健康・ヘルスケア
2021.9.17

糖質制限ダイエットにもデメリットがあるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「ダイエット」について。糖質制限ダイエットにもデメリットがあるってホント? 「食べるダイエット」を基本とし、食事コンサルティングも行っているパーソナル管理栄養士の三城円さんにお話を伺いました。

Q:糖質制限ダイエットにもデメリットがあるってホント?

食べながら痩せられるダイエットとして人気の糖質制限ダイエット。しかし、「糖質を制限し過ぎるのも良くない」とか、「便秘になった」「やめたら、前よりさらに太ってしまった」などの失敗談も聞きます。「絶対痩せるし、最強!」という声も高いですが、限界やデメリットもあるのでしょうか。そこで、糖質制限ダイエットはデメリットも多いってホント? について三城さんに聞いてみました。

A:ホント

「そもそも糖質という栄養素は、おもなエネルギー源になるもの。つまり、生活する上で必要なものなので、それを摂らないとによる弊害はさまざま出てきます」(三城円さん・以下「」内同)

糖質制限のデメリットとは

「糖質制限ダイエットをすると、エネルギーそのものの摂取エネルギー量が少なくなりがちです。糖質だけ減らして、タンパク質と脂質でしっかりエネルギー補えばいいと言うものの、実際にタンパク質と脂質から糖質分を抜いて必要なエネルギー量を補給するのは、かなり体に対して負担が大きいです。タンパク質や脂質が多い食事というのは、糖質に比べると消化に負担がかかります。入院時の食事や体調が悪いときの食事を考えるとわかりやすいのですが、体調が悪いときにタンパク質たっぷり、油ギトギトの食事は出されませんよね。胃腸がよっぽど強くない限り、糖質を抜いてしまうと、必要なエネルギーを摂ることができません。さらに、糖質をカットした食事は食事量全体が少なくなりがちなので、ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素も不足しがちになります。

そして、タンパク質が多い食事というのは腸内環境が悪化しやすくなります。善玉菌より悪玉菌が元気になりやすく、お通じが悪くなったり、便が臭くなるということもあります。

もうひとつは、タンパク質が多い食材に関しては金銭的にもかなり負担がかかりますから、続けにくいという面もデメリットになってくると思います」

  • 摂取エネルギー量が少なくなる
  • 消化に負担がかかる
  • ビタミン、ミネラル、食物繊維の不足
  • 腸内環境悪化
  • 金銭的な負担も大きい

ダイエット方法の選び方について

「糖質を長期的に摂らない食事をしていると、確かに体重自体は減ると思います。しかし、先ほどお話したデメリットにもあったように、食事量が少なくなりがちなので、総合的にエネルギー摂取量が少なります。そうなると、糖質制限というより、平行してエネルギー制限で痩せている可能性も考えられます。さらに、3か月以上そういった生活を続けることで、良い意味でも悪い意味でも体はその環境に適応していきます。そうすると、糖質が入ってきたときに血糖値を下げるホルモンである、インスリンの分泌能力も低下しやすくなります。長い期間、体内に糖質が入って来ないことで、インスリンの分泌が減少する体に適応してしまいます。

そのため、数か月で糖質制限をやめて普通の食事に戻したときに、インスリンがあまり分泌されないので、血糖値が下がらないということが起きます。ということは、血糖値は高いまま。そうなると今後、糖尿病のリスクが上がるようなことも考えられます。

そもそも、何のためにやっていたのか?ということにならないように、ダイエットをするときは、やめたあとの体のリスクも考えてからダイエット法を選択するようにしましょう」

Point

・長期的に食事制限を続けるとその環境に体が適応してしまう

・食事制限ダイエットがカロリー制限ダイエットにならないようにする

・ダイエットをやめたあとの体へのリスクを考える

パーソナル管理栄養士
一般社団法人日本パーソナル管理栄養士協会 代表理事
食の相談窓口 San-CuBic 代表
HER-SELF女性の健康プロジェクト 理事

三城円先生

文/土屋美緒

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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