食・レシピ
2009.2.26

北の国から美的通信#21 道南の冬の味覚、美肌効果抜群のごっこって?

1:この日の天気は、あいにく曇り。前日まではとても暖かかったのですがこの日から急激に気温が下がりました。でも、雪がないんです。2月に雪がない函館…例年では考えられません。
2:これが、穫れたてのごっこ。ふぐのようなアンコウのような、なんともいえないオブスな魚です(笑)
3:無料で振る舞われた「ごっこ汁」。具沢山なお味噌汁のような感じ。豆腐、長ネギ、人参、大根…と野菜もたっぷり。小さく見える丸い粒が卵です。箸でもっているのが、コラーゲンたっぷりのごっこの身。
4:ごっこのほかに、たこやホタテ焼きの屋台も。恵山町は、たこでも有名なんです。生ダコを炭で焼いた串焼き…美味でした。今まで食べたタコの中で一番おいしかったです。
5:おまけ。子供限定で輪投げ大会があったのですが…なんと輪投げの賞品は「ごっこ」や「生たこ」「生ガキ」などの海産物や、お醤油やみりんなど!!(見えますか?)子供に向かって「左のタコ!」なんて指示するお母さんがいたりしました(笑)。こんな賞品、田舎ならではですね。

前回のイベント情報欄でも紹介させていただいたのですが、函館市・恵山(えさん)町で行われた「恵山町ごっこまつり」に行ってきました。ここ恵山町では、昔から冬の味覚としては極めてポピュラーで美味な食べ物として親しまれてきた「ごっこ」。一般的な和名は「ホテイウオ」で、布袋魚と書くことも。由来は七福神の布袋さんのような、どこかかわいらしい顔と体型からだと言われているそうです。

私が10年前に函館を訪れたときには、「ごっこ」なんて聞いた事もなかったのですが、最近ではスーパーでも鍋セットにして売っているのをよく見かけます。この魚の第一印象…とてもではありませんが食欲がわくような代物ではありません(笑)。うろこがなくて黒くてヌメリがあって、なんともグロテスク(写真2)! なんと、お腹に吸盤があって、その吸盤でくっついて泳ぐそう。そのため、岩礁が必要になるので、岩礁の多い恵山町付近が適した海域なんですね。

こんなグロテスクなお魚さんですが、実は“海のすっぽん”とも言われるほどの珍味でありまして、2月の極寒の時期は身が引き締まってさらにおいしいとされています。味は淡白でアンコウに似ています。皮の部分は外側が黒くて内側が白いゼラチン質で、口の中に入れるととろける食感が楽しめます。ふっくらとした体の割に身が少ないため、実際は皮や皮に近い部分と卵、肝くらいしか食べるところがないのです。

そのため、もっともポピュラーな食べ方は「ごっこ汁」。薄い醤油仕立てや豚汁のように味噌風味にしたりと、味付けはさまざま。キャビアとも言われる小さい卵がたっぷり入っている雌を使うのが一般的なんだそうです。

この日、振る舞われたごっこ汁にも、たっぷり卵が入っていました(写真3)。ほんと、見た目がキレイでなくてすみません…(笑)。主な材料は、ごっこ、豆腐、長ネギ。とにかくゼラチン質をそのまま食べているような感覚。当然のごとく、コラーゲンたっぷりで美肌効果にも期待大! そのため、女性にはとびきり人気があるのです。

ちなみに、科学的な成分分析をしたところ、タンパク質やビタミン類のほかに、頭が良くなる事で有名な「 DHA 」も多量に含まれているとのこと。肌がキレイになって頭もよくなれば、嬉しさ倍増ですよね。お世辞にも、ものすごく美味しい! とは言えないのですが(あくまでも私の見解です…)、肌がよくなるのであれば食べます!

残念ながら道外ではあまり販売されていないようですが、今後は甘露煮や缶詰という形で全国に広めていくとのこと。それよりもやはり、新鮮なごっこを食べにきてください! 2月は毎年、ごっこまつりも開催されますし、もうひとつの名物・たこ、生ガキなども現地価格で購入することができます(写真4)。

この日、ごっこをたらふく食べた私…。もちろん翌日の肌は、ぷるっぷるでした。コレ、本当です! 2月中は週1で食べたいと思います。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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