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2026.10.24

兼近大樹さん「当たり前に年齢で落ち込める人間になりたかった」新刊エッセイインタビュー【♯美的エンタメ部】

お笑いコンビ・EXITの兼近大樹さん(35)が、女性ファッション誌『Oggi』(小学館)で連載中の「オレって、こじれてますか?」の3 年にわたるトークエッセイをまとめたエッセイ集『あくまでも個人の見解です。~こじらせ男のひとり言』が10月30日に発売されます。みんなの「普通」とは違う自分だけの体験・思考をひもときながらさまざまな質問に応える兼近さんに、本のことから日頃の美容のことまで、『♯美的エンタメ部』でインタビューしました!

EDIT&WRITING: かわむらあみり

かわむらあみり

かわむらあみり

エディター・ライター

ライター・編集者・エッセイスト。大阪府生まれ。出版社勤務後、独立。著書に、自身の体験をもとに綴ったエッセイ本『どうしても、結婚したかった。1000人の男性と出会った私の婚活ラプソディー』(発行:東京ニュース通信社/発売:講談社)、ZINE『わたしたちの韓国ドラマ』がある。音楽、日本・韓国のドラマやTV・映画といったエンタメから恋愛・婚活・育児など女性向けジャンルを手がける。美容は超敏感肌ゆえに肌に合うやさしいアイテムを愛用。美的では「♯美的エンタメ部」を担当。

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「あくまで個人の見解ですが、よかったら読んでいただけたら」

ーーエッセイ集『あくまでも個人の見解です。~こじらせ男のひとり言』を発売されますね。30歳のときには夢だったという小説を発売されましたが、エッセイの連載はまたひと味違う感覚で向き合っておられましたか。

毎回、気を張らずに楽しみながら連載しています。この度書籍になるということで読み直してみると、「あのときはなんて言ってたっけなあ」「どう答えたんだろう?」と、自分自身を振り返ることもできました。

ーー『相方』というタイトルの内容では、「2025年1月、解散予定をやめて『正式な』コンビになった」とあります。EXITは2017年1月に結成、今年でまる10年を迎えますが、コンビやご自身の変化をどのように感じますか。

いい意味でもわるい意味でも、ふたりの関係性について変わりはないですね。ただ、正式なコンビとして本当にずっとやっていくんだと思うと、何でも言える仲にはなりました。以前は、いつかはひとりで活動していただくので、相方ひとりでできる仕事をサポートしたり、アドバイスしたり。

漫才しているときのスタンスや、テレビ出演のときに思ったことを、あえて言わなくてもいいと思っていました。でも最近は、「それ抜かれたら困るよ」「適当にやりましたか」なども、舞台が終わってから伝えるようにしていて。関係性は変わりませんが、言うことは言うようにしたのは、ずっと一緒にやっていくからこそです。

ーーりんたろー。さんは、忠告を受けてあらためるのですか。

「わかった」と納得しています。たまにふてくされるときもありますが、基本的には「確かに」とか「いや別に手抜いてねえし」とか、そのときどきで素直に返してくれますね。

ーー雑誌の連載やテレビ出演など幅広くご活躍中ですが、軸は漫才をする舞台かと思います。本業で普段大事にしていることは何ですか。

たとえば、漁師は魚を獲ってくるのが本業ですが、魚を売ることもしますよね。でも、売るのは獲った魚を売りたいから頑張ってやっていること。僕も同じようなところがあります。たぶん世間の方にすると、芸人といえばテレビに出ているイメージが強いと思いますが、大半の芸人はテレビに出てない。でも劇場に出てご飯を食べている。昔は、テレビに出ない芸人は芸人じゃないと思っていましたが、いざ芸人になってみると、劇場には面白い先輩たちが何百人、何千人といて。僕の芸人に対する概念が変わりました。

舞台や営業でご飯を食べている芸人のなかで、さらにタレント活動をするようになる場合もあって、テレビ越しに人を楽しませたり、感動を与えることができたりするんだなと。今はどの活動もそれぞれの役割があることを自覚しながら、どれも楽しんでやっています。

ーーエッセイには『結婚願望』というタイトルの内容もありますが、今の結婚願望はいかがですか。

このエッセイの中でも、結婚願望が変わっていく様子がわかるのですが、最初は「興味ない」と言っていながら、途中から興味が出てきて。今は早めにしたいですね。ただ、相手が必要なのでいつになるかわかりません。

ーーほかにスペシャル企画として、ラランド・サーヤさん、俳優・山田裕貴さん、兼近さんが熱望されたという格闘家・武尊さんとの対談もおさめられていますね。

そうなんです。どの方との対談も印象深く、しかも全員特殊な変な人。武尊くんは格闘家でまっすぐ前に進む力の強い方で、俳優さんはまっすぐ前に進む力より横に広げる力、いろんなものを知っていかなきゃいけない世界の方でもあって。どちらかというと裕貴くんは僕に近いです。僕はまっすぐ進んで何かを達成する職業ではないので、武尊くんは憧れの人で、ずっと同い年として応援していたので、対談できて嬉しかったですね。裕貴くんはこじれすぎて、逆にまっすぐに見えている男という印象です。

ーー「メシドラ」(日本テレビ系 毎週日曜12時45分)のバディで、エッセイの帯コメントを書かれてた俳優の満島真之介さんも山田さんと同じ印象ですか?

真ちゃんは俳優さんですが、まっすぐなタイプなんです。俳優としては異質なので、このドライブの番組ができるのも、個性的なところがあるからかなと。でも表に見えないところではいろいろな葛藤もあったでしょうし、そんな人間味のある真ちゃんと一緒に作る番組は面白いです。

「ビタミンCは毎日摂って、健康面においては相方よりも意識しています」

ーー兼近さんは健康的なカラダづくりを心がけているそうですね。エッセイの『丁寧な暮らし』では、「ビタミンCサプリを摂る」とありました。

健康については改善していくことが好きなので、トータルでそれが美容につながるところもありますよね。ずっと家にいる日もあるので、ビタミンCは毎日摂っています。スキンケアなどの美容という意味ではあまり興味がないのですが、健康面においては、意識しているかも。体重の増減がいやなので寝る4時間前は何も食べないようにしていたり、翌朝に胃が重いのも苦手なので食事は4、5時間空けて取るようにしていたり。あと10年前からやっていることは、0時には家に帰ってくること、ですかね。夜も仕事で寝られないときは平均して約5時間ほどの睡眠ですが、寝られる日は12時間など、しっかり睡眠時間を確保しています。

ーー兼近さんのトレードマークのピンクの髪については、エッセイに「頭皮用のブラシでのマッサージを開始。効果のほどはまだわからず」とありました。

このエッセイの編集担当の方に、リファのコームブラシをいただいたんです。ピンクのこの髪は2、3ヵ月に一度ぐらい髪染めをしていて、それ以外は自分でピンクシャンプーをして。最近は、髪を乾かしながら、このブラシでとかしています。

ーー運動面はいかがですか。

疲れることは好きではなく、しいて言うなら、ウォーキングをしています。移動はなるべく電車を使うようにしていて、毎日7000歩は歩くようにしてますね。あとはマズイと思うものは食べないしやりません。お酒とタバコもマズイから絶対やらないんですよ。

ーーいつ頃から健康意識が生まれたのでしょうか。

芸人として忙しくなる前ぐらいからです。その前までは、あまり芸人に熱量のない時期があったのですが、「そろそろ頑張らないと人生が終わる」と感じたときに、それまで飲んでいたお酒を断つようになりました。誰かからの受け売りではなく、睡眠や食べ物の質についても自分で研究して、今の生活スタイルに落ち着きました。その頃から、毎日ヨーグルトを食べるようにしているので、いわゆる腸活といわれるものが世間で流行る前から、自分でずっとやっていました。

ーー今年5月に35歳になられた兼近さんですが、エッセイにも「35歳」という内容があります。たとえば女性の35歳は仕事や結婚などの岐路に立ったり、変化を感じたりする年齢でもあり、もしも兼近さんが悩んだり落ち込んだときにはどのように乗り越えますか。

僕自身は、あまり落ち込むことがないんです。確かに、35歳になると結婚した友達とは遊ばなくなってきたり、仕事で変化のある友達がいたり、みんなの生活が変わるかもしれませんね。僕がもしそんな事態になったら、「そういう時期か」とむしろ楽しむと言いますか。年齢に酔う時期があると思っていて、30歳のときはただ30になっただけなのに、「20代のときこれやっとけばよかったな」と思うなど、節目のときにちょっと酔い始めて。

それはきっと周りに合わせてテンション感を変えている感じがするんです。自分軸がないからそうなってしまうのではないかなと。結婚や出産は自分軸で相手の必要なことですが、それが自分ではなくてもただ周りがそうなっているだけのことに“踊らされているダンサー”が多いように思います。もし自分がダンサーになってしまっていると気づいたら、自分なりの軸を意識してみる。本来、自分は何が楽しいのかを忘れているのではないかなと。僕は漫画とゲームが好きですが、同い年ではもうやっていない人のほうが多くなってくるんですが、楽しいからずっとやっています。

ーーそんなブレない軸をお持ちなのは、きっかけがあったのでですか。

そもそも自分と周りの生活や家庭環境、周りにあるものが違っていたことに、大人になってから気づいて。みなさんの場合、「みんなと違う自分でありたい」といろいろな表現をする方が多いですが、僕の場合は完全に真逆で、「みんなと同じになりたい」と思っていました。そこがみんなとは違う。だから、普通でいられる素晴らしさやすごさをみんな当たり前に忘れていると。当然になってしまっている自分の得ているものや、当たり前に感じていること、過ごしてきた日々を本当に当たり前だと思っているから、周りを見て羨ましいと思うのかなと感じますね。

だから僕の場合できないこととか多かったので、今になって羨ましくてみんなが持っているものを真似して買ってみたり、仲間に入りたいというような気持ちが強かったり。人と違うようになりたいと求める前に、「最初から仲間でいられている時点で最高じゃん」と思ってしまいますね。だから、僕はちょっと感覚が違うのかなと思いますが。

ーーだからエッセイのタイトルにも『あくまでも個人の見解です』とあるという……。

そうです! 当たり前に年齢で落ち込める人間でありたかったです。なので、このエッセイはあくまで個人の見解ですが、よかったら読んでいただけたら……。そのときは「こじらせた男はこういう感じです」と表現しているので誰かと比べないでくださいね(笑)。

PROFILE

兼近大樹
1991年5月11日生まれ、北海道札幌市出身。芸人。
2017年より、りんたろー。とのお笑いコンビ「 EXIT」として活動。2018年にはヨシモト∞ホール、ルミネtheよしもとで単独ライブを行うなど大ブレイク。主なレギュラー番組は、『ラヴィット!』『THE 突破ファイル』『ホンマでっか!?TV』『NEXiT!!』『メシドラ~兼近&真之介のグルメドライブ~』ほか。著書に『むき出し』(文藝春秋)など。

Information
『あくまでも個人の見解です。~こじらせ男のひとり言』
著:兼近大樹

発売予定日:2026 年 10 月 30 日(金)
定価:2,860 円(税込)
体裁:四六判・176 ページ
小学館・刊
https://www.shogakukan.co.jp/books/09389876

<衣装>
レイヤードジャケット132,000円、プリントTシャツ49,500円、レイヤードパンツ63,800円、ソックス3,000円(すべてKOH'S LICK CURRO TEL03-6427-1405)
※その他スタイリスト私物。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

EDIT&WRITING: かわむらあみり

ライター・編集者・エッセイスト。大阪府生まれ。出版社勤務後、独立。著書に、自身の体験をもとに綴ったエッセイ本『どうしても、結婚したかった。1000人の男性と出会った私の婚活ラプソディー』(発行:東京ニュース通信社/発売:講談社)、ZINE『わたしたちの韓国ドラマ』がある。音楽、日本・韓国のドラマやTV・映画といったエンタメから恋愛・婚活・育児など女性向けジャンルを手がける。美容は超敏感肌ゆえに肌に合うやさしいアイテムを愛用。美的では「♯美的エンタメ部」を担当。

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撮影: 鈴木章太

スタイリスト: 相川留璃(Office Shimarl)

ヘア&メイク: 五十嵐将寿(晴空日)

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