ボディケア
2015.3.3

大高博幸の美的.com通信(276) 雲のヴェールのような あの香りは? アトランダムQ&A No.45

Q 昨年12月11日に外苑前のギャガ試写室前で一度、1月8日に同じく外苑前のティールーム『ル パティシエ タカギ』内で一度、大高先生に お目に かゝりました。お目に…と言っても、先生のすぐ近くに 私が そっと近寄って行っただけのコトなのですが(笑)。その時、二度とも、微かに とても柔らかい素敵な香りがしました。何とも言えないクラシカルな温かみのある香りで、しかも香水やオードパルファムの香り立ちとは異なる、雲のヴェールのようなニュアンスでした。あの時、先生は何をつけていらしたのでしょうか? 二度とも 先生は お連れの方と お話をなさっておいででしたので、お聞きしたいと思いつつ、遠慮せずにはいられませんでした。映画『暮れ逢い』(通信(266)で紹介)の あの場面のようで恐縮ですが、ぜひ教えてください。よろしくお願いいたします。(アンバー、32歳、普通肌、会社員)

reジッキー
ゲラン ジッキー 香水(パルファン)

A 遠慮してくださったとのコト、お気づかいいたゞき、ありがとうございました(笑)。
あの香りは、ゲランのフレグランスの中でも特にクラシックな『ジッキー』(詳しくは後述)です。
香水として、そのまゝ愛用していた時期もあったのですが、実は この2年ほど、僕は自己流で手を加えたモノを 時々 楽しんで使っています。“練り香水”ではなく、“フレグランス ボディ パウダー”とも異なる、“ジッキー パウダー パルファン”と勝手に名付けている貴重品(笑)なのです。

それは、ベビーパウダーに『ジッキー』の香水(パルファン)を たっぷりと含ませたモノ。全身の どこへ つけてもOKですが、主に首まわりにパフで使用するコトが多い(首まわりに使用したクリーム類を落ち着かせるコトが できる上、自分自身で香りをフワッと感じるコトが可能だからです)。一般的な“フレグランス ボディ パウダー”よりも 香りの濃度は高い。

どのように手を加えたかと言うと…、
① 口の広いクリスタルの容器(ガラスの容器でも可)に香水を注ぎ、そこにパウダーを少し加えて、スプーンで混ぜる。
② ある程度まで均一に混ざったら、パウダーを さらに加えて、繰り返し混ぜる。
③ 容器のフタは、閉めても 開いたまゝにしておいても かまわない。開いたまゝにしておくと、その部屋に香りを漂わせながら、パウダーが早く乾く。閉めておくと乾きは遅くなりますが、パウダーの香りは より濃密になる感じです。
使用するパウダーは、完全に無香料のモノがベストなのですが、現在の僕には入手が困難なため、ドラッグストアで売られている上質で微香性のベビーパウダーを使っています(以前、製品開発の仕事をしていた頃は、手元に無香料のパウダー原料が何種類もあったのですが)。でも、パウダリーなタッチの香りが昔から好きな上、『ジッキー』の香りのノートとも相性がいゝので、自分では100%満足しています。アンバーさんが「雲のヴェールのようなニュアンス」と感じられたのも、そのためだと思います。
この“ジッキー パウダー パルファン”を作るまでには、僕なりの試行錯誤があり、ムダな結果に終わった事例も多々ありました。

もしもアンバーさんが この方法にトライするのであれば、香水やパウダーを こぼしたりしないよう、時間的にも気分的にも余裕のある時に ゆっくりと丁寧に なさってください。
この回答を書くに際しては、ゲラン社に予め お伺いを立てたのですが、文章にして配信するコトを快諾してくださいました。ゲラン社の寛大さに感謝しています。ありがとうございました!
P.S. 実は つい最近、完全に無香料で やゝ固めの上質なスキンケアバームを見つけたので、“冷吸収法”と同じ方法で、“ジッキー ソリッド パルファン”を作ってみようと思っています。
では アンバーさん、また 質問 or レスポンスを お待ちしていますね。

 

ゲラン ジッキー 香水(パルファン) 30ml ¥36,800+税
現代香水の第1号と呼ばれている永遠の名香です。
ゲラン社の創設者:ピエール フランソワ パスカル ゲランの息子:エメ ゲランの調香により、1889年に発表されました。
当時としては最先端の製造技術を用い、花々の香りのエキスを 純粋に、より力強く、変質しない状態で抽出。さらに合成精油を初めてブレンドするコトに成功し、オリジナリティが極めて高い、持続性に優れたフレグランスの誕生となったのです。
香調は、セミオリエンタル アロマティック。
トップノートは、ラベンダー、ローズマリー、ベルガモットによる 新鮮で生き生きとした芳香。
ミドルノートは、ローズやジャスミンが奏でる 華麗なハーモニー。
ラストノートは、ローズウッド、白檀、トンカビーン、バニラによる 優しく温かいニュアンス。
スポーティな若々しい雰囲気をも感じさせるため、女性だけでなく男性にも愛用者が続出したという、知る人ぞ知る記録も残されています。
『ジッキー』は、『ルール ブルー』などと同じく、ゲラン ブティックにて入手可能。
詳しくは、www.guerlain.co.jp 、または 0120-140-677へ。

 

 

アトランダム Q&A企画にて、 大高さんへの質問も受け付けています。
質問がある方は、ペンネーム、年齢、スキンタイプ、職業を記載のうえ、こちらのメールアドレスへお願いいたします。
試写室便り等の感想や大高さんへのコメントもどうぞ!
info@biteki.com (個別回答はできかねますのでご了承ください。)  

ビューティ エキスパート
大高 博幸
1948年生まれ。24歳の時、日本人として初めて、パリコレでメークを担当。『美的』本誌では創刊以来の連載「今月のおすすめ:大高博幸さんが選ぶベストバイ」を執筆。
■大高博幸の美的.com通信 https://www.biteki.com/article_category/ohtaka/

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

この記事をシェアする

facebook Pinterest twitter

関連記事を読む

あなたにおすすめの記事