPG(シャンパン)、同 オリーヴウォッカ、同 ハコネロテン、同 ニセコパウダリー、同 ジャスミンフリージア 各100㎖ ¥8,140

石坂 将 Sho Ishizaka
株式会社セントネーションズ代表、フレグランスプロデューサー。ランカスター大学大学院修了後フレグランスメーカーに入社。2012年に独立、翌13年に「ショーレイヤード」を始動。21年にオープンした初の路面店である恵比寿本店にはカフェを、25年にオープンした西麻布店には『THE BAR 1982』を併設。初の海外旗艦店となるパリ店も25年開業。
2012年に「ショーレイヤード」を立ち上げるにあたり、欧州のフレグランスブランドへのコンプレックスを意識せざるを得なかった、と石坂さんは言います。
「歴史と伝統ありきのパリのブランドと同じステージで勝負したところで勝てるわけがありません。ただその一方で、香水からキャンドル、バスラインへと拡張するのが常道で、新しい概念が出てきていないようにも感じていました。日本はフレグランスの歴史がない分、まだやられていないことを打ち出すチャンスはある。そこで辿り着いた結論が、“使い方”。僕はかねてから香りを重ね使いしていたので、それをコンセプトにしようと思い至りました。だから“ショーレイヤード”なのです」
第一印象は衣服につける香り、近づいたら第一印象よりもセンシュアルで奥行きのある香りが漂う、それが第二印象……そうして「ボディ」「ファブリック」「スペース」という3段階の“香らせるロジック”を作り上げたのです。
レイヤードで完成させる自分らしさという香り
今ではフレグランス業界でも聞かれるようになった「レイヤード」ですが、当時はまだファッション用語として捉えられており、それ以前に“香水砂漠”といわれていたほど、フレグランスを愛用する人はごく僅かでした。
「フレグランス初心者でも手に取りやすい軽やかな香りのものを、当時のスタンダードだった30ミリでも50ミリでもなく、100ミリサイズで発売する、ということに意地を張っていましたね。軽い香りをバシャバシャ使って欲しかった。だから“ボディスプレー”からスタート。ありがたがってちょこちょこ使うのではなく、浴びるように使うことでいつの間にか香り中毒になる。そんな未来を思い描いていたんです」
香りを軽やかにするために石坂さんが仕掛けたのは「ラストノートを削ること」。「ラストノートの加減をどのくらいにするかで軽やかさは決まると言っていい。だから“ラストはいらない”というところから始めました。でも慣れてくると“香りが弱い”という指摘も出てきます。それだけ香りは中毒性があるということ。なのでその後は新作を出すにつれてラストノートを加えていくなど、いろいろと調整しながらコレクションを広げています」
石坂さんのファーストフレグランスは、小学生の頃、英国留学中の兄が初めての夏休みで帰国した際のお土産。寂しさを紛らわすために嗅いでいたネロリの香りが石坂さんの香りの原点であり、ショーレイヤードにシトラス系が多いのはそのため。日本発フレグランスブランドとして、既成概念に挑みながら日本のカルチャーとしての新たな香りをさりげなく提示する――それがショーレイヤードの魅力なのです。
感情をレイヤードしたアイコンフレグランス

丸い小石を重ねたようなフォルムに“さりげなさ”という日本の美学を投影。香りのピラミッドを初採用し、父親の誕生年をシリーズ名に採用するなど、創業10年目に誕生したブランドアイコン。
セントネーションズ ショーレイヤード 1945 オードトワレ ブラック 50㎖ ¥16,900
美的GRAND夏号「増刊」に人気の香りのオードトワレ3種からいずれか1種がついています

ボディスプレーと同じ香りをオードトワレとして再構成。軽やかな香りはそのままに、より長く持続。
左から/セントネーションズ ショーレイヤード オードトワレ ハコネロテン、シュガーライチ、フレッシュペア 各5㎖ ¥1,320
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