美容の⻩⾦ルールって本当はないのでは？驚きの究極の回答とは･･･｜美的GRAND

こんなお⼿⼊れがいい、このコスメがおすすめ、これを⾷べるといい…、ＳＮＳに⾶び交う美容情報を取り⼊れてもキレイになれないとお嘆きのあなた、薄々思っていませんか。

誰にでも当てはまる美容の黄金ルールは、ほぼありません

「キレイな人のお手入れ方法がみんなそれぞれ違っていて何を参考にしたらいいか迷ってしまいます」「著名人の美容ブランド、こだわっている分、中身もいいの？」「美肌のための美容医療が一般的になってきていますがやっぱり医療は必要？」「めちゃくちゃ忙しそうでもいつも美肌な人がいます。寝ないと美肌になれないというのは嘘？」

究極の回答は、すべて「人による」。
自分である程度判断できる知識をつければ、失敗も迷いも減ります
美容ページを作るときは、中立的な立場で多くの人にフィットする情報を伝えるべく、複数の専門家に取材を行います。日頃も勉強会や新製品発表会に足を運んでたくさんの角度からの情報を入手するようにしています。そうした中で、雑誌を楽しく読んでもらうために「今はこれが新しい！」、「いろいろある中でもこれがおすすめ」といった、ひとつのテーマをもった記事に仕上げていきます。
ただ、取材の段階では、専門家から「人によるので断定はできない」といったコメントをいただくことも多いです。特に皮膚科医の取材ではとても多い反応。例えば「美容オイルは使った方がいいですか」という質問に「皮脂が少ない人は使ってもいいですが、皮脂が出る人には必要ありません」
実のところ、これが真実だと思います。生体はひとりひとり違うから、誰にでも通用する黄金ルールって、美容にはほとんどないのです。美容が好きで、経験を重ねた賢いグラン読者の方なら、気づき始めている人も多いと思います。
黄金ルールはなくても、判断する基準は欲しい。そんな人のために、これまでの膨大な取材で得た知識から、たくさんの美容情報を取捨選択、判断する材料になる事実をまとめてみました。迷い悩める方の参考になればうれしいです。

■教えてくれたのは....

エディター

大塚真里さん

女性誌で美容ページの編集・執筆に携わるほか、化粧品広告のコピーライティングを多数手掛ける。長年のディープな取材経験を経て情報を整理し、事実を発信。

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1．「汚れを落とす」の巷の情報を斬る

“落とす”ことに熱を注ぎがちな日本人。クレンジングや洗顔でさっぱり汚れを落とすと気持ちいい！でも中には｢洗わない方がいい｣という情報も…。何が正しくて自分はどう洗えばいいのか、そのヒントをまとめます。

【Q】「朝は洗顔しない方が肌にいい」は本当？
→分泌物は酸化するので、一般的に洗い落とした方が調子は良くなる

睡眠中、体に汗をかくのと同じように、顔も汗や皮脂を分泌します。分泌物を放っておくと酸化したり雑菌が繁殖したりするので、基本的には朝も洗顔するのがおすすめ。ただし超乾燥肌の人は、洗顔の回数を減らすために朝はぬるま湯だけの方が調子が良いことも。

朝洗顔しても肌が乾燥しにくいしっとり洗顔料。
カネボウインターナショナルDiv. KANEBO コンフォート ストレッチィ ウォッシュII 130g ￥6,050

ドクタージャルト シカペア ジェントル クレンジング フォーム 150ml ￥4,290

【Q】「クレンジングオイルは肌が乾く」は本当？
→油を落とすための洗浄成分が多く配合されている

顔に油をたっぷり塗って、それをすすぐわけなので、油と水を混ぜて落としやすくするための界面活性剤が多く入っています。それが角層のバリア機能の要である細胞間脂質を流してしまうことがあるといわれています。この欠点を解消しようとしている製品もあるので、オイルが好きな人は要チェック。

超微粒子技術による潤い膜で、肌を守りつつ毛穴奥の汚れまで落とす画期的処方。
オルビス ザ クレンジング オイル 120ml ￥2,200(5月20日発売)

【Q】大人は角質ケアをした方がいい？控えた方がいい？
→肌は薄くなるけれど角層は厚くなりやすいから角質ケアはした方がいい

10〜20代の頃と比べ、加齢につれ肌は薄くなりやすいけれど、それは表皮全体や真皮の話。肌の機能が低下する分、最表面の角層は防御のために厚くなる傾向にあります。不要な古い角質が蓄積すると代謝も低下するので、やりすぎない程度に角質ケアを取り入れるのが◎。

大人の肌にも優しい角質ケア。炭酸と角質ケア成分の力で古い角質を浮かせ、拭き取る。
花王 ソフィーナiP 水光ピーリング泡セラム120g ￥4,290(編集部調べ・5月17日発売)

肌をなめらかに整える美容液。
SUQQU アクフォンススムース リニュー セラム[医薬部外品] 50ml　￥13,200

コーセー プレディア スパ・エ・メール ブラン コンフォール クリア ジェルウォッシュ　150ml ￥3,080

【Q】結局肌に最も優しいのはクレンジングクリーム？
→メイクの度合いと肌タイプで選ぶべきクレンジングは決まる

油分がメイクを浮かせ、乳化物なのでオイルよりも界面活性剤を減らせるクレンジングクリームは、バランスがいいアイテム。でも、メイクをしっかり作り込む人はオイルでさっと落とした方がこする回数を減らせていいこともあるし、ニキビ肌なら油分が残りにくいクレンジングミルクがいいことも。人それぞれです。

2．「与えるケア」の巷の情報を斬る

巷にある美容情報は、ある肌質や年齢、立場の人にはそのとおりだけれど、そうでない人には当てはまらないものも多いです。まさに｢人による」。与える系スキンケアの情報は特にこれが多いので、ひとつずつ解説します。

【Q】大人の肌には油分を与えるケアが必要？
→水分と油分を適度に補う必要があり、そのバランスは人それぞれ

若い頃に比べて水分量も皮脂分泌量も低下する大人の肌。お手入れで足りない分を補う必要はありますが、中には脂性肌で大人になっても肌がテカテカする人もいます。また、ホルモンバランスの乱れで皮脂分泌が過剰になるケースも。自分の肌の状態に合わせた保湿ケアをすることが大切です。

水分と油分を補う、2層タイプの化粧液。油分が減って肌にツヤが出にくい人におすすめ。
コーセー 雪肌精 BLUE ディープ ハイドレイティング エッセンス リキッド II 120ml ￥7,700(5月16日発売)

【Q】「化粧水は肌に良くない」は本当？
→補水効果があり悪ではないけれどお手入れの柱にするのは良くない

化粧水で水分を与えると、乾燥していた肌が補水されてふっくらしたり、角層が一時的に緩んで美容成分が入りやすくなるメリットがあります。でも、大量につけすぎたり長時間ローションパックをしたりすると、角層がふやけてバリア機能が低下し、かえって乾燥するので、ほどほどに。

【Q】マッサージは摩擦になるからやめるべき？
→マッサージ料をつければ摩擦にはなりにくい。ただしやりすぎは禁物

滑りが良くなるマッサージ料をつけると摩擦を大幅に減らすことができるので、マッサージ＝摩擦＝悪、ではありません。肌に圧を加えることで血流が良くなったり、線維芽細胞が活性化するというメリットも。週に数回、短時間ならむしろおすすめ。

マッサージの間に肌へ浸透していき、すすぎ不要のアイテムなら、短時間で終えられてやりすぎを防げる。
化粧水や美容液の後に。シロク FAS ザ ブラック デイ マッサージ マスク 50g ￥10,010

お手入れの最後に。
エスト ザ マッサージ 80g ￥7,700

【Q】アイケアはやっぱり使った方がいい？
→ベターだけれどマストではない。むしろリムーバーの方がマスト

アイクリームやアイセラムは、使えばたるみや小ジワの予防に役立ちますが、全顔用のエイジングケアコスメで代用しても問題はありません。むしろメイクを落とすときゴシゴシこする方がよほど悪いので、目元を大切に思うならまず専用リムーバーを手に入れて。

スキンケアエキスパートであるクラランスは、アイメイクオフの重要性を知り尽くし、メイクの度合いに合わせた2種を用意。
ライトなアイメイクに。クラランス アイメイクアップリムーバーローション SP 125ml ￥3,850

ウォータープルーフのメイクに。同 デマキヤン エクスプレス SP 125ml ￥4,510

【Q】高額コスメを使っても効果がわかりにくいのはなぜ？
→理由はふたつ。期待のしすぎと、使う量が少なすぎる可能性

スキンケアの効果は、肌を良い状態に保ったり、良い状態へ誘導すること。薬のように劇的な効果ではないのに、高価なものを購入するとつい過度な期待を抱きがち。洗練された使い心地やお手入れの喜びを堪能しましょう。効果を感じられない可能性としてもうひとつあるのは、使う量の少なさ。表示された適量を使うようにしてみて。

3．「美容に関する噂」を斬る

コスメの種類が膨大になり、美容医療も気軽に取り入れられる時代になった今、選択はひとりひとりに委ねられています。何をどう選ぶのが自分にとって正解なのか…。その判断のヒントになる情報をお伝えします。

【Q】著名人が作ったこだわりコスメはやっぱりいい？
→著名、無名にかかわらずきちんと作られたものが“いいもの”

インフルエンサーコスメなどは手掛けた人に発信する場と意欲があるので、消費者がこだわりを知ることができます。一方で一般メーカーの開発担当者は、専門知識をもつプロであり、表には出てこないものの細部までこだわって開発している人はたくさんいます。情報に流されず自分の視点で選ぶことが大切。

【Q】オーガニックや天然由来のコスメは肌に優しい？
→肌への優しさは処方によって決まり、植物かどうかは関係がない

天然＝優しい、合成＝悪い、というイメージは、過去に化粧品の粗悪な合成成分が社会問題になったことから生まれました。時代は変わり、技術が進化して、今大切なのは“処方”。植物エキスにも合成成分にも刺激が強いものはあるけれど、配合の仕方で肌負担が強くなったり弱くなったりします。

作り手の視点にも変化が訪れており、この新ブランド｢NAIA｣のように、自然がもつ力に着目して天然由来成分が選択されることが増えている。
NAIA 酒粕 クリアエッセンスローション 120ml ￥4,300(4月1日発売)

【Q】ツルツルの美肌になるため美容医療は欠かせない？
→目指したい美の理想像による。経験してみるのはあり

美容成分を注入したり、光や熱で肌状態を改善する“肌育”系の美容医療がトレンド。医療なのでもちろん美肌効果は絶大です。物すごく気になるならぜひ体験を。ただ、お手入れで磨いた自然で柔らかそうな肌が好みなら、医療は決してマストではありません。どんな肌でいたいのか？ によります。

【Q】高額コスメの中身がプチプラとほぼ同じ、ということはあるの？
→成分表示だけでは判断できない。成分の種類も処方も違うはず

製品の全成分表示比較などで｢あの高額コスメとこのプチプラコスメはほぼ同じ｣と決めつけるのは早とちり。美容成分には種類やグレードがあり、同じ成分名でも異なるものを使っていたり、また配合量も異なります。処方によっても仕上がりは大きく変わります。

これが、本当に数少ない美容の黄金ルール！

地味でつまらないと言われがちなことにこそ、実は真実が隠されており、誰にでも当てはまる黄金ルール。

6時間以上睡眠をとる
肌は睡眠中にダメージを修復します。睡眠時間が6 時間を切ると肌の代謝が乱れ、不調が起こりやすい、と時代を問わずたくさんの専門家が指摘しています。

コスメを適量きちんと使う
化粧品は安いものではないので、どうしても使う量をケチってしまう人も。表示されている適量をしっかり使うだけで、化粧品の真価が発揮されます。

バランス良く適度に食べる
炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミンやミネラル。すべてが体、そして肌を作るために必要なので、バランス良く食べることが大切。糖質カットはNGです。

体を動かす
よく歩いたり運動したりして体を動かすと、エネルギー代謝が上がり、肌の代謝も良くなります。運動によって分泌されるホルモンには美肌効果があるものも。

※価格表記に関して：2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。