2021.12.28

PMSのイライラや落ち込み…日光と食事で緩和されるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“生理にまつわるトラブル”について。PMSのイライラや落ち込みが日光と食事で緩和されるって…ウソ? ホント? 『生理で知っておくべきこと』の著者であり、生理やPMSの研究などを行っている一般社団法人ラブテリ代表理事の細川モモさんにお答えいただきます。

Q:PMSのイライラや落ち込み…日光と食事で緩和されるってホント?

生理前に起こるPMS(月経前症候群)。症状はさまざまあるけれど、そのなかでもよく悩みとしてあげられるのが、イライラしたり、気分が落ち込んだり、無気力になったり…。感情が上手にコントロールできないことで、余計に自分を責めてしまうことも。しかし、この問題、日光と食事で緩和できるのだとか? 細川モモさんにさっそく、その真相をおうかがいしました。その答えは…?

A:ホントです!

「PMSの症状や原因については全てが解き明かされているわけではないものの、女性ホルモンの影響で、セロトニンというホルモンが減ってしまうことによる影響が大きいと考えられています。

冬に起こる”冬季うつ”という言葉をご存知でしょうか。セロトニンは午前中の日の光を浴びることで分泌されるため、日照時間が短くなる冬に一番低下します。それによって、落ち込みやすくなったり、満腹感を感じにくくなって過食に走ったりする症状をいいますが、これと同じことが生理前に起こっていると考えられます。(そう考えると冬のPMSは症状がさらに悪化しやすいということなので、とくに注意が必要です!)

なので、生理前に減ってしまうセロトニンを増やすことで緩和につながるというわけです。もちろん、積極的に日の光を浴びるだけでは不十分。セロトニンのもとになる物質を食事で取り入れることも大切です」(細川モモ氏・以下「」内同)

セロトニンの材料となる物質は?

「セロトニンのもとになる物質は、トリプトファン、ビタミンB6、マグネシウムなどです。日本女性の5人に1人は鉄欠乏性貧血ですが、鉄はセロトニンを合成する手伝いをします。肉•魚•大豆•卵などの良質なタンパク質と未精製の穀類(雑穀や大麦、胚芽など)がおすすめです。

さらに、カシューナッツやアーモンド、クルミ、高カカオチョコレートをおやつに食べるとよいでしょう。脳内にセロトニンの材料となるトリプトファンを多くとり込むためには炭水化物(糖質)も必要です。セロトニンは主に腸で作られるため、食物繊維を含む炭水化物は腸内環境を整える働きもあります。一般社団法人ラブテリの調査では、食物繊維やマグネシウム、鉄は不足率は90%を超えています。

炭水化物の代表格といえばお米ですが、白いゴハンを食べると心が落ち着いたり、気持ちが明るくなったりすることはありませんか? むしゃくしゃすると甘いスイーツが食べたくなったり。これは糖質をとることでセロトニンが増加するためです。白米などの炭水化物は女性からすると、敬遠されがちですが、PMS対策の観点からすると、しっかり食べておくが正解。甘いものの食べ過ぎを抑えてくれる効果もあります」

  • 肉•魚•大豆•卵などの良質なタンパク質
  • 未精製の穀類(雑穀や大麦、胚芽など)
  • カシューナッツやアーモンド、クルミ
  • 高カカオチョコレート
  • 炭水化物(糖質)

もっともおすすめのメニューは?

「セロトニンをつくるのにもっともおすすめは納豆麦ゴハンです(玄米や胚芽米でも)。卵を落とせるとなおよしです。トリプトファン、ビタミンB6、炭水化物、そしてセロトニンをつくるために必要なミネラルであるマグネシウムも含まれています。自炊が難しいという人はコンビニの納豆巻を取り入れてみましょう。納豆が苦手という人には、ヨーグルトにバナナの組み合わせを試してみてくださいね」

セロトニンのもとになる食事+日光でPMS対策を!

「セロトニンをつくるには朝日を浴びることが大切。起床後30分以内にカーテンを開けたりベランダに出たり、ゴミ捨ついでに5分ほど朝日を浴び、午前中に15〜30分以上日当たりの良い場所で過ごしましょう」

予防医療・栄養コンサルタント/一般社団法人ラブテリ代表理事

細川モモ(ほそかわ もも)さん

文/坂本アヤノ

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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