大高博幸の美的.com通信（19）美智子様とお母様の“究極の美”に感涙！！

“発行／小学館”だから誉めるのでは決してなく、このDVD付きマガジンは本当に素晴らしい。貴重な写真と映像、推敲に推敲を重ねたであろう文章とナレーション…。第1巻（創刊号）から第3巻までを手にして、ここまでベストを尽くして制作されたDVD付きマガジンは、かつてなかったと思いました。

入手以来、何度も繰り返し観ずにはいられなかったのは、第1巻『世紀のご成婚』のDVD。今から51年前の、皇太子殿下（現在の天皇陛下）と正田美智子様とのご成婚にまつわるエピソードがまとめられた巻です。

当時小学生だった僕は、新聞、白黒のテレビ（カラーテレビは存在していなかった時代）、映画館で週替わりに上映されるニュースフィルム等で、皇太子様と美智子様のお姿を拝見していました。そのせいもあって、今こうして丁寧に編集されたDVDで改めて鑑賞できたコトに感激しています。

僕がいちばん惹きつけられたのは、若き日の美智子様がご両親様（正田家ご夫妻）と共にカメラに収められた映像の数々でした。繊細な神経の持ち主であったに違いないカメラマンが、カメラを静かにパン（固定した位置からレンズを横に移動する撮影手法）して、お母様の表情を捉えようとしたところなど、何度もリプレイして見つめてしまいます。そして、見つめながら、そこで胸が詰まって涙がスッと流れるのはなぜか、と僕は考えました。
それをひと言で表現すると、そこには日本人としての究極の、真の美しさを体現する姿が映し出されているからだと思いました。

ご成婚の日の映像は、唯一現存するカラーフィルムによるもので、それは当時公開された記録映画『世紀の御成婚』から抜粋されています。
僕はその映画を小田原市の『国際劇場（日活系）』で鑑賞したコトを、今も鮮明に記憶しています。500名以上の小学5年＆6年生全員が、担任の先生たちに引率されて、謹んで鑑賞したのでした。

そのフィルムは保存状態も最良で、画面は光り輝くようです。DVDで再見して、馬車パレードでの馬の動きの美しさにも驚かされました。

その他、今回初めて目にしたのは、ご成婚当日の警備に当たる警察官約1万人の訓練＆予行演習の模様です。30代が中心と思われる警察官たちの表情が真剣かつ晴れやかで、ちょっとした瞬間に見せる健康そのものの笑顔には、胸を打たれるものがありました。「すべて昔は良かった」なんていう気持ちではありませんが、当時の“男の中の男”たちの生気にあふれた邪気のない姿には、心が洗われる想いです。

今回は皇室のお話なので、いつものようにスラスラと書けないのがもどかしく、口惜しくもありますが、美的.com読者のみなさんにも、ぜひ一度は観て、読んでほしいと思っています。

皇室の２０世紀 １ 世紀のご成婚（￥990）
皇室の２０世紀 ２ 天皇皇后両陛下 日本全国への旅（￥1890）
皇室の２０世紀 ３ 昭和天皇の思い出（￥1890）
■小学館 http://www.shogakukan.co.jp/koushitsu20/

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