おじさんと匂いについて【中年男性、トキメキ美容沼へ vol.36】
こんにちは、ライターの伊藤聡と申します。私は男性のためのスキンケア本『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました』(平凡社)を出しました。みなさんは、スキンケアに興味がありますか。スキンケアという言葉から、どんなことをイメージしますか? こちらの連載では、スキンケアに親しんでいく上で役に立つかもしれないあれこれをテーマに書いていきます。トライしてみれば楽しくて奥が深い、スキンケアの世界を一緒に探求していきましょう。
夏といえば匂い
大雨の多い今年の夏ですが、みなさんどのように過ごされていますでしょうか。夏といえば汗をかきやすく、薄着なこともあって、とにかく匂いが気になりますよね。自分が悪臭を発してはいないかと不安になる男性も多いかと思います。かくいう私も、とにかく悪臭が怖くて、そればかり気にしています。夏って緊張するものです。たとえどんなに愛想をよくしても、どれほど元気にあいさつをしても、臭かったらすべてが台なしです。周囲へ溶け込もうとどれほどがんばっても、「臭いおじさん」にはあらゆる努力を無にする破壊力があります。そうならないよう常日頃から注意しているのですが、やはり電車に乗っていると、となりの座席の男性からかなり厳しめな匂いがしてくるケースがあり、不安をかき立てられます。自分で気づいていないだけで、私がこんな匂いだったらどうしよう。なかなか自覚しにくいだけに、恐怖心が高まってきます。
私の対策方法はとにかくリセッシュ(消臭剤)です。ドラッグストアで大量買いしたリセッシュを家のあらゆる場所へ置いておき、ひたすらに噴霧しています。家を出る際には、玄関前に置かれたリセッシュを全身にくまなくかけてから出発。「浴びる」と表現して差し支えない量を噴霧します。さらには会社の机にもリセッシュは置いてあり、お昼にお手洗いへこっそり移動して頭からつま先まで消臭しています。また、座っている椅子やデスクまわりにも使用します。どこから匂いが発生しているかはわかりません。椅子など長時間座っているので、匂いが出てしまってもおかしくない気がします。意外な盲点なのは、かばんです。リュックやショルダーバッグなどから異臭騒ぎが起こるケースが散見されます。「リュックを洗濯する」という発想がない男性は、同じリュックを洗わないまま何年も使用しつづけるわけですが、背負う際には身体へ接していますから、汗をかいたりすると、そこから匂いが出てくる場合があるのです。よって私は、使っているかばんにもリセッシュ。ひとまずの応急措置が可能です。リュックは定期的に洗濯しています。
お役立ちアイテムはいろいろある
夏は制汗剤もつねに携帯します。「ワキ汗・ニオイ長時間ブロック」と大きく書かれた男性用制汗剤は欠かせません。暑い日はこのスプレーで脇の下をシューッとスプレーして、匂いの発生をおさえます。こうしたスプレーには身体を冷やす効果もあって、とても冷たく感じます。猛暑日の制汗剤は、身体を冷やして汗を止める効果が実感できるのでたいへん便利です。真夏に、冷房の効いたコンビニに入って生き返る感じを10とした場合、制汗スプレーには6くらいの冷感効果があるので、ぜひ試してみてほしいです。かなり気持ちいいんですよね。私は家を出る際にかばんへ入れ忘れてしまうことがたまにあり、不安になって出先で買い求めるのですが、そうすると制汗剤が何本も溜まっていくという状態になります。とはいえ必要なものなので、「こんなん何本あってもいいですからね」とミルクボーイ精神で乗り切ります。
ここまで来ればもう安心とお思いの貴兄。ひとつお伝えしていないことがあります。洗顔シートをぜひ使ってください。不織布を湿らせて、顔を拭くために使用する製品です。皮脂の除去などに役立つのですが、これを使って耳をキレイにしてほしいのです。ポイントは耳なのです。誰しも顔や髪は洗っているのですが、耳のまわりまでは行き届かないことが多く、その結果「耳が臭い」という惨事が起こってしまいます。耳の裏を無臭にしておきましょう。「洗顔シートで耳の裏をていねいに拭く」を、日課として取り入れてください。なんだか「耳なし芳一」の話みたいになっていますが、私はあの怪談の教訓は「耳って結構匂うことがあるから気をつけよう」なのではないかとにらんでいます。もちろん、日々の入浴や洗濯は前提です。私は、洗剤と一緒に衣料用漂白剤を入れています。衣料用漂白剤には消臭効果があるのです。これを使って洗濯すれば効果倍増。こちらもぜひお試しください。
なぜ男性の問題なのか
しかしなぜ、異臭騒ぎは男性が多いのでしょうか。そんなことを考えながら、山内マリコの小説『一心同体だった』(集英社文庫)を読んでいたのですが、身だしなみや容姿、服装に関する描写が思いのほか多く、これは男性の書く小説には出てこないだろうと納得したのです。たとえばある登場人物は、学生時代に脱毛サロンへ行き、思っていたよりもずっと高額な請求をされて、あわててクリーニングオフをするといったできごとに遭遇します。このような経験を男性はしてきただろうかと考えました。思うに男性はあらゆる場面で、こうした悩みをほとんど抱えずに済んでいます。身だしなみを整えることを免除されているし、これといったプレッシャーを感じずに済んでいるわけです。近頃では「半ズボンを履いている男性のスネ毛が見苦しい」といった論議もありましたが、そもそも男性はこれまで、身だしなみや清潔さ、人前に出る容姿といったプレッシャーがほとんどない状態で生きてこられた状況であった、という点は考えておくべきだと思いました。一方で、女性にかかる身だしなみの圧はかなり強いものがあります。こうした不均衡を認識して、少なくとも匂いくらいはどうにかする、という気持ちになるのは大事ではないかという気がしました。

こうした記事であれば、匂いをおさえるアイテムを紹介した方がいいかなと思うのですが、リセッシュや制汗剤はスキンケアアイテムではないので、代わりにSUQQUの新製品をご紹介したいと思います。「アクアフォンス インテンス ハイドレイティング ローション」(化粧水)「アクアフォンス スムース リニュー セラム」(美容液)「アクアフォンス エモリエント フィニッシング フルイド」(乳液)の3点です。なめらかに整えてくれる化粧水、使うと肌がもちもちになる美容液、そしてうるおいを閉じ込めて効果長持ちの乳液。どれもすてきな香りで、贅沢な気分にさせてくれます。がんばって匂いをおさえたあとは、肌のうるおいをキープできればなおGOODです。まずは玄関前にリセッシュから始めてみてください。共に「匂いのしないおじさん」を目指しましょう。
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