わかめの栄養・効果まとめ｜ダイエット・美容への取り入れ方

ヘルシーなイメージのあるわかめ。みそ汁の具や酢の物など、料理にも使いやすい食材です。今回の記事では、わかめの糖質とカロリー、多く含まれる栄養素を解説します。ダイエット中におすすめの食べ方、美容へのメリットを知り、毎日の食生活に活かしましょう。

わかめの「糖質」と「カロリー」

わかめ100gあたりのカロリーと糖質

わかめは生の状態だけでなく、湯通しして塩蔵されたものや、乾燥わかめに加工されたものが出回っています。カットわかめは、塩蔵わかめを塩抜きして乾燥させたものです。

ここでは、それぞれの栄養価をご紹介します。乾燥わかめやカットわかめは乾燥させた分、100g当たりのエネルギー（カロリー）は多くなっています。

出典：文部科学省｜日本食品標準成分表2020年版（八訂）

ほかの海藻（可食部100g）との比較

水戻し後の乾燥わかめと、ほかの海藻を比較しました。エネルギー（カロリー）はやや高くなっていますが、糖質量はほぼ同等です。

出典：文部科学省｜日本食品標準成分表2020年版（八訂）

わかめに含まれる主な栄養素

乾燥わかめ（水戻し）100g当たり
ビタミンA（レチノール活性当量）：100μg
葉酸：46μg
カルシウム：130mg
ヨウ素：1900μg
食物繊維：5.8g

出典：文部科学省｜日本食品標準成分表2020年版（八訂）

ビタミンA

わかめには、β-カロテンが多く含まれます。β-カロテンは体内でビタミンAとして働き、目や皮膚の健康を保っている成分です。

また、高い抗酸化作用を持ち、体内で発生した活性酸素を取り除く働きがあります。

葉酸

DNAや赤血球の合成に関わっています。不足すると巨赤芽球性貧血や動脈硬化を引き起こす栄養素です。

また妊娠初期に摂取が不足すると、胎児の神経管閉鎖障害のリスクが高まることが知られています。

カルシウム

骨に蓄積されるミネラルの一種です。骨量や骨密度を上げ、健康な骨を作るのに役立ちます。また、血液や筋肉、神経組織にも存在し、筋肉の収縮や神経の情報伝達に関わっています。

カルシウム不足によってみられる症状は、骨粗鬆症、高血圧、動脈硬化などです。

ヨウ素

甲状腺ホルモンの主成分となるミネラルです。甲状腺ホルモンは基礎代謝を上げるほか、たんぱく質の合成や脂質の代謝にも関わっています。

ヨウ素が不足すると、甲状腺の機能が低下することが知られています。

食物繊維

食物繊維には、水に溶けにくい不溶性食物繊維と水に溶けやすい水溶性食物繊維の2種類があります。水溶性食物繊維は、腸内の善玉菌を増やし腸内環境を整える働きがあります。不溶性食物繊維は、便のかさを増して腸を刺激することで、腸のぜん動運動を活発にする成分です。

わかめのぬるぬるしたぬめり成分は、水溶性食物繊維の一種であるアルギン酸です。コレステロールの吸収を抑える働きや、便通を改善する作用があります。

フコキサンチン

わかめに多く含まれる機能性成分です。高い抗酸化作用を持ち、皮膚の健康を保つ働きや脂肪燃焼を助ける作用が期待されています。

ダイエットに効率的な「摂取方法」

ダイエットに効果的なわかめの食べ方は？

わかめはカロリーが低く、噛みごたえもあるため、ダイエット中に役立つ食材です。カロリーが低い酢の物にするか、スープに入れて食べるのがおすすめです。特にスープにすると、温かい食べ物でお腹が落ち着きやすくなり、満腹感を抑えるのに役立ちます。

炒め物など、油を使った料理にするとカロリーが高くなり、ダイエット中には不向きです。食べる場合は他の料理の油を控えるなど、食事全体のカロリーを調節しましょう。

わかめを食べる量の目安は？

酢の物やスープ1食分の目安は、生わかめ換算で20～50g程度となります。わかめを水戻しすると、乾燥わかめは5.9倍、カットわかめは12倍に増える（出典：「調理のためのベーシックデータ第6版」女子栄養大学出版部（2022））ため、乾燥わかめなら4～8g、カットわかめなら2～4gが使用量の目安です。

＜ヨウ素の過剰摂取に注意＞
わかめに含まれるヨウ素は、とりすぎても甲状腺の機能を低下させる成分です。そのため、摂取しても健康に影響がない1日あたりの摂取量である「耐容上限量」が定められています。

成人のヨウ素の耐容上限量は3,000μg（出典：厚生労働省「日本人の食事摂取基準（2020年版）」）であり、乾燥わかめ（水戻し）158g（出典：文部科学省「日本食品標準成分表2020年版（八訂）」）に相当します。低カロリーだからといって食べすぎないように注意しましょう。

「美容」への作用・メリット

β-カロテン・フコキサンチンが活性酸素から肌を守る

紫外線などのストレスによって、肌では活性酸素が発生します。活性酸素は肌のハリを支えているコラーゲンを傷つけ、しわやたるみを引き起こします。

わかめに含まれるβ-カロテンやフコキサンチンは、抗酸化作用が高い成分です。摂取すると一部が肌に蓄積し、活性酸素を消去することで肌を守ります。

食物繊維が腸内環境を整え健康な肌を作る

腸内環境を決めるのは、腸に棲む善玉菌と悪玉菌のバランスです。このバランスが乱れ悪玉菌が増えると、フェノール類と呼ばれる有害物質が産生されます。有害物質が血液に乗って肌まで届くと、肌荒れの原因になります。

わかめに含まれるアルギン酸などの食物繊維は、善玉菌を増やし腸内環境を整えることで、肌荒れの予防に役立ちます。

＼教えてくれたのは／

管理栄養士

成松 由佳

大学院修士課程修了。製薬会社にて勤務した後、特定保健指導に従事。食に迷う人の多さに気づき、自分に合った食事を自分で選べる人を増やすため起業。フリーのダイエットサポーター、Webライターとして活動している。

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