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メイクアップニュース
2024.12.27

CHANEL トランテアン ル ルージュ 思わず背筋が伸びる、口紅|美的GRAND

美容エディター・松本千登世さんが厳選。『このコスメが、すごい!~大人美の最新名品~』

思わず背筋が伸びる、口紅

CHANEL トランテアン ル ルージュ
シャネルを象徴するリップスティックは、サテン フィニッシュ12色に続き、ルミナス マット12色が登場。マットな質感ながら豊かな潤いで唇を包み込み、光を吸収して、美しく発色。
右から/21,18,14 各¥25,300

唇の表情から漂う、インテリジェンスとセンシュアリティ

その日私は、いまだかつてないくらい、会う人会う人に、声をかけられました。「あれっ、今日、いつもと雰囲気が違うんじゃない?」「もしかして、メイク、変えた?」「えっと……、そうだ、わかった、口紅!」「それ、どこの口紅? 何番?」「うん、似合う! すごくいい感じ」。不思議なくらいに、皆、同じ反応。雰囲気が違う理由が口紅にある、と気づかれるまでのわずか数秒間、うれしいような、でも、照れくさいような……、穏やかな興奮が全身を巡りました。
この口紅とは、昨年の登場以来、人気を博しているシャネルのトランテアン ル ルージュ。今シーズン、新たに仲間入りしたルミナス マット フィニッシュの14「ルージュ アンティミスト」でした。「艶」と「凛」が程よいバランスで共存したセミマットのピンクベージュは、元
々あまり赤みがない私の唇に塗ると、トーンが少し落ちて、ほんの少し「攻め」のムードに転び、髪の黒と服の黒に相性が良かったのだと想像します。ただ、私をいつもと違う雰囲気にしたのは、口紅の色彩と質感の秀逸さだけではなかったのではないか、とも思うのです。シャネルならではのストーリーを秘めたルージュがいつもより私の背筋を伸ばし、官能的な塗り心地や唇の輪郭や立体感が整って見える仕上がりがいつもより私の口角を上向かせた。このルージュが私に自信と誇りを授けてくれたから、雰囲気をも変えたのかもしれない……、そう思ったのです。
今年は、カラーもテクスチャーもフィニッシュも、これがトレンドと定められない程、魅力的なリップカラーがたくさん登場しました。トランスペアレントなベビーピンクでネイキッドな唇を楽しむも良し、インテンスなブラウンレッドで大胆な唇を楽しむもよし。ルールやセオリーなどいらない。ときめくままに、直感で出合ってほしいと思います。口紅にはその人、その場の空気を変える力がある。「原点」に立ち返ると、その先にはきっと、新しい顔が待っています。

Chitose Matsumoto

エディター・ライター。自ら立ち上げた出版レーベル『BOOK212』より初の絵本『ピンクのカラス』を刊行。
(問)https://book212.com

『美的GRAND』2025冬号掲載
撮影/シバサキフミト(DONNA) スタイリスト/高橋尚美 構成/松本千登世、三井三奈子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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