齋藤薫さん寄稿【シスレー、パイオニアである理由】結果として、シスレーはいつもトレンドを作って来た|「大人美のマナーとルール」vol.26
あなたはまだ本当のシスレーを知らない。いや、知っているつもりでも、実はまだまだ知らない魅力がたくさん………それが長年愛され続けてきた歴史あるブランドの奥行き。そういう意味で、とりわけ多くのドラマを宿しているのがシスレーというブランドなのだ。新たな視点で、このブランドの魅力を掘り下げていくほどに、美しくなる大切なルールも同時に知ることができるはず。人気製品を通じて、シスレーの素晴らしさを5回に渡って余すところなく語り尽くす。
結果として、シスレーはいつもトレンドを作って来た
あなたはたぶん、本当のシスレーを知らない。例えば、シスレーがコスメ界屈指のパイオニアであること、知っていただろうか。
確かにシスレーは、そういうことを声高に主張するブランドではない。そしてまた、時代のトレンドの先頭に立って旗を振るようなブランドでもない。だから、先駆者のイメージは強くないのかもしれないが、じつは多くのジャンルにおいて、開拓者的な役割を果たしていることを知って欲しい。
まず何といっても、植物由来成分をサイエンスする創業時からのブランドコンセプトは、それ自体がスキンケア界における革命だったこと、思い出して欲しいのだ。そして、1989年発表のクレム レパラトリスも、実はこの時代において非常に画期的な製品だった。レパラトリスはフランス語で「修復する」「回復させる」という意味を持つ。この時代はまだ化粧品でトラブルを修復するという考え方が一般的ではなく、乾燥や紫外線などの外的刺激で傷ついた肌を緊急でメンテナンスするレスキューケア的なSOS化粧品は、珍しかったと言っていい。
その後このシリーズはさらに発展を見せ、顔だけでなく、ボディも、また手肌や爪も、ということで、ラインナップを増やしている。そして今回注目して欲しいのが、ハンドケア。これが実にユニークで、手荒れ防止のハンドケアのみならず、傷んだ爪のトリートメントもしてくれる。それも、ネイルケアのような本格的なアプローチ。パンテノールなどが爪を強化し、 各種ミネラルやビタミンB 6が爪を適度に厚く丈夫に保つというプロフェッショナルな処 方。どんな目的もおざなりにしないのがシスレーなのだ。いやそもそも、ハンドケアが爪の ケアまで行うこと自体も、非常に稀有ことだったのだ。いずれにしても、顔だけでなく、年齢が出やすいパーツパーツのレスキューにも注力してくれる、その思いやりやキメ細かさが、まさにシスレーの独創性でありパイオニアたる由縁なのである。
そしてまた、プレステージブランドで初めて本格的なヘアケア ブランドを発表したことも、コスメ界をあっと言わせた。このヘア リチュアルもシスレーの革新性をそっくり物語る。もちろん、コスメメーカーがヘアケアを発表するのは決して珍しくないけれど、あくまでも髪のエイジングケアを肌のエイジングケアと同じ次元で開発したことが、極めて先進的だったのだ。
今でこそスカルプケアは当たり前、しかし10年ほど前に「髪もスキンケアする」という発想で頭皮ケアを提案したアプローチは、非常に画期的でした。だから主役はヘア セラム。最新作としてその進化版、ヘア リチュアル フォーティファイング セラム フォー ザ スカルプ アドバンストがデビューを果たしたが、これが頭皮のマイクロバイオーム、常在菌バランスを整え、毛包周辺の環境をさらに整えて、頭皮全体を引き締めつつ活力を与えて、ハリコシや生え際の立ち上がり、ボリューム感までを引き出していく。そして、髪の育毛に関してもじつは目覚ましい効果をもたらしてくれるのだ。
もちろん美容液のみならず、シャンプートリートメントからオイル、ミスト、ヘアマスクまでをラインナップして、 百貨店コスメとしても唯一無二の充実ぶりを見せている。いずれにせよ高級ブランドがスキンケアと同じクオリティーでヘアケアをつくる……その先駆けとなったのがヘア リチュアルであったのは、紛れもない事実なのである。
そしてどんなジャンルでも、トレンドを追うのではなく、独自のこだわりを持って深く深く究めていくのがシスレーのやり方なのだ。
ちなみに日焼け止めにエイジングケア効果を加えたのも、シスレーが最初だったとも言われるし、エピジェネティクスへの着目も本当に早かった。それを意外に思うのも、やはりシスレーが、エイジングケアブランドの使命として、 地道な研究の積み重ねで、当たり前のことを当たり前にやっているだけというスタンスだからなのだろう。
これからはぜひ、シスレーをパイオニアとしてみて欲しい。どんな製品にも必ず新しさがあり、それがやがて必ず常識になってくるに違いないから。一過性のトレンドではなく新たな常識を作るブランドなのである。

ヘア リチュアル フォーティファイング セラム フォー ザ スカルプ アドバンスト
60ml ¥40,700

クレーム レパラトリス ハンド アンド ネイル
75 ml ¥15,400
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤 薫
女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『大人の女よ! 清潔感を纏いなさい』(集英社文庫)、『美人だけが知っている100の秘密』(角川春樹事務所)、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)『年齢革命ーー閉経からが人生だ』(文藝春秋)など著書多数。