気持ちはダイエット 食いしんぼ編集長の「いい食欲」「悪い食欲」

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Vol.25 60年に1回? ときめき出雲旅

セレクト陶芸店では見られない、大物から小物までものすごい数が。極小皿、中皿、大皿、魚の形の箸置きなどを買い込み。
私にとっては懐かしのエッグベイカー。できあがりの半熟具合や卵濃度がアップした感じは激ウマ! 普通の卵をブランド卵の味に変えてくれるのです。しかし、器があったまって火が通るまでけっこう時間がかかるのが難点。「最初にお湯で温めると時間短縮できるよ」と、福間さんにアドバイスされましたが、購入は見送り。私の食生活はスローじゃないようで…思い出の味にしておきます。
松平不昧公ゆかりの出雲、煎茶ではなく抹茶が、卵に続いて登場。これもおいしかった。

式年遷宮に伴い、出雲大社の本殿の屋根の葺き替えをするということで、いつもは公開していない本殿拝観のチャンスが今年3回ありました。GWと海の日前後と、8月の1日から17日まで。最初の2回を逃し、お盆の合間にトライすることに。往復はがきで時間を第3希望まで書いて申し込むか、当日並んで整理券をゲットするかのどちらか。珍しく往復はがきを出しておいたら、第1希望で戻ってきました。厳かな場所だけに、服装規定がしっかりと書かれていました。

山陰を訪れるのは初めて。今回は出雲大社ともうひとつお目当てがあり、それが玉造温泉の湯町窯。黄土色や黒や藍色の陶器で、民藝好きの人にはよく知られています。エッグベイカーが特に有名。直接器を火にかけ、卵がほどよく半熟にやけるというもの。小さいとき実家にこれがひとつだけあって、人数分の器がないのと時間がかかるので、お蔵入りしてしまった思い出の品です。

松江に着いたのが16時過ぎ。目的地に行ってしまおうと、玉造温泉駅前の湯町窯に17時半ころでした。お盆なので陶器作りはお休みという窯主の福間さんが自ら接客、お客さんが私一人になっていろいろ話していたら、「卵とお茶とどっちがいい?」と。「卵で」と、ちゃっかりエッグベイカーを味わったのでした。

その後、お茶も一服いただき、欲しかった器をあれこれ選んで、玉造温泉までの歩き方も教わりと、超満足のご接待でした。銀座「たくみ」で買った、サラダボウル的な小鉢は持っているのですが、お店では種類が少ないんですね。出雲はもとより、その後立ち寄った倉敷でも、伝統工芸的な店にはほとんど、湯町窯の作品が置いてあり、その人気っぷりが伺えます。が、やはり窯元へ! こんなにたくさんあるんだ〜と、感嘆するばかりです。2階は記念館のようになっていて、布志名焼の古い作品、柳宗悦、バーナード・リーチ、スリップウエア、山下清、棟方志功と、民藝好きにはたまらないアイテムがそろっています。

翌日は出雲大社へ。予約時間は14時半なので、出雲民藝館や博物館に寄ってから目的地へ。出雲民芸館は、西出雲という駅から歩いたところに。島根は民藝の宝庫なんだなと思うくらい、生活用品が素敵でした。展示物はすべてこの地域のもの。湯町窯のお皿もありました。型染めの布の素晴らしいこと。街中では見かけなかったけれど、着物にしたら素晴らしいだろうな…と。もったいないのは、この民藝館は便が悪いので来客がものすごく少ない。出雲はほかにも見るべきものが多いせいもあるでしょう。民藝館から出雲大社の隣の博物館まで、タクシーを呼んで2000円以上かかりましたし。車を持っていればすぐなんですけどね…。お近くに行かれた際はぜひ!

出雲大社はものすごい混みようで、気温も37℃ほどあり、熱中症になってもおかしくないくらい。30分ごとに集まって並んで、テントの下で座って待つのですが、その間に服装チェック。ジーンズ禁止なのに、デニムっぽい生地のパンツをはいていってしまいドキドキ。コットンパンツということで逃れたのですが、同じ列にいたおばあちゃんが「これはジャージだと思われるのですが、ジャージはダメなんですよ」「これジャージじゃないです。生地が違います」と、ここで帰されても困ると必死。見た感じ「トレパン?」なのですが、主任判定員の判断を仰ぐと、何も言わずにうんうんとうなづき、「せっかく来たんですからね」と。周りの人たちもほっとしました。はがきの申し込みの倍率は28倍ということですが、本当だったのでしょうか???


本殿の裏側からの図。周りをぐるりと人がいる様子、わかりますか?屋根の上、交差している先端が24mの高さだそう。
名物「大注連縄」。下に向いてる断面には硬貨がたくさん刺し込まれておりました。みなさん10円100円と、いろんな投げ方でトライ中。

 

写真でおいしさが伝わるか? 今度は温かいおそばも食べてみたい。

言われたとおりポロシャツのすそはパンツの中に入れ込み、靴を脱いで階段を上がり、周りをぐるっと順番が来るまで待ちます。床面が地上から5mの高さだそうですが、周りに何も無いので風が通って気持ちのよいこと。正面まで来ると座ってご説明を聴き、天井の八雲の絵(雲はなぜか七つ)を拝見して終了。ハイライトは5分弱といったところ。普段は、限られた人のみが、みそぎをし、白装束でやっと入れるところだそうです。ありがたく、そしていろんな人に頼まれた縁結びの御守りを購入して、満足して帰りました。

そして出雲そば。出雲大社で食べたおそばは、頼んで1分で出てきて「えっ?ゆでおき?」と、案の定まずかったの…。ところが、松江の小泉八雲記念館の近くで食べたおそばは別物でした! 店主がクラシック好きなのか、パネルにCDジャケットをはめ込んで飾ってありました。レオニード・コーガンとかカザルスとか、好みが合うかも…と、ここもまた30分待ち。そして頼んだ、とろろ割子のすべてに満足。かみごたえのあるそばは甘く、かみごたえに合う太過ぎない細さで、とろろはぽってり固めで濃く、そばつゆの量も自分で調整できるし。そばって本当にお店しだい。おいしいところに出会えてよかったです。

その後倉敷に出て東京に帰ったのですが、山陰と山陽の違いが多少わかりました。新幹線のあるなしがかなり影響しているし、日本海と瀬戸内海の海の違いも大きいですよね。飛行機でないと不便だけど、山陰にはまた行きたい。安来の足立美術館の横山大観も、季節ごとに4回行かないと全部観られないようになってるし!と、目的がまた増えたのであります。

 

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