メイクアップニュース
2022.4.22

簡単には変えられないことは割り切って受け入れる…「コンプレックスとどう向き合う?」|石井美保の美になる話。vol. 09

読むだけで、昨日よりちょっとキレイになれる。石井美保さんの注目の新連載、第9弾です。

vol.09|コンプレックスとどう向き合う?

簡単には変えられないことは割り切って受け入れる

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コンプレックスには2種類あると思います。ひとつは容姿に関すること。もうひとつは内面に関すること。内面のコンプレックスは自分のウィークポイントとイコールなので、私自身、それと向き合う度に悲しくなります。だってそれは簡単に変えられるようなことではないから。なんとかしたいと思うのに、どうにもならないと落ち込みますよね。

私にとって、「計画を立てて物事を進める」ことができないことが、子供の頃からずっとコンプレックス。いつも行き当たりばったりで、「やるべきことをここまでにやる!」と、考えることすら苦手なんです。自分の気分が優先でやりたいときにやるスタイル。だから夏休みの宿題は31日にやるどころか、9月1日まではみ出して泣きながらやるタイプでした。今もその感じを変えられないので、周囲に迷惑をかけることもあって恥ずかしいし、自己嫌悪に陥ることがしばしばあります。

でも、悩んでも仕方がないから、努力はしつつ受け入れるほうが賢明。すべてのことには陰と陽、表と裏があるから、この私の無計画なところも裏を返すと、気分が乗ったときのパワーやひらめきには神がかったものがあると思っていて、そんなときの私はいいものを残せる!という自信もあるから、結局のところ直す気がないのかもしれない。コンプレックスではあるけれど、変えられないなら自分はこうだと認めて、翻って良い面を見るようにすると、コンプレックスに向き合う苦しさが少し和らぐと思います。

 

コンプレックスであっても他人には良く映る場合がある

容姿のコンプレックスでいうと、私自身も挙げ出すと切りがない程あります。例えば、フェースラインや鼻がずっと嫌だなと思っていて、コンプレックス。でもそれがかえって「若く見える」「甘いファッションが似合う」「鼻筋が通っていていいな」といった風に長所として羨ましがられることもあるんですよね。

先にお話ししたように、何事も陰と陽、表と裏があるから、自分ではコンプレックスだと思っている部分が、他人にとっては良く見える場合があるんです。だからといって注意したいのが、「◯◯ですよね」「◯◯に似ていますね」など、他人の容姿の特徴を軽々しく口にしないこと。「◯◯で、かわいいですね」など、後ろに褒め言葉がつくならまだしも、言われた当人にとってはそれがコンプレックスである場合が少なくありません。

特にSNSなどで、顔の見えない匿名の誰かから投げかけられた容姿についての言葉が、ひどく人を傷つけているという現状には警鐘を鳴らしたいと思っています。パッと目につく特徴は、当然本人も自覚しているのだから、わざわざ言わない。それがマナーだとも思います。

 

SNSは世の中のあらゆるコンプレックスをかき立てる

コロナ禍の中で、SNSが最大の娯楽であり情報源となったがゆえに、「SNS病」に陥っている人がとても多いな、と感じます。SNSは、コンプレックスの引き金となる“人と比べる”という悪い習慣を蔓延させ、全然気にしなくていいことを、ものすごく気にして思い悩んでしまう人を増やしてしまったと思います。

現に顔を大幅に変えるような整形手術を希望する人が激増したという話も聞いています。本当にその人にとって必要なことであれば、整形そのものを否定するつもりはありませんが、SNS上のフェイクや加工された情報によって落ち込んだり、闘争心がわき立った結果、解決策がそこにしかないのは悲しいこと。

確かに、疲れているときや元気のないときに、華やかで、豪華で、美しい…そんなSNSの世界を見続けていると、ドツボにハマって何もかもが嫌になる…そんな経験が私にもあります。だから、疲れているときや落ち込んだ気分のときはSNSは見ない!あと、SNSをたくさん見た後に自分の顔を鏡でまじまじと見ないこと(笑)

体と心が元気であれば、上手な距離感でSNSを一種のエンターテインメントとして楽しむことができますし、いつもと何も変わっていなくても、「みんなとは違うところこそが自分らしさだよね」「なんか今日私いいじゃん、最高!」と思える日もきっとあるから。特に近頃、コンプレックスが増えてきたかも…という人は、まずはSNSとの距離感を見直してみるというのも手だと思いますよ。

 

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Profile
石井美保さん
美容家、トータルビューティサロン『Riche』オーナー。自身の経験や確かな技術に基づく美容法が多くの女性に支持される。TOKYO FM『花咲み茶寮supported by エスト』も好評放送中。

 

『美的』2022年5月号掲載
撮影/中島 洸(まきうらオフィス) ヘア/大野朋香(air) スタイリスト/JURIKA.A 構成/村花杏子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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