健康・ヘルスケア
2018.2.28

女医に訊く#02|ニキビ跡と色素沈着…洗顔・ニキビ薬などの治療アドバイス

複雑な原因が絡み合ってできる大人のニキビ。前回はニキビができる原因やその種類をまとめました。今回は正しいスキンケアの方法や、クリニックでの治療法をご紹介します。毎日自宅で行うセルフケアとクリニックでの治療の両輪で、ニキビのないツルすべ肌を目指しましょう。

大人ニキビに対して自分でできるケア方法は?

大人のニキビ対策をする上で、まず見直したいのは毎日のスキンケア。

「ニキビができてしまったら、ニキビ菌のエサとなりやすい“オイル系のアイテム”は避けましょう。クレンジングにはミルクタイプかジェルタイプを選び、肌に摩擦を与えないようやさしく洗います。汚れやクレンジングが残らないよう流水で十分にすすぐのも大切です」(高瀬先生)

その一方で、肌を乾燥させる“洗いすぎ”も、結果的に毛穴を詰まらせてしまうもと。「洗顔後は、ニキビの炎症部位を避け、軽やかなジェルなどで保湿してあげて。ノンコメドジェニックと記された、ニキビ菌の繁殖を防ぐタイプの化粧品がおすすめです」(高瀬先生)

ニキビができやすい人にとって、洗顔時に「毛穴がザラついてきたな」と感じたら要注意。常に2~3種類のクレンジングと洗顔料を用意しておき、肌の調子に合わせて使い分けるのが理想です。

ニキビのタイプによって、必要なお手入れは違ってきます。ここでは前回ご紹介した、色で見分けるタイプ別ニキビケア法をご紹介。

◆白ニキビ

毛穴の内側に詰まった皮脂や古い角質を取り除く、ピーリングが有効です。AHAやBHA配合のピーリングソープやピーリング美容液を取り入れてみましょう。

◆赤ニキビ

ニキビ菌による炎症を鎮静するために、抗炎症作用に優れたビタミンCやグリチルグリシン配合のスキンケアがよいでしょう。炎症部位はなるべくメイクを避けるのも大切。

◆黄ニキビ

基本的に赤ニキビのケアと同じです。ニキビ跡を残さないために、肌の代謝を促す発酵食品やビタミンB群を摂取するインナーケアを取り入れて。睡眠もしっかりとりましょう。

ニキビができたら、香辛料などの刺激物や、油脂、甘い物の摂取をなるべく避けること。そして「肌の代謝を促すビタミンB群や、ビタミンCを豊富に含む食材……野菜やフルーツを積極的にとりましょう。代謝を促すという意味では、発酵食品もおすすめです」(高瀬先生)
緑色の濃い葉野菜たっぷりの味噌汁、納豆、ぬか漬け、低脂肪のヨーグルトなど、一見質素でも栄養バランスのよい食事は、肌のみならず健康・体型管理にも役立つはず。

本来は十分な睡眠も大切ですが、「忙しい女性はなかなか難しいはず。だとしたら、寝室にスマホを持ち込まないなど、できることから始めてみてください」(高瀬先生)

女性にはニキビができても仕方ない時期がある?

女性は生理前後でホルモンバランスが変化する以上、月に1度は“皮脂が過剰に分泌しやすい”時期があります。「生理前は黄体ホルモンの影響で、皮脂の分泌が増えたりイライラしやすくなります。この時期は“今はニキビができても仕方ない”と、ある種開き直ることも必要かもしれません」と、高瀬先生。ニキビをストレスに感じてイライラするより、この時期はビタミンCをたくさん摂取したり、リラックスする時間を増やしたりしてやり過ごすのが正解です。

「生理が終わると、今度はエストロゲンの影響で肌の生まれ変わりが促進する時期に入ります。このタイミングは肌のお手入れどき。美白ケアを積極的に取り入れて色素沈着を防いだり、角質ケアをして毛穴をつまりにくくすると、ニキビの予防はもちろん美肌づくりにつながります」(高瀬先生)

ニキビで一番問題なのは、跡を残してしまうこと。腫れのある炎症ニキビを繰り返すと、毛穴周囲の組織がダメージを受け“クレーター”と呼ばれる凸凹になってしまう場合もあります。「この段階になるとスキンケアでは改善が難しく、クリニックの施術も限られてしまいます。炎症が発生したらなるべく触らず、専門医にかかることをおすすめします。ニキビは早めに治療するのが一番です。1つでもニキビができたら、“これぐらいで行ってもいいのかな”などと思わず、皮膚科を受診してください。治るまでの期間が違います」と、高瀬先生。

「昨今ニキビの治療薬は進化しており、過酸化ベンゾイルを配合した薬剤などが登場しています。また、トレチノインやグリコール酸を用いたピーリング、殺菌と肌のターンオーバー促進が望める光治療など、複数の選択肢からその方のニキビに合った治療が可能です」(高瀬先生)

そもそも、自分のニキビが白ニキビなのか、赤ニキビなのか。どのような治療が最適なのか、自身で判断するのは至難の業。「思い込みのケアで悪化させてしまうより、ぜひ皮膚科専門医の力を借りて下さい」(高瀬先生)

大人のニキビケア編、いかがでしたか? 次回は女性の肌悩みナンバーワンともいえる、「毛穴」について教えていただきます。

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皮膚科医
高瀬聡子先生
ウォブクリニック中目黒 総院長。1995年慈恵会医科大学卒業後、翌年より慈恵会医科大学付属病院皮膚科に入局。2007年ウォブクリニック中目黒を開業。ドクターズコスメ『アンプルール』の開発・プロデュースも。
■ウォブクリニック中目黒 https://wove.jp/

文/宇野ナミコ 撮影/田中麻以(小学館)

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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