メイクアップニュース
2009.1.29

西の国から美的通信#21 美の師匠・松原美津子に学ぶ(1)“自分を活かす”術

A:「メイクランド」代表の松原美津子さん。キャリア30数年以上のヘアメークアーティスト。
B:メーク講座を受けるにあたって、サロンに伺うとすでに準備万端な状態。使う化粧品も気になります。
C:メーク後、プレゼントしていただける「メイクアップデザイン」。イラストや色を変えて解説してあるので分かりやすい。
D:左右鏡が配されたフロア。ここでは一般人のメーク講座のほかに、プロ用の講座も開講されている。
E:エントランスの雰囲気。下の額の中に飾ってある写真は、松原さんの作品。

メークをはじめて約20年。いつしかマンネリになっていることもあり、「なんだかメークしても映えないな〜」。そう思いつつ、毎日をやりすごしていたところに、素敵な出会いがありました。

それは一昨年の暮れ。取材でヘアメークアーティストのプロ集団「メイクランド」を主宰する、松原美津子さんにお会いしました。松原さんは福岡のヘアメークアーティストの草分け的な存在で、かつて単身 NY に渡り、『アメリカンヴォーグ』や『エル』のヘアメークまで務めた方。今年56歳になられる今も現役で、福岡にいながら全国区 CM の女優さんのメークを担当されたり、「松原美津子きれい研究所」という部門を設けて一般女性にメークやスキンケアの指導もなさったり。一方ではボランティア活動も積極的に取り組んでいらっしゃいます。華奢で小柄な方なのに、どこにそんなパワーがあるのだろう? といつも思ってしまいます。

最初にお会いした時、私は仕事が忙しくて肌は乾燥しボロボロな状態でした。十分な睡眠もとれず、食事も不規則で、「こんなんじゃ今は美容どころではない。この仕事の山が落ち着いたら、ちゃんとしよう!」とか安易に考えていたのです。ところがインタビューが始まると、それを見透かしたかのように、「日頃からきちんとしたスキンケアを行って、睡眠不足やストレスに負けない強い肌を作っておけばいいのです」と松原さん。

「はぁ…」。これには言葉もありませんでした。あっけにとられた感じです。なぜなら、それまで私が出会ってきた美容家のみなさんは、当たり前のように睡眠時間の確保、バランスのよい食事、ストレスのない生活…とおっしゃっていたわけですから。

え、そこ? そういう発想があったんだ! おもしろい! できたら理想的だけれど、そんなことは可能なのだろうか?

いろんな考えが頭の中で駆けめぐる中、気が付くと私は松原さんの肌をじーと凝視していました。

先の言葉を裏付けるように、多忙な松原さんのお肌は、適度にツヤのあるぷるるん肌。シミや毛穴すら見あたらない。やはりプロだから、きれいにファンデーションを塗っていらっしゃるんだろうな〜と。ところが、その時ファンデーションは塗っていない! とおっしゃる。「え〜〜〜っ」。心が決まった瞬間でした。勝手ながら、美の師匠・松原さんについていきます! イヤ、ついていかせてください、と。

以来、スキンケア(この話は次号で)は松原さんが勧める化粧品に切り替え、早1年。ずいぶん肌質も整ってきたところで、年明け早々、メークを学ばせていただきました。「名原さんはどんな風に自分を見せたい? 若く見せたいのか、等身大の自分を活かしたいのか、あるいは仕事ができる人に見せたいか、優しそうな人に見せたいのか」。4つの中からのチョイスです。迷わず、等身大の自分を活かすメークをお願いしました。

骨格を考えた眉の描き方、コンシーラーの使い方…どれをとっても、目から鱗が落ちることばかり。「年齢を重ねると、何かと隠すメークに陥りがちだけど、自分を活かすメークを覚えたらいいのよ」。分かりやすいレクチャーを受けながら、鏡をのぞくと徐々に輝きを放っていく自分がいたのです。これまでプロにメークをしてもらった経験は何度かありますが、松原さんの卓越したメークは、見た目だけではなく、メンタル面にもじんわりと響いてきます。なんというか「もっと私、がんばろう!」と素直に思えてきたりして。メークにこんなパワーがあったなんて…ちょっと驚きです。

メーク中は別のスタッフの方が、使った商品の使い方から品番までを書き留めてくださいます(写真C)。その用紙はプレゼントしてくれるので、多少やり方を忘れても大丈夫。仕上がった自分の顔に感銘を受けつつ、ふと「松原さん、さっきの4択の中でもしも私が違う選択をしていたら、メークの仕方は変わりました?」と伺ってみたのです。「当然よ! でも、あなたはとてもいい選択をしたと思うわよ」とニッコリ。メークって奥深いんだな〜と今さらながら、感じたのでした。
《次号へ続く》

※この松原さんのメーク講座。一般の方でも受けられます。詳しくは、下記ウェブサイトをご覧ください。かなりおすすめです。

<取材協力>
メイクランド
http://www.makeland-japan.com/index.html

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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