メイクアップニュース
2019.12.3

今注目のH&M 笹本恭平さんスペシャルインタビュー|私たちがなりたい顔は“笹兄メイク”で作る!

「コスメに興味なし」「キレイにメイクしない」「リップは靴」…etc. 独自の視点と理論でビューティ界に新風を巻き起こす、今注目のヘア&メイクアップアーティストが笹本恭平さん、通称笹兄。毎号の人気メイクランキングの常連でもあり、『美的』読者が今目ざすべき顔を提案してくれる存在です。知られざるその素顔や発想の源や楽しすぎるお人柄まで、『美的』が初めて迫ります!

笹兄メイクの歴史

笹兄メイクのルーツ

モダンで洗練されたしゃれ感が漂う――。笹本さんが作るメイクは、 常に『美的』誌面で新鮮さを放ちます。普段は、ファッション誌をべースに 活躍する笹本さん。“メイクを施した顔”だけが主張するのではなく、服になじみ、その人を引き立てる独自 のメイクは、ファッション仕込みの“引きの視点”から生まれた、オンリーワンなメイク。今回はそんな笹兄メイクのルーツを生い立ちから探ります。

 

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3人兄弟の末っ子として熊本で生まれる
幼少期はやんちゃで、典型的な末っ子次男タイプだったそう。家族のムードメーカーならぬ、トラブルメーカーだったとか(笑)。※本人談

 

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ヘア&メイクを志すきっかけはファッション
中学の友達の影響でおしゃれに目覚める。高校時代に買ったラフシモンズのMA-1や、高校卒業時に買ったマルジェラのバッグは今でも宝物。

 

高2でヘア&メイクを志す

「小さい頃は、なんでもみんな一緒の集団行動が苦手でした。中学で出会った友達の影響で洋服にハマり、高校時代は洋服にバイト代をつぎ込んでいましたね。好きなブランドのコレクションルックや海外のPVを見る中で、自然と惹かれたのがヘア&メイク。ちょうど当時、学校の帰り道に熊本で唯一のヘア&メイク事務所があって、若かったので『ここなんですか?』と飛び込みでいろいろと質問したんです。そこで初めてヘア&メイクという職業があることを知りました。周りは、デザイナーやDJ、ダンサーになりたいと言ってる人が多かったので、誰も知らないヘア&メイクがカッコよく思えて。きっと根っからあまのじゃくだからでしょうね。高2のときにはヘア&メイクになるって決めていました」

 

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ヘア&メイクの基礎を学んだ専門学校時代
高2でヘアメイクになることを決意し、卒業後は、福岡の美容専門学校へ。当時学んだことは今の基礎となっています。

 

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上京への背中を押してくれた映像作品との出合い
専門学校を卒業後は、福岡のヘア&メイク事務所に所属し活動。福岡でロケを行った映画に参加させていただき、上京を決意。

 

修行の日々。そして独立へ

23歳で上京した笹本さんは、女性誌で活躍するヘア&メイクアップアーティスト小林懸さんのアシスタントとなり、修業の日々を送る。
「懸さんのもとで、初めて女性ファッション誌という世界に触れ、衝撃を受けました。それまではアーティスティックな作品を作りたいと思っていましたが、大人の上品な服に合わせ、“コンサバ”という枠の中でナチュラルメイクの微差を表現する奥深さや面白さに気づいたんです。僕のメイクの原点は、このアシスタント時代の濃密な3年間だと思います」

その後、27歳で念願の独立。あらゆる女性誌に営業に行くが、なかなか仕事はもらえなかったそう。
「今思えば、師匠のメイクのコピーをしていたようなものなので当然ですよね。それは当時も自覚していて、自分のオリジナリティを見つけなきゃと必死でした。10年前の当時はかわいい系のカジュアルメイクが全盛。事務所を移って環境を変えたり、雑誌を見て勉強したり…いろいろ模索する中で、自分が得意な大人っぽいメイクにカジュアルさをミックスさせればイケるかもしれないと気づきました。まだ誰もやっていない、そのジャンルを目指そう!と目標が明確になってから、いろんなことがうまく行き始めたような気がします。モデルの先輩方がメイクを気に入ってくださり、指名してくれるようになって、徐々に仕事が広がっていきました。独立して4 年目くらいからは、できることが増えて楽しかった反面、失敗もしまし た。過剰に盛ったり、とばしたり…。 モデルや洋服が素敵に見えることよりも、自分がやりたいことを優先して、いろんな意味で“引き算”ができなかった。その反省は、“ヘア&メイクをファッションの一部として捉える”という今の僕の考えにすごく生かされています」

 

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チャンスをくれたモデルの先輩方
モデルのリナさんや竹下玲奈さんがメイクを気に入ってくださり、現場で指名してくれるようになって、徐々に仕事は軌道に。当時、毎日のように使っていたM・A・Cのリップ、「ミス」。

 

新たな目標に向かって

「日々仕事をして行く中で、課題は次から次へと出てきます。最近なら、“眉をいい感じに下手に描くこと”。完璧でキレイすぎる眉だと、今っぽさというか、いいヌケ感が生まれない。といった具合に、トレンドのスピードはものすごく早いので、常にそれを敏感にキャッチしてアップデートしていくことを心掛けています。後は仕事の幅を広げていくことも課題です。美容誌でお仕事させていただくようになり、自分がメイクに対して、責任をもって自分の言葉で伝えることの大切さを知りました。今までは感覚でメイクをしていたので、改めて言葉にすると新たな気づきもあり、毎回とても勉強になります。スタッフさんや読者さんの美への熱意もハンパないし、撮影で求められるものは、常に繊細な技術かつ理論的思考なので、ファッション畑で育った僕にはそれも新鮮で。もっと美容を極めたいと刺激をもらっています。なので…『美的』さん!今後ともどうぞよろしくお願いいたします!(笑)

 

デビュー当時からの相棒
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10年間、変わらずずっと使い続けているのがこのふたつ。リモワのトランクとメイソンピアソンのヘアブラシ。欠かせない相棒です。

 

Profile
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笹本恭平さん
人気アーティストが多数在籍するilumini 所属。キャリア10年目の超売れっ子で、多方面で活躍中。『美的』編集部内でも、“最もスケジュールがとれにくい”ス タッフとして有名。撮影現場では鋭く 愛あるツッコミで場を和ます、ムード メーカー的存在。

『美的』1月号掲載
撮影/嶌原佑矢(人物)、金野圭介(静物) ヘア&メイク/笹本恭平(ilumini.) スタイリスト/辻村真理 構成/杉浦由佳子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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